2005/12/28

【Diary】仕事納め

◎世の中の大半のサラリーマンの人が(おそらくは)そうであるように、今日で仕事納めと相成った。 今年は仕事が非常に尻切れ蜻蛉な終わり方になってしまい、しかも来年からの仕事内容がまったく未定なので、実にカタルシス不足な仕事納めなのだが。

◎世の中のオトーさんたちは明日からも大変である。 大掃除では体力と腕力をあてこまれ、それが終わると今度は年末年始の帰省ラッシュがやってくる。 子供の相手親の相手で色んな場所をかけめぐり、三が日明けに帰ってきたらもう仕事スタートだ。 せめて今日ぐらいは、近所の飲み屋で仲間たちと労をねぎらいあって欲しいものである。

◎私の仕事納めは、妻を連れて近所の温泉施設に行ってきた。 スーパー銭湯のお湯が天然温泉になっているような感じのアレだ。 料金はちとかかる(1200円)するものの、設備はそこそこ充実している。 温泉には詳しくないので、泉質についてはよくわからない。 源泉温度がやや低く、そのままかけ流しで使用している為、湯はややぬるい。 露天風呂もあるのだが、外に出るのに勇気が居る。 何しろ外は氷点下だ。
意を決して外に出ると40度に満たない低温風呂でも豪勢に湯気が出ている。 岩風呂は温度が高く(45℃程度)、ことさら派手に湯気を上げている。なかなか幻想的な光景である。

◎私がこの温泉施設を利用するもう一つの理由がソルトサウナの存在だ。 要は体に塩を摺りこんで低温サウナに入るのだが、塩の効果で体の温度は非常に上がるので高温サウナより派手に汗が出る。 しかし実気温は低めなのでのぼせることもないし息苦しくなる事もない。
汗の出にくい冬場でも豪勢に汗をかけるので、美容と健康(おいおい)に留意したい人には持ってこいの施設だ。

2005/12/27

【Diary】ここ最近の新聞を読んでいて・・・

◎写真と本文は全く関係が無い。 昨日でかけた帰りに撮影したものだ。

◎山形で鉄道事故が発生した。 突風による転覆脱線が原因と目されているが、その「原因」を前提とした「事故を防ぐことは出来なかったのか」「JRの安全管理体制には問題が無かったのか」と言うお決まりの報道が目立つ。
被害者の方々の心境を思うとはなはだ不謹慎には思うが、人災であればともかくこのような天災において、結果論をただ反復しただけの「原因究明→責任元の追求」と言うこのパターン報道はいい加減辟易としてくる。

◎今、犯罪被害者を実名報道するかどうかでメディア側と行政側でずいぶんとモメているが、今朝の新聞社説を読んで非常に腹立たしい思いがした。
曰く実名匿名の判断を警察に委ねるのは警察側の恣意的運用が心配であり、警察側が実名報道を下としてもマスコミ側が配慮して匿名報道することもあるのだから、原則実名報道しろ、ということである。
「事件時の行きすぎた取材、興味本位の報道などメディアにも改めるべき点は多い」としながらも「とはいえあえて警察に掌握させる必要があるのだろうか」とは良く言えたモノで、その粋すぎ取材・興味本位報道に対して、メディア・リテラシーが、「少なくともメディアが権力側に要求する」透明性のある方法で施行され、実益を上げた例があるだろうか。 私は知らない。

◎そもそも「メディアは事件や事故をありのままに伝え、問題提議する事を使命としている」と言うもの事態が非常に疑問だ。 では(どことはあえて書かないが)在日韓国人犯罪を「通名の」日本人名で報道したり、何かしら大事件が起こると半ば世論操作的に「被害者の近況」などをまくし立てて書いたり、予測不可能・対策不可能な天災までも予見不足として一定の組織を叩いたり…と、「ありのままに伝える」こともままならず、ましてその「問題定義」の手法にも疑問がある。
どこの新聞も書かないが、確かにある世論の一つとして、姉歯偽装事件での最大の被害者は、このまま行けば無実無縁の日本国民になってしまうのだ。

◎姉歯事件で偽装が発覚したマンションの住民に対する損失補填を税金で行おうとする動きがある。 つまりは、国民総助け合いをしましょう、と言うことだが、果たして阪神大震災、新潟大地震等の天災の被災者がそのような援助を受けただろうか?
地震でマンションが倒壊したから、倒壊した分のマンション建築費用を税金で賄いました、なんて話は聴かない。
もしこれで本当に補填されたら、「人災は補填しますが天災は知りませんよ」と言うことか。
なぜ新聞はこれを記事にしないのか。 メディアの使命が「ありのままに伝え、問題提議をする」ことが前提なら、この論点が論じられて然るべきではないのか、と思う。 ネットコミュニティの中の意見とはいえ、それも立派な「世論」の一つなのだ。

◎結局、メディア自身が自分にとって都合の良い意見、イデオロギーに合致する意見のみを記事に書きたてているに過ぎない。
最初の話に戻せば、自分たちのイデオロギーが、「大衆の関心の寄せる下世話情報を配信する」もの(週刊誌はとくに多いね)であれば残酷な事件ほど実名報道して、被害者やその周辺を追い掛け回すだろう。 何せ被害者の心情に配慮するよりも、その周りの下世話情報を集めれば集めるほど、自分たちの存在意義を達成できるのだから。
メディアは、そんな自分たちが持っている病巣を、目に見える形で切り落とすことが出来るのか?
私は無理だと思う。

2005/12/24

【Diary】洗車と携帯


◎久しぶりに洗車をした…というか、やらせた。 気象庁お墨付きの厳寒と言われ、からっ風が吹きすさぶ中洗車をするほど私は超人ではない。(年かな…)
幸い近所に手洗い洗車を専門とする業者があったのでそこに任せて見たが、ホイールも含めてかなり良い感じで磨き上げてくれたようだ。
前回の洗車から一ヶ月程度しか経っていないのだが、新婚旅行の間成田空港近所の駐車場に放置していたのが災いして、経験した事が無いほどのホコリ塗れっぷりだったのだ。
あのあたりはホコリが多いのだろうか? 飛行機も飛ぶしなぁ…
ホコリといえば、今の住居も結構ホコリが多い。目の前が幹線道路だし、その置くには広大なネギ畑が広がっている。 秋口に強風が吹くとかなり砂が舞い上がっていたようだ。

◎屋根つきカーポートを確保出来ない以上、ボディコンディションを良好に保つならマメな洗車と定期的なWAX/ボディコートの再度施工が必要になる。水洗いと水拭きを繰り返しているだけだと、表層のクリアー層に拭き上げ時の小キズがついて輝きが鈍るからだ。
RX-8は納車一年半を迎え、総走行距離は3万キロに達そうとしている。 その間にボディコートは再施工1回、鉄粉落とし1回を経験しているが、艶の品位はそこそこのレベルを確保している。

◎洗車やWaxに間してはいろいろ実験もしてみたいのだが、なにぶんRX-8でやるほど勇気が無いし、こいつはある意味【ガラスボディコートの実験台】なのでおいそれと市販のWaxを試せない。
幸か不幸か今済んでいる地域は自動車が無いと微妙に生活が不便(今のアパートは自動車が無くても十分生活できるが…)なので、将来的に妻が自動車を買ったらそいつで実験してみたい。

◎さて話題は変わるが上の写真、SH902iで撮影したものをベースに少し色調補正をかけてみたものである。 P505isはかなりノイズが目立ってしまい、HP(Blog)掲載にも耐えないような画質しか得られなかったが、SH902iは最大画素モードなら十分な画質を確保できる。
画素数で言えば私が所有していたFinepix 50iのそれを上回っているのだから当然か。 レンズも似たようなものだし。
全体的にピンが甘いのは、おそらくレンズ保護用のフィルムを剥がしていないからだと思う。

◎今回は将来的に音楽再生をさせることも視野に入れ、USB接続ケーブルを購入してデータリンクソフトを使って見たが、携帯からのデータダウンロード・携帯へのデータアップロードは非常に簡単に出来る。 もう少し通信速度が速ければ言うことはないのだが。
ただこのソフト、携帯側のデータの消去が出来ない。 よって携帯から画像データをダウンロード後、携帯側を操作してデータを手動で消す必要があるようだ。
miniSDに間してはデータリンクソフトを使わず普通のリムーバブルドライブとして管理させることもできるが、ファイル配置とフォルダ管理が別々に行われている(一昔前のMac OSみたい)ようで、下手にファイルを動かすと管理情報が壊れたりファイルが参照出来なくなったりする。
せめて携帯キャリア間でフォルダ構成だけでもを統一化してくれると助かるのだが…

2005/12/23

【Diary】年賀状

◎年賀状のシーズンである。
今まででは「プリンタ屋なのにプリンタを持っていない」と言う理由で全く年賀状を出さなかったのだが、今年は結婚報告ハガキと兼用する必要があるのと、複合機を持っている以上上記の言い訳はできなくなったので作る事にした。
「結婚しますた」と「子供が生まれますた」の年賀状が、ある意味一番「貰ってどうすんねん」と言う内容になってしまうのだが、とりあえず私はそう思われないためにデザインその他様々工夫を凝らして、市販のデザインカードに負けないぐらいの内容にしたつもりである。
さて、受け取った人たちの反応や如何に?

◎年賀状と言えばPCが今ほど普及していなかった頃、年賀状作成ツールの代名詞がプリントゴッコだった。というか、今でも売っているあたりがすごい。 昔は本当に年末となるとどこでもプリントゴッコで、今でも押入れのどこかに眠っている家もたくさんあるのでは無いだろうか。
プリントゴッコの印刷原理はシルクスクリーン印刷で、カーボンを含んだ原稿をシルク版に貼り付けてフラッシュ加熱することでカーボンがシルクに熱転写し、その上にインクを盛って被印刷マテリアルに押し付けると熱転写された部分のシルクの孔からインクが染み出して印刷される。 基本は一色刷り(部分部分でインクを変えることで多色刷りは出来た)だが、CMYの3版を用意する事で擬似的にフルカラー印刷が可能で、実際それ用の素材集なども売っていた。

◎それが今やPC+プリンタの作成環境が大半を占めるようになったが、「年末の年賀状シーズンにしか活躍しない」と言うのは昔も今も変わらないようで、実際「プリンタを買ったけど、年賀状にしか使わない」と言う人がほとんどだそうだ。
何回も言っているがインクジェットプリンタは時々使ってやらないとすぐ詰まる。 特に最近のプリンタは高密度化しているので、ノズル内のインク量が絶対的に少ない為乾燥しやすく、非常に詰まり易いのだ。
メーカ的には詰まってプリントヘッドやインクを買ってくれたほうが商売は儲かるのかもしれないが…

◎ちなみに、よくある安売り系詰め替えインクセットは、できれば使わないほうがいい。 印字品位がガタガタに落ちてまともな色も出せなくなるし、プリントヘッドに対するダメージも懸念される。 インクジェットプリンタは、インク・プリントヘッド・用紙がセットとなってチューニングされているので、そのどれかが狂うと印刷品位や性能、はては寿命や信頼性にまで影響を及ぼしてしまう。
目先の消耗品値段をケチって高い修理代を請求されるほうが余程馬鹿馬鹿しい。 まともな印刷をしたいなら、消耗品はちゃんと純正を買おう。

◎同様の理由で、年賀葉書もできることなら郵便局が売っているインクジェット紙を使うべきだろう。 理由は、メーカ側でドライバプロファイルを作成するに当たってこの紙を使用しているからだ。
紙自体をみたところ十分な発色をしており、マット紙に見られる白化現象もそれ程ない。 打ち込み量が十分確保できている証拠だ。 色空間もそこそこ良さそうで、少なくとも私が持っているマット紙よりは良好な特性にチューニングされているようだ。
これが官製はがきだと、打ち込み量は少ないわ滲みは派手だわそのわりに定着しないわで、大変な事になる。 どうせ値段は変わらないのだから、このあたりもあまり手抜きをせずきちっとしたほうが、結果として良い年賀状が作れるようだ。

【Research】暴れん坊将軍

◎もう3年以上前の話だが、ふと思った事がある。
「暴れん坊将軍は、一体どれぐらい暴れん坊だったのか」
暴れん坊将軍と言えば将軍様自ら刀を握り、江戸の界隈に蔓延る悪をバッサバッサと薙ぎ倒す、通算放送回数831回に及ぶ時代劇の代表作である。(ちなみに同一俳優による連続放映回数としては銭形平次の888回に次ぐ記録らしい)
さすがにそれだけ放映回数を重ねていると、大立ち回りで打ち倒した侍の人数も相当なはずだ。 果たしてどれほどの人数の侍が打ち倒され、それにより江戸の街の治安はどのようになっていたのか? を検証して見る事にした。

◎暴れん坊将軍のパターンと言えば、上様に罪状を暴露された悪人が「出あえ出あえぇ!!」などと叫んで侍たちが上様を取り囲み、そこから殺陣シーンに入る。 この殺陣シーンだが、Wikipediaによると1放送平均35人、意外と多い。 単純にこれに放送回数を掛けると、831×35=29085人に及ぶ。 この人数だが、東京都23区中もっとも人口の多い世田谷区と比較しても、810979/29085≒28。 28人に一人は上様の被害を受けた計算になってしまう。 はっきりいって、異常な数値だ。

◎次に死者数を考えてみよう。
上様は最後に悪人の黒幕を「成敗!!」といって手下が(時には自ら)斬りおとす。 これを平均2名と見積もると、2×831=1662人。
さらに上様は峰打ちで侍を打ち倒すが、見ると侍の一部は頭から血を流して倒れている。 鉄の棒で殴打されれば最悪、致死に至るだろう。 致死率のデータが無いので大雑把に1/3と見積もると、((35-2)/3)×831=9141人。 合計すると、10803人。 なんと、阪神大震災の死者数6402人を軽く上回る人数である。 世田谷区で換算すると、75人に一人は上様に撲殺されていることになる。

◎しかしこれはあくまで全体の統計数値なので、上様の暴れっぷりを照明するにはもう少し細かなデータが必要になる。
この記述によると江戸の武家総数は約60万人,町人が65万人,全人口の半分は侍だったと言う計算だが,問題はこの数は1837年近辺の総人口数であるという事.吉宗の将軍在籍期間は1716年~1745年.32歳で将軍になっている. この在籍期間中に上様は大暴れしていたのですが,この間の江戸の人口は…正確な資料が無く,元禄年間で85万人,18世紀初冬に100万人を超えたと言うことなので,約90万~95万人と仮定する。 侍と町人の比率が同じなら,侍の総数は45万人. ここから考えると被暴行侍数は全体の15%に及んでしまう。

◎しかもこれは「江戸中の侍の数値」だ。 上様といえど極秘に活動している以上江戸の町中で籠や馬は目立ち過ぎるので基本的に徒歩であり、その行動範囲は限られてしまう。むしろその行動範囲内の侍の人数で考えるともっと恐ろしいデータになるのではないか。
ネットで調べたところ「め組」は現在の港区芝大門あたりにあったとのコトなので,そこから半径1.5km程度の園内…それが上様の行動範囲であり,上様による侍暴行事件もこのあたりで多発したと言うことになる.因みに現在の芝大門交差点から1.5kmの範囲と言うと,だいたいこのあたりの範囲が該当する様で、なるほどここなら江戸城から徒歩で通うことも可能だ。

◎で、江戸時代の人口のピーク時,町人街の人口密度は四万人/キロ平米.武家屋敷街の人口密度を算出するために侍と町人の人数は同じとして面積比(64:20)で人口密度を換算すると12500人/キロ平米.当時の芝大門近辺の人口密度がわからないので,間を取って20000人/キロ平米として計算すると…上様の行動範囲(芝大門から半径1.5km)の人口は141372人、うち侍は70686人となり,半径1.5kmの範囲内の侍の実に41%が暴行に遭っている。 しかもそのうち死者が1万人以上。
芝大門近辺の治安は壊滅的に悪かったとしか言い様が無い。 いくら勧善懲悪といえど、ちょっと暴れすぎではないだろうか。 上様。 一歩間違えればご乱心である。 だいたいここまで局地的に侍が暴行される事件が続発して、「お忍び」の体制を保つことは出来たとは思えないのだが…

◎という事で上様の暴れっぷりは後理解いただけたかと思うが、この上様の大暴れによる治安への影響その他への考察があったりするので、それはまた次回。

2005/12/18

【Diary】SH902i


◎SH902iを購入。 しかも2台購入。 1台は妻用だ。 別に「オソロじゃないと嫌だ~」なんてどちらかがムキを言ったわけではなく、単に902シリーズのセット割引(1台あたり3000円!!)で便乗して妻も購入したと言うわけだ。 言っちゃ悪いが一般人じゃ腰を抜かすような値段で購入していたりする。 ふふふ。 法人契約マンセー。

◎携帯生活8年目にしてやっとFomaデビューである。 理由は簡単。 ここは地方だからFomaのエリアになかなか入ってくれなかった。 901isから800Mhz帯に対応して、やっとこのあたりでも満足に使えるようになった、と言うわけだ。 ソフトバンクの横槍が入らなければさっさと切り替えたのに… と言うか、ドコモユーザーではあのソフトバンクの横槍でFomaへの移行が遅れた人がたくさんいたと思うのだが、将来的にソフトバンクが移動通信業界に参入しても、恨みで参入しなかったりして。 少なくとも私はしないw

◎話がそれたがSH902i、意外とコンパクトな印象。 いや、十分デカいのだが、厚みは前のP505isより薄いし、全体のサイズも妻のP900iとそれほど変わらない。
液晶はさすがSharpと言ったところか。 非常に綺麗。 メニュー構成も比較的素直に作られていて、Mova時のPanasonicに近い。 PanasonicとNECはFoma端末はPMC製となり、乗り換えたユーザが「???」となってしまうメニュー構成になっていたが、こいつはツリー構成が整理されていて判り易い。 十字キーの回りに配置されたファンクションキーの位置に対応したショートカットが常に表示されるので、それほど操作に迷う事はない。 迷うことがあるとすれば、待ちうけ画面からの各種モード切替だが、これは慣れの問題だろう。

◎SH固有の目玉機能の一つがフルブラウザだが、 これがなかなか良く出来ている。 暗い画面で申し訳ないがこのBlogを表示させたのが左である。(文字設定は小さくしてある) モトのサイトのレイアウトを保持する「横スクロールモード」もあるが、これだと非常に文章が読みづらいので通常レイアウトのほうが使い勝手は良い。まぁもともと横長の画面であるインターネットサイトを縦長の携帯で表示しようと言うのだからその時点で相当ムチャがあるのだが。
ちなみにビューアスタイル(メイン画面を上に向けてたたんだ状態)でも、キーに制約はあるものの使用することが出来る。 使い勝手を考えたら開放状態のほうがラクはラクだが…。

◎またもう一つの特徴的な装備がこのペールビュー液晶だ。視野角に応じて液晶画面にマスクをかけて周囲から見えづらくするという機能だが、これはかなりシビアに作られている。 少しでも液晶の中心から視点がズレると左のような模様が浮かび上がる。 一応本体のサイドに視野角切り替えボタンがついていて、ペールビューのOn/Offを切り替えたり、マナーモードのOn/Offに連動したりすることが出来る。

◎902iからの新サービスであるプッシュトークだが、正直「よくわからない」。 PTTボタンを押し続けないと発話できないという昔ながらのトランシーバーシステムが若年層にどこまでウケるのかも不明だが、そのままでは発音音量が小さすぎて結局電話モードで使わないと何を言っているのか全然聞こえない。 何回か使い込んで行けばソレ相応に使い道も見えてくるだろうが、とりあえずは「今から帰るぞ」コールぐらいしか使い道が思いつかないし、1対1で喋るなら別に普通に電話かければいいし…悩みどころである。
一方でi.chのほうはヒマつぶしには丁度良い感じ。 もうすこし更新頻度とテロップ情報数を上げてくれるとうれしいかも。 イメージとしては街角にある電光掲示板ニュース、あんな感じだ。

◎9ox系の一つのネックが動作の重さ(反応速度の遅さ)だが、コイツはそれほど重くない。 D901だったか何だったかが半端でない重さで、キーをおしてから実際に反応するまで一拍?二拍? ぐらい待たされていた(知人の携帯で確認)のに比べれば格段の進歩で、リアルタイムとまでは行かないがまぁ実用上気にならない程度のレイテンシーで反応する。

◎しかしまぁ、なんだかんだ言いつつも最大の決め手になったのは「2軸型だから」と言うのは言うまでもないw

2005/12/09

【Traffic】リニアモーターカー

◎リニアモータを利用した鉄道、と言うと未来的なイメージがあるが、それはひとえに「日本国内で高速の浮上式リニアがいまだ実用化されていないから」と言うのがある。 単純に鉄軌道の上を走るリニア鉄道なら地下鉄でとっくに実用化されているし、低速の浮上式リニアであればリニモが実用化されている。
このリニモ、方式としてはHSSTとなる。 万博となるとその名前が出てくるHSST。 リニモがそうであるように比較的低速の新交通システム的な使われ方がメインだが、過去にはJRのマグレブに匹敵する速度を出したこともある。
一方、中国に目を向けると上海国際空港からの連絡鉄道として西ドイツのトランスラピッドが実用化され、こちらは400km/h以上の速度で突っ走る。
JRが長年研究を続けているマグレブは、試験速度こそ世界最高速581km/hをマークしているものの、未だ実用化の目処は経っていない。

◎マグレブが実用化されない最大の理由はコストの高さにあると考える。 トランスラピッドやリニモが通常の電磁石を利用するのに対し、マグレブは液体ヘリウム冷却による超伝導電磁石を利用するのだ。 勿論コレには理由がある。
磁石間に働く吸引・反発力は磁石間のギャップに反比例して大きくなる。 トランスラピッドやHSSTは磁石吸引力を利用しており、そのギャップは10mm程度だ。 この距離を保つ(ギャップをセンサで測定し、車両側の電磁石の出力をフィードバック制御する)ことで浮上に必要な吸引力とリニアモータの推進力を得ているが、地震大国日本でそんなギャップでは、ひとたび走行中に地震が来れば車両は軌道に激突する。 HSST程度の速度であればいいだろうが、トランスラピッドの速度で激突すればただではすむまい。
このためマグレブは浮上量を100mm程度に取っているが、この距離では通常の電磁石では力不足となり、結果としてその分の強力な磁力を得る為に超伝導電磁石を利用しているのだ。

◎HSSTは軌道側に電磁石でなく非磁性導体を使用した誘導モータ型だが、この方式は効率が悪い。 このためトランスラピッドもマグレブも軌道側も電磁石を利用した同期モータ型だ。 この方式は効率の良さもさることながら、リニアモータの駆動に必要な「極性の切り替え」を、地上側電磁石で行うことが出来る。 つまり車体側の極性切り替えが不要となり、車両を動かす為の制御を全て地上側から行うことが可能になるので、車両側を完全無人化できる。
地上側からて運行状態を全てコントロールできるのは鉄道システムにとっては大きなメリットとなるが、同時に発生するリニア特有の問題として「一つの変電区間に一つの車両しか走らせられない」と言うことだ。

◎地上側電磁石に通電されるのは「今車両がいる場所」の電磁石だけだ。 まさか電磁石1個につき1個の変電所をくくりつけるわけには行かないので、ある一定の数の電磁石をグループ化し、その電磁石グループを一つの変電所が受け持つ。 このためその変電所が担当している区間の中には一つの車両しか走らせることが出来ない(一つの車両に対して電磁石制御を入れると、他の車両がその区間に入ってきても、その車両への電磁石制御ができない)。
駅で待避線を作るとその待避線専用の変電所が必要になってしまうため、コストを抑えようと思うと優等列車の設定も出来ないし、一度には知らせられる列車の数が変電所の数で決まるので、乗客が増加しても増便対応できない。

◎こういった点を考えるとマグレブの国内実用化は非常に厳しいのではないかと思う。 いくら速度を上げたところで速達性では飛行機に負ける(まぁ搭乗等の手続きが煩雑ではあるが)し、そもそもそんな超高速鉄道が必要なほど日本の各都市は離れていない。
上海空港連絡リニアが示すように、「飛行機で移動するには近すぎる距離」の速達性の向上、がリニアの最大の使用用途なのではないか。そう考えるとたとえば成田空港から東京駅まで・・・これは成田新幹線構想か。 でも本当にこれぐらいしかリニアの有効性を活用できる実用化手段が思いつかない。
中途半端な速達性と膨大な建設コストがリニア実用の妨げになる。 世界最高水準の性能を叩きだすJRマグレブは是非実用化してほしいものだが、その日はまだまだ遠そうである。 まさに「未来の乗り物」である。

2005/12/07

【Diary】カメラ


◎左の写真をはじめとして、新婚旅行には妻の所有物であるOptio S4を持参した。 登場した当時は世界最小・最軽量の光学3倍ズーム搭載モデルとしてもてはやされていたものだが、今となってはやや時代遅れか。
と言っても私が持っている(もう壊れている)Finpixと比較すると性能差は明らかだが…

◎コンパクトデジカメは豊富なプリセットメニューを使用して簡単に高品位の撮影ができるのがウリで、実際一眼所有者がサブ機のコンパクト機の画質を見て自分の腕を呪う、なんてな話も聞く。
問題はプリセットの画質に満足いかなくなったときのパラメータ調整が面倒なことだが、Optioはファンクションキーに特定のパラメータを割り当てる事で、メニュー画面を呼び出すことなくパラメータ調整が出来る。
私の場合、ファンクションには露光調整を割り当て、ホワイトバランス・シャッタスピード・感度はカメラ任せ、フラッシュ禁止モードでの撮影が基本になる。
他に割り当てられるパラメータはいくつかあるが、実用的なのは露光調整と感度ぐらいだ。 シャッタスピードが手動調整できないのは痛いが、高速度撮影をしたければ感度を上げろよ、ということだ。 まぁコンパクトで高速度撮影に挑む人はそうそういないだろうから、結局は露光優先で問題ないだろう。

◎どのパラメータを手動調整に割り当てても、それ以外のパラメータが実用的な値に設定してくれるのである程度のフレキシビリティを持ったまま「そこそこの写真」が撮れるのだが、特に「これは良い」と思ったのがホワイトバランスのアルゴリズムだ。 Finepixでは色温度の低い室内撮影をしたりすると全体の色温度が高い側に飛ぶ傾向にあったが、Optioは低い色温度のまま撮影してくれる(室内撮影モードだと、同じように飛ぶ傾向はある)。 デジカメなんだから色温度なんぞいくらでもあとから修正はできる気もするが、モトの素材の再現性が高くないとこういうのは往々にして修正がうまく行かなくなるのはミキシングにも共通するところかw

◎実は今回の旅行前、Eos Kiss Digital Nの購入に踏み切るかどうか、かなり迷った。 どうせめったに行かない海外リゾートへの旅行なんだから、良い写真を残せればそれに越した事はない。 しかし私は自慢じゃないがカメラに関してほとんど素人だ。 露出とシャッタと感度の相関関係ぐらいはなんとなくわかるが、自分の思い通りにそれを制御する腕なんぞ持ち合わせていない。 もちろん初心者向けのキスデジなのでプリセットも充実してるしプログラムAEも優秀(らしい)ではあるが、旅行が終わればいつ使うとも分からないカメラに10万以上も出すのもどうかと思う。
(レンズキットではなく、ボディ+IS内臓標準ズームレンズを買おうと思っていた。 手ブレに対する自信が無いので…)

◎結局購入はしなかったが、Optioでマニュアル露光調整をする楽しみを覚えたので、いつまた購入意欲が首をもたげてくるか分からない状態である。
まぁ一眼である必要は無いが、Optioクラスの筐体で4倍程度の光学と、絞り/シャッタ優先AEを持ち、絞り/シャッタをダイレクト調整できる操作子を持つモデルがあったら、欲しいかもしれない… あ、できれば感度調整もメニューに入らないでできるとうれしいな。

2005/12/01

【Traffic】鉄道雑感

◎「陸の孤島」茨城県南西部を貫くつくばエクスプレスが開通して3ヶ月が経過した。 普段通勤の足に使っているわけではないので「便利さ」以外の面を感じた事はあまりないが、果たして利用者数は確保できているのだろうか。
つくばエクスプレスが他の鉄道事業と大きく異なる点は「住宅開発事業とリンクしている」と言う点だ。 東急田園都市線も似たような経緯を持って敷設された。 つくばエクスプレスが今後採算ベースに乗るかどうかは、実はこの住宅開発関連事業とリンクしている。

◎関東近辺でここ10年程度の間に整備された第三セクター鉄道の大半は、実は大赤字だ。 顕著な例は埼玉高速鉄道と北総鉄道で、前者は沿線インフラの整備に力を注がなかったこと、後者は千葉ニュータウン建設の規模縮小のアオリを食らった形となっている。
つくばエクスプレスにしても、開通による経済効果をアテにしているのは東京都と茨城県で、通過県である千葉と埼玉は比較的慎重な姿勢を取っている。(それでも埼玉は沿線が「陸の孤島」だったので、エクスプレスの開通による通勤需要や、新線近辺の住宅開発効果をある程度見こんではいるが…)

◎鉄道の利点を上げると、輸送効率の高さと定時運行性の他に、環境保全性の高さがある。 鉄レールの上を鉄輪で走る鉄道は、転がり抵抗が少ない為一度加速してしまえば、勾配区間が無い限り惰性で走行する。 このため発電所にかける負荷や、ディーゼルカーの場合での燃料消費が少ない為結果的に二酸化炭素排出量等をかなり抑制できる。
ただ、この利点はそのままブレーキ性能の弱さや勾配特性の弱さに繋がる。 この点を改善する手段として一つ有効なのが鉄道のリニアモータ化だ。
リニアモータの場合、加減速に摩擦を利用しない(ブレーキ系統は、摩擦ブレーキとリニアモータの回生ブレーキを併用する)ので、制動特性や勾配特性を改善できる(実際、最近のミニ地下鉄でリニアモータの採用が多いのは、新線程深い位置に掘る関係上急勾配が多いのと、トンネル断面を可能な限り小さくするためである)。 地上側設備を電磁石でなく非磁性導体とし、車両側電磁石の磁力による誘導電流(渦電流)を利用した誘導モータ構成とすれば建設費も比較的安価で済む。

◎この方法の欠点は既存の鉄道インフラとの共用が出来ないことだ。 と言うか、「既存の鉄道」がリニアモータ線に乗り入れる事は可能だが逆が出来ない。 つくばエクスプレスはJRと同じ規格の鉄道だが、これは将来的な東京地下・京葉線ホームへの乗り入れを考慮しての事だろう。
それでなくても現存するリニア地下鉄は軒並み赤字だ。(まぁ、リニアが悪いと言うより新線計画に問題があるのだが)印象は良くあるまい。
未来型鉄道と呼ばれるつくばエクスプレスも、何かと既存の技術・旧来の価値観にガチガチに縛られて出来た鉄道と言うことも出来るだろう。

◎リニア鉄道に関しては他にも書きたい事があるので、それはまた次回。

2005/11/30

【Test】トラックバックエントリ

これはテストエントリです。ブログ主が好き勝手に実験するためのものです。コメントやトラックバックのテストなどお好きにご活用ください。


トラックバックの使い方が判ってない俺が来ましたよ

って、これでいいのかな?

本当は引用記事を書くべきなんだろうけど…

っつーことで、用が済んだらコレは消します

2005/11/28

【Traffic】飛行機雑感

◎今回のMaldives旅行は全行程、スリランカ航空A340-300型のお世話になった。 成田の駐機場で最初にコレを見たとき、「アレ? 747じゃないのか」と正直思ってしまった。
「何を今時」と思うかもしれないが、海外旅行なんぞ14年ぶりな私にとって「日本の国際線路線が747以外で飛んでいる」と言うことに少なからず違和感を感じたのだ。
なんと言うか、イメージ的に、747クラスの機体じゃないと、長距離の国際線は無理なのでは…とか思ってしまう。 まぁ実際のところA340シリーズは-500は747を上回る航続距離を持っているし、-600は747よりボディが長いので(座席数は747のほうがおいが)、747ではオーバーキャパシティになってしまうような路線ではこちらのほうが都合が良さそうだ。
実際、成田~コロンボ間、コロンボ~マーレ間、行きも帰りもほぼ満席だったので、収益性は良さそうだ。
ちなみに日本でボーイングの機材(747、767、777)が圧倒的に多いのは、ボーイングの開発分担で日本の企業が多いから、とか言う理由があるとかないとか。

◎で、そのA340だが乗ってみるとエコノミーでも以外と快適。747で(私が)悩まされていた騒音がかなり押さえられている印象。 その代わりと言っては何だがよく揺れて(天候のせいもあるだろうが…)、内装部品がガタガタと震える。 特に離着陸のときは天井につるしてあるCRTが落下してくるのではないかと思うぐらい景気よく揺れた。 CRTの真下には正直座りたくないな。
飛行機の内装部品と言うのは結構安普請で、最低限の強度と機能が保たれた上でいかに軽量化できるかという観点で成り立っている。 このため耐衝撃や持続荷重(主に与圧)に対してはそこそこの強度が保てるが衝撃・振動吸収性に劣る薄手のプラスチックが使われているので、機体が揺れると内装はハデに振動する。 乱気流や離着陸時の振動程度でブッ壊れる事はないと分かってはいるが、衝突強度にしたって機体が急降下して人がが浮遊衝突すれば穴があくし、床に至っては床下貨物室に急減圧が起こると抜け落ちてしまう。
そもそも航空機の機体強度だって結構ギリギリで、気流が乱れると翼はハデにワウ振動している。 軽量化は飛行機の命題中の命題だが、工学的観点でいくと恐ろしいものが空を飛んでいるものである。

◎話は変わるが、昔子供心に「なんで着陸時は機種を上げたまま高度を下げられるんだろう」と思った。 高度を下げる際は機種が下がっているほうが直感的だが、機種下げ姿勢では前輪から着地するので着陸態勢には向いていない。 しかし、基本的に機種方向=エンジン推力方向なのに、なんで機種が上がって斜め下に推進力が出ている状態で高度を下げられるのか?
大人になってから考えて見ると、アレは高度を下げているというよりも「堕ちている」と比喩したほうが正確であることに気がついた。

◎着陸後の制動距離の事を考えると着陸時の速度は遅いほうが有利だが、速度が遅いと翼に働く揚力が減少して機体が落下してしまうし、いくらエレベータを操作しても機種など上がらない。
だからこそ飛行機はフラップ等の高揚力装置を(離陸時よりも強力に)展開させている。 さらに機種上げ姿勢を保つことで迎え角を大きくし、さらなる揚力を得る。
しかしここでエンジン出力を絞らないと機種上げ姿勢での斜め上への揚力が重力に勝ってしまい、地面から遠ざかってしまう。
と言うよりもこんなムチャな姿勢で速度を上げて上昇に転じると、迎え角が大きすぎて失速墜落してしまう。
(1994年に起きた中華航空機墜落事故は、意図せずこの状態になってしまった)

◎つまるところアレは、フラップ最大+迎え角で揚力を確保しつつ、エンジン出力を絞って上昇失速しない範囲で沈下率を調整するという、非常に制御パラメータが多く、かつそれらのバランスの取れた点を用いて「着陸姿勢」と言うものを保っているのだ。
これも工学的観点から見ると「よーやるわ」の世界だが、我々を含めて世界中の何千何万と言う人口がこの不安定な系の恩恵に預かって航空機に搭乗している。 しかもその大半はおそらくこんな余計な事はツユ知らずに…考えて見れば狂気の沙汰だ。
まぁ、飛行機なんて落ちてしまえばそれまでだし、1回の輸送客数が他の交通機関とは段違いで多いから、おそらく利用人口当たりの事故率を取ったら非常に少ない部類になるのだろうが…

【Diary】明日から…

◎結婚式からのお休みモードが明け、明日から社会復帰である。 ホントに社会復帰出来るのか?
気がつけば2週間も会社を休み、えらい迷惑をかけている。 まぁ制度上問題はないのだが、もしかしたら明日仕事場に行ったら机無かったりして…(((((;゚д゚)))))) ガクガクブルブル。

◎新婚旅行と言えば大量のお土産がネックになるが、今回お土産は事前にカタログ通販で国内手配した。 【現地のお土産じゃないじゃないか!!】と言う声も聞かれそうだが、まぁ半分はご祝儀返しだし、農業生産力が無い+イスラム教国に行った時点で、「職場などで期待されるお土産の類」なんぞ現地に期待されても困る。 だいたい、観光者向けには物価が高いのだよ。
免税で買うぐらいだったら国内手配してしまったほうが楽だし、税関でゴチャゴチャ言われなくて済む。
通販のカタログには、「新婚旅行のお土産平均重量、8Kg」と書いてあった。 8kgもお土産持ったら、エコノミーと言えども重量超過料金が馬鹿にできないし、だいたいそんな大荷物抱えて移動したくない。

◎結婚式が終わって、新婚旅行が終わっても結婚関係イベントはまだ終わらない。 これから更に結婚報告ハガキの作成やら、ご祝儀返し&お土産の発送やら、妻は名義変更が目白押しだ。
できるだけ早く仕事の第一線に復帰したいところだが、暫くは用事が多くてそうもいかなさそうだ。
まぁ、いずれにしても2週間も仕事場空けて浦島太郎状態では仕事も何もあったもんじゃないだろうが…

2005/11/27

【Diary】只今帰着


◎たった今自宅に帰着いたしますた。 マーレを飛んだのが11/25の19:35(日本時間22:35)それからコロンボ・バンダラナイケでのTransit含めて11時間の長旅を経た。 一応これでも行きよりは3時間程速いのだが、それでも長旅には違いない。
成田の到着ロビーから外に出ると、11月にしては暖かい、でも我々にとっては肌寒い風が我々を迎えてくれた。
写真はリゾートからマーレへ移動するスピードボートから撮影した夕日。 サンセット・タイムに島に残留できないのは残念と思っていたが、疾走する海から眺めるサンセットもまた感動的なもので、このMaldives旅行の最後を締めくくるに相応しいイベントとなった。

◎前日日記Up後もいろいろエピソードがあった。 滞在中お世話になったウェイターの Lateefuと写真を撮ろうと他スタッフにお願いしたら、シャッタータイミングで出てきた言葉が「1.2.3」の変わりに「カトチャーン、ペ!!」だったりとか、日本語リゾートホストのRiyoを呼び出そうと思ったら「もう今日はいませんよ」と言われた15分後に本人が現れたとか、マーレの空港で出発時間とBording Timeを読み違えて何もない待合室で1時間待つハメになったとか、マーレからコロンボに飛ぶ飛行機内で客室乗務員に殺虫剤を撒かれて死にそうになったとか、行きの成田~コロンボ便で我々の前列から問答無用で座席を全開で倒してきたバカップルが我々の後ろに座ったのでお返しとばかりにシートベルトサインOffと共に全倒ししたとか、一つ一つはくだらないが、どれも楽しい思い出ばかりだ。
ちなみに写真がLateefu。 基本的にリゾートではウェイターは専属なので滞在中ずっと彼のお世話になったが、気さくな性格でカタコト日本語で話しかけてくる。 中には「オ元気デスカ? オ元気デス」とか、「オイシイデスカ? ハイ」とか、かけてくる挨拶がすでに自己完結してしまっているなど、(本人は意味分かってるのかどうか知らないが)ともかく楽しい気分にさせてくれた。
最終日に滞在期間中のチップと、折鶴をプレゼントしたら、やたらに喜んでいた。

◎私は全くと言っていいほど英語は話せない(Hearing・Readingはある程度ならOK)が、まぁ名詞と動詞と形容詞、あとは5W1Hの細かい使い分けを考えなければ大体カタコト英語とボディランゲージで通じてしまった。 一応今後は電子辞書ぐらいは持参しようと思うものの、ある程度のクソ度胸はついたようだ。
今年中か来年頭程度の時期に中国への出張があるが、まぁソレに対する弾み付けにもなったと思う。
とりあえず明後日から社会復帰はするが、しばらく頭は南国モードのまま抜けなさそうである。

2005/11/26

【Trafiic】空港雑感…フルレ国際空港


◎モルディブの首都マーレの隣島、フルレにあるモルディブ唯一の国際空港、それがフルレ国際空港だ。 もともと珊瑚礁の小島だったところを無理くり国際線クラスのジェット機が離着陸できるように滑走路を作っている為、滑走路へのアプローチ通路を作る場所がなく、飛行機は滑走路の両端部で方向転換をすることになる。 つまり離陸時は滑走路上を端までタキシングしてそこで180度回頭して飛び立ち、着陸後はそのまま滑走路端まで走っていって180度回頭し、滑走路中央のエプロン部までタキシングされていく。 モルディブのリゾートが認知されるにしたがって世界各国へ飛行機が飛び交うそれなりに交通量のある空港なのだが、滑走路上をのんびりとタキシングで走る姿はどこか、間が抜けている感じがする。

◎そんなフルレの空港だが、作りは実に素朴。 到着手続きは実に簡単で、タラップを降りてArrivalの建物に入るといきなりPassport Control。 その奥にターンテーブルがあり、後ろを振り返ると税関、と言っても実質X線チェックだけだ。 そしてそれを抜けるともう到着ロビーに出る。 要するに、平屋だ。
しかしバンダラナイケと違ってArrivalとDepatureが交差するのはエプロンゾーンのみで、そこでの交差は実際上ありえない。 意外と合理的な作りだ。
ちなみに我々が到着した時はEnplaymentで入国しようとしたアラブ系外国人のPassport Controlが極端に長く、(一人10分以上!!)どえらく待たされた。 観光目的の日本人は顔だけ見て入国許可出してたんだけど… そんなもんなのだろうか。
到着ロビーの外は夜だというのに人でごった返している。 ここに各旅行会社やリゾートのデスクが並んでいるのだ。
その先は港になっており、各リゾートやマーレに向かうドーニやスピードボートが待機している。

◎一方出国はちょっと特徴的で、 ブレ写真申し訳ないがDepatureの建物入り口にいきなりX線検査がデンと待ち構えている。 Chak-In Counterはその奥なので、飛行機に乗らない人は
建物の中にすら入れないのだ。 よって土産屋やカフェなどといった設備は空港の外にある。
チェックインを済ませて2FにあがるとPassport Controlがあり、その奥に免税店がある。
免税店はバンダラナイケ以上の充実度で、みやげ物からブランド品、電化製品におもちゃまで、なんでもござれだ。
またRestriction areaの待合所にはこれでもかというぐらいでかいスナックコーナーがあり、出国時刻まで時間があっても退屈する事はない。
Bordingの放送がかかったら矢印に従って1Fに下り、手荷物検査を受ければ最終待合所だ。あとはチケットを通して搭乗のみ。 ちなみに飛行機まではエプロンを歩き、タラップを歩いていく。 南国らしいといえばらしいが、ホントにここは国際空港か?

◎フルレの空港は非常に風光明媚なところだ。 何せ珊瑚礁島のどまん中に空港作っているのだ。 国際線の発着は主に夜なので、観光客は夕方に集まってくる。 よって搭乗手続きその他の手続きをやっていると、自然と写真のような夕焼けが見れたりする。
比較的しっかりしたセキュリティと施設の充実度は目を見張るものがあり、 観光立国モルディブの立派な【顔】である。
何よりもこの素朴な作りが、タラップを下りてこの空港を出た時の「モルディブに来た!!」と言う期待感を増してくれる。

【Traffic】空港雑感…バンダラナイケ国際空港

◎今回のMaldives旅行で行き、帰りともにトランジットの場となったスリランカのバンダラナイケ国際空港。(コロンボ) トランジットで使用しただけなのでパスポートコントロールの外側がどうなっているかはよく知らない。 いわゆる【制限エリア】のみの使用となった。

◎「地球の歩き方」とか、旅行会社が発行した日程表の案内を見るとArrivalがエプロンからタラップを降りて1Fだった際の手順しか書いていなかったが、私がコロンボについた時は行きも帰りも雨だったので実際はスポット経由で2Fからアプローチだった。
ゲートを出ると、長ぁ~~い通路が延びており、その先がArrival/Transitの分岐点だ。

◎階段を下りて左手に行くとPassport Controlに入るが、正面にSri LankanのトランジットデスクがあるのでそこでTransitする飛行機のBording Passをもらう。、Bording Passをあらかじめ持っているならソレを無視して直接右手の免税店コーナーに向かって行く。
免税店コーナーに出ると、右手に喫煙所、左手に階段があり、Gate1~4の発便は階段を下りて手荷物検査に入るが、それ以外のゲートの場合は今来た道を戻るのだ。 つまり再度長ぁ~い通路を通る。
さらに言えば、TransiterがGate1~4に行くための下り階段は、DeparturesがGate5以後のゲート(Gate7以後のゲートは、さっきの長い通路にある)への上り階段を共用する。

◎要するに、この長い通路と免税店エリア、Gate1~4前のロビーの空間は、Departure/Transit/Arrivalの各乗客がゴッチャゴッチャの状態になる、というわけ。 日本では絶対考えられない。
ただ、通常の空港と違い、搭乗前の手続き(荷物チェック、税関、出国審査)のうち荷物チェックが一番最後になり、それがこの長い通路のゲート前で行われる為、一応セキュリティは保たれるようにはなっている。

◎おそらくはSri Lankan便へのTransitが多いと言う事情のためにこういう構造にしたのだと思うが、日本では1999年に全日空機がハイジャックされた際に、ArrivalからDepartureに逆行可能(しかも手荷物検査後のエリア)だったことが問題となったのだが…なんだかねぇ。
しかしまぁ、さすがにそういう事情(であろう)だけあってRestriction area内の施設は充実している。 免税店はブランド品の他ジャンクフードの類まで揃っているし、レストランもちゃんとある。 シャワールームや仮眠室の他、床の一部に絨毯が敷かれ、寝袋などで仮眠をとることも可能だ。(実際何人か、寝ていた) 「Muslim prayer's room」なんてなのもある。 中東地域に数多くの路線を持つ空港ならではの特徴だろう。

◎私が利用した時点では行きも帰りも雨だったのだが、とにかく湿度が高い!! エアコンが効いているのだが湿度はどうしようもないらしく、やたらに蒸している。 温度が低いのに不快指数が高いという不思議な感覚を味わえる。
また上記の通路はかなり最新鋭の建物に見えるが、一歩空港ターミナルに入るとかなりクラシカル(そしてどことなくアジアンテイスト)な建物になっており、歩き回るだけでも結構楽しめる。
どうせRestriction ariaはDepartureもArrivalもない交ぜになってるので、Transitでヒマな時はそこらを歩き回るのも結構面白いかもしれない。 ただ、警備員の見た目はマジで怖いので注意。

2005/11/25

【Diary】Maldivesの空



◎現在16:00を少し過ぎた程度。 ホテル・チェックアウトをすでに済ませ、18時のスピード・ボートを待つのみとなった。
待っている間、皆ナイボリ・バーで思い思いに本を読んだり、ネットを楽しんだりしている。
普通なら退屈で仕方の無いところだろうが、この待つ間ののんびりした時間をも楽しめるのが、モルディブの魅力だろう。

◎この7日間、とにかく【ハデな遊びをせず、のんびりと休息する】と言う事でやってきた。
後半の日程ではマーレ・エクスカーションやアイランド・ホッピングといった観光系ツアーにも参加したが、それでも朝はのんびり起きて、午前中は適当に海に入り、午後に何も無ければ昼寝をしたり、ネットをしたり、と
思い思いの時間を過ごしてきた。 そういう意味では、当初の目的は達成できているようだ。

◎今もナイボリ・バーからは、エメラルドグリーンとサファイアブルーの海、抜けるような青空と綿のような入道雲、心地よい風と潮の香りが満喫できる。 サンセット・タイムになれば、あたりはオレンジ色に燃え上がり、夜には満天の星空が輝く。
そしてそんなMaldivesの風に、空に、海に、僕らの思い出が溶け、新たな輝きとなって行く…

◎もう少しで僕らは日本に帰るわけだが、僕には【帰りたくない~】などといった未練は無い。 すっきりとした気持ちで日本に帰り、また煩わしい日常に戻っていく。 短いようで長かったMaldives滞在が、僕にパワーを与えてくれたと思う。
そして、またこのようなバカンスを楽しむ為に、一生懸命働いて行こうと思う。
その時はまたMaldivesに来るのか、また違った場所に行くのかは判らないが、もしチャンスがあるのなら、もう一度このMaldivesの、このヴァヴィンファル島の砂を踏みしめに来たい、と思う。

【Maldives】アイランド・ホッピング …11/24

◎午前中をネット等でのんびりと過ごした後、午後から「アイランド・ホッピング」なるエクスカーションに参加した。
これは「現地人の住む島を観光する」というもので、リゾートによってはその後(宿泊しているのとは違う)他のリゾートに行ってサンセット・パーティーを楽しんだりするものもあるが、我々が参加したのは純粋に島に住むモルディビアンの生活を見る、というものであった。
正直最初は現地人の生活を物見有山で見物すると言うのはあまり気乗りがしなかった。
「富めるものの特権」のような感じがしたからだ。

◎昨日とは一転穏やかになった海をスピードボートがひた走る。
15分程走ってたどり着いたのは、漁師達の住む島「クダフラ島」だ。
マーレで見た風景とは違い、岸壁の脇には荒れ地と、発展途上国独特の街の風景があった。
ふと見ると、船がついた岸壁の隣の護岸が崩れている。


ガイドが言うには、スマトラ沖で起こった地震による「Tsunami
Damage」とのことだ。
「津波」に相当する英語やディベヒ語が存在しないので、モルディブではあの大波の事を「Tsunami」と呼んでいる。
岸壁のコンクリートは無残に流されて土砂が流出していた。
自分とはまったく因果関係が無いにしても、「Tsunami」と言う言葉の響きに、胸の詰まるような思いがした。

◎この島の島民は漁業によって生計を立てており、週6日、早朝から深夜まで寮に赴くそうだ。
それでいて1回の漁の稼ぎは平均50US$。
ただしこれは決して安い収入でなく、十分生活を賄えるレベルとのこと。

街の風景は鮮やかに彩られた民家が立ち並ぶ。
かつてはサンゴで家を建てていたのでベッドルーム・リビングルーム・ダイニングルームetc…が別々の棟に構成されていたが、コンクリート建築が出来るようになって以後コンポーネントな住宅を作るようになったらしい。

◎珊瑚の隆起によって島が形成されているモルディブでは、掘っても掘っても真水が出ないので、水事情が苦しい。各家庭には「For
Drink」と書かれた黒い巨大なポリタンクと、家の雨どいに直結した大きなタンクが備えられている。
雨水を集めて生活用水に使うのだ。

またこの島には湖があり、雨季のスコールのような集中雨で湖の水が満たされ、それを次の雨季までに少しづつ水を消費して行くようだ。

リゾートで使用しているような海水の脱塩プラントのようなものは設置できないので、生活用水の半分ぐらいは海水、と言うのも珍しくない。

◎こちらは学校だ。

モルディブには義務教育の制度が無いが、教育を受けるとなると日本で言うところの義務教育カリキュラムが一つの学校で施される。
特にマーレの学校では学校教育は全て英語で行われる為、ほぼ公用語として英語の使用が可能だが、クダフラ島のような地方の学校では英語とディベヒ語を織り交ぜた教育を行っている。また学校の時間は午前中と午後で、ランチ・タイムは各児童は一度家に帰って食事を摂る。
国家予算では給食までカバーできないモルディブならではの事情だ。

◎やがて海沿いの公園に出ると、現地女性たちによるダンス・ショーが始まった。
現地の音楽は3拍子が基本らしく、ツー・ステップを織り交ぜながらエキゾチックな踊りを披露する。
勿論全員イスラム女性なのでケープをかぶったままだ。

ちなみにこのダンスでは、ダンサーに促されるままに妻がダンスに招かれた。
本人はついていくのに精一杯とのことだったが、我々を含めて見る側の人間は非常に楽しませてもらったし、踊っていた本人も「楽しかった」と笑っていた。



◎クダフラ島の風景は、まさに発展途上国のそれであり、リゾートで味わうような高級感・開放感とは全く違ったものだ。
島民たちは漁業によって生計を立て、イスラムの戒律の中、素朴に暮らしている。

今回子供や女性の写真を結構撮ったが、最初私は彼らは私たちを避けるのではないかと思っていた。しかし彼らは屈託の無い笑顔で僕らを迎え入れる。
しかしそれには理由があった。
ツアーの最後でショッピング街(お土産ショップ)に立ち寄るのだが、彼らは積極的に僕らに名産品を薦めてくる。勿論商売上の論理からだろうが、そこにはもっと重い事情がのしかかっていた。

◎観光ガイドは恥ずかしがる事もなく、僕らにこう伝えてきた。
「モルディブは貧しい国で、この島のように国民は皆質素に、素朴に暮らしている。
だから皆様には、是非モルディブのリゾートを訪れ、観光を楽しんで欲しい。
そうすることで、モルディブに経済効果と外貨がもたらされ、我々は着実に豊かになって行く事が出来る」
平たく言えば、富める者こそ、モルディブの観光を楽しむ事でたくさんのお金をモルディブにもたらして欲しい、と言う切実な願いなのだ。
「世界中の貧しい国を救いましょう」といった趣旨の活動や募金は山のようにあるが、彼らはもっと現実的で、奇麗事で無い直接的な手段を求めている。
モルディブの豊かな観光資源と言うリソースをフルに活用して、自分たちの国を少しでも良くしていきたい、そう願っているのだ。

【Maldives】マーレ・エクスカーション…11/23

◎モルディブ共和国の首都マーレ(マレ、とも記載する)は、東西2.5km、南北1.5km、ほぼ長方形の形の小さな島だ。モルディブ総人口28万人のうちの1/4にあたる7万人以上が居住する、世界でもトップクラスの人口密度を誇る過密都市である。
過去には隣国スリランカの影響を受け仏教国であったが、現在の国教はイスラム教である。
しかしリゾートにおいてはそれを感じる事は殆どない。
アルコールは自由に飲めるし、肉類も種類を選ばず何でも食べられる。
唯一あるのは、スパ以外で女性スタッフを見かけないことだ。

◎我々はそんなマーレの街を市内観光するエクスカーションに参加することとなった。
勿論、イスラム教圏に立ち入るのだから、リゾート客と言えども服装には気を使う。
男性はスマートカジュアル、女性は肩/膝をカバーしたカジュアルルックが基本となるが、中にはそのへんの事情に気がつかないリゾート客もいる。(特にアジア系に多い)
少し悲しい気分になった。
我々と、隣のイフル島(アンサナ・スパ・リゾート)からの観光客を乗せたスピードボートは、スコール明けで低気圧の直下で荒れた海をマーレめがけてひた走る。

◎20分程でマーレに着く。
港はドーニ・タクシーや漁船、軍艦(!!)等がひしめいている。桟橋を降りるといきなり海岸沿いの大通り、「ボドゥタクルファヌ・マグ」に出くわす。



カブ風のミニバイクと、型遅れの日本車がひっきりなしに走っていて、一瞬東南アジアかと思うが、周囲の建物や人々はイスラミック独特の雰囲気を持っており、ここがイスラム教国であることを教えてくれる。

◎桟橋で日本語ガイド(なにやら怪しいオジサン)に引き連れられ、最初はイスラミック・センターに通される。
ここは1984年に完成したモルディブ最大のモスクで、5000人以上の巡礼者を収容できる。
真っ白に塗られ、屋上の金色のドームがひときわ目立つ。


イスラム教徒以外でも内部の見学が可能だが、上記の衣服規定が守られていないリゾート客は入場を断られ、それがOKだとしても靴は脱がされる。(靴下はOK)
内部の巡礼場も撮影はできないが、豪奢なアラビック模様の施された美しい礼拝場を見ることが出来る。
ちなみにこのモスク(現地語ではミスキー)の隣は警察署だが、ここを撮影してしまうと問答無用で逮捕され、カメラを没収されてしまうので注意。

◎次に通されたのはサルタン・パーク。かつてモルディブを平定していたサルタン王朝の王宮をそのまま公園化したもので、宮殿の一部が国立博物館となっている。



モルディブの歴史はイスラムへの改宗、中世の列強国との戦争、そして保護領としての歴史である。
この博物館はその中でも11世紀~19世紀、イスラム改宗から独立までの記念品を数多く飾っている。
サルタン王朝の玉座や装飾品、貨幣、衣服、武器、等も数多く展示されているが、意外に日本等の東洋文化を取り入れたものが多い事に気がつく。



特に王宮でのお茶会に使用されていたと言う陶磁器は日本の伊万里焼そのもので、お猪口などもあり、それには「寿」の文字が入っていた。

◎サルタン・パークは現在公園になっており、中にはレモングラス、ハイビスカスといった花が咲き乱れ、バンヤンツリー(菩提樹)が公園の真ん中に植えられている。



宮崎駿好きならバンヤンツリーを見てラピュタを連想するかもしれない。

◎その後、魚市場/果物市場を回る。
水産業がメインの産業であるため、非常に活気がある。
各島からドーニでマーレの魚市場までやってきて、ここで買って帰るのだ。
そのため買った魚をそのすぐ横で裁いており、新鮮な切り身(と言う表現もヘンか?)となって消費者に行きわたる。


一方農耕面積が確保できないため果物市場はその殆どが輸入品だ。物価はかなり安く、モンキーバナナが1房(50個以上はあろうか?)で数$程度だ。




◎マーレは、ごくわずかな土地に数万人の人がひしめき合う超密集都市だ。そして人口は現在も増え続けており、絶え間ない建設ラッシュが続いている。

モルディブの古い民家は珊瑚を壁材として利用していたが、現在のマーレではほとんどそれを見ることは無く、その代りに高層住宅が建ちはじめている。
言わば、現代の「軍艦島」さながらの様相である。

◎また、マーレの市街地にはアジア系発展途上国の文化と、イスラム教を中心としたアラビックな文化とが融合・共存し、さらには街の風景や博物館の展示品を見ると、日本の影響も非常に強い事が分かる。
モルディブと日本と言うのは意外と関係が深い。
観光立国とはいえ国連に「再貧民国」とランキングされるような小国に対して、成田・関空・福岡からの直行便が各週5便、スリランカ/シンガポール/マレーシア/タイの各国でのトランジット便も含めると、週20便近くがマーレへの航空ルートとなっていることも、その関係の深さを示している。
所謂アジア地域向けでは問題になっているODA(政府開発援助)によりモルディブにて絶対的に不足している穀物が輸入され、災害対策として国家全体をカバーする巨大な防波堤もODAで建造されている。また、民間レベルでは自動車・電化製品等が積極的にモルディブに輸入されている。
特に自動車は日本の中古車市場からあぶれた車が修理を受けてマーレの街を走りまわっている。
中には日本で使用されていたときの企業名がそのままプリントされた状態で活躍するトラック、なんてなのもある。

◎観光ツアーの最後の土産物ショップで、いろいろと買いこんだら当初の値段が1000$を超えた(値札はあってないようなもので、買ったモノの総合計を基準でディスカウントして最終的な値段を決める)ので、交渉しまくって200$近く値切らせたが、そうはいってもおそらくは結構ふっかけられた値段なのだろう。その時は「高いなぁ」と思ったものだが、アトから考えて「よかったのかな」と思った。
モノのよしあし、と言うよりも、観光客が落としていくお金や外貨を彼らは欲しがっているのだ。
我々富める先進国の観光客が、彼らに出来る本当の貢献、それは経済効果や外貨を供給する事。
奇麗事ではなく、もっとも切実で、かつ素直な方法論である。
その事を、僕は翌日に気がつくことになる。

2005/11/24

【Diary】サンセット・タイム


◎こちらはただ今11/24 18:15. サンセット・タイムとなり、自然とナイボリ・バーに人が集まってきている。
太陽は西に傾き、アンサナ・スパ・リゾート・イフルから、美しいオレンジのラインが伸びている。
この場所からこの風景を眺められるのも、今日が最後だ。

◎この2日間、マーレ、クダ島と、「モルディビアンたちの生活圏」に触れるエクスカーションを体験した。
モルディブは決して裕福な国ではない。 国民一人当たりの平均所得が2200US$程度だ。
リゾートにいると全く意識する事はないが、ここは紛れも無い、世界有数の貧民国なのだ。

◎モルディブの観光相の言葉だったか。
「まずモルディブに来て欲しい。 そして楽しんで欲しい」
貧しい国であるモルディブに対して先進国に済む我々が出来る事は、リゾートを楽しみ、現地にお金を落として、モルディブに経済効果と外貨を供給する事、
そして、国に帰ったら、地球温暖化対策としての節制した生活を通じて、海面上昇によるモルディブの水面を少しでも食い止める事、と言うことだ。

◎この2日間に体験したエクスカーションは、その言葉の意味をかみしめるに十分なものだった。
援助がどうだとか募金がどうだとかそういったことでなく、我々が出来る事、それはモルディブの観光資源を多いに活用し、
楽しむ事なのだ。 彼らはそれを望み、肯定的に受け止めている。
(と同時に、イスラムの閉鎖的な文化と、リゾート国としての開放文化の狭間でジレンマに陥っている)

◎私に与えられた時間はわずかだが、その中で精一杯楽しみ、モルディブと言う国に対する私なりの貢献をしようと思う。

2005/11/23

【Diary】楽園の雑感

◎ Good Evening!! と言うわけでこちらは現在11/22 23:45. まだ日が明けていない。
午後ぐらいから海が若干荒れ始めたが、ついに先ほどから激しいスコールが降っている。 まぁ、雨季が明けていないので仕方あるまいが、一度降ってしまえばまた穏やかになりそうなので、明日は期待できそうだ。

◎このリゾートには様々な国籍の人種が集まってくるが、ここ2日程で急激にアジア…と言うより所謂【特定アジア】の人が増えた。 飛行機の都合がでそうなったのだとは思うが… そういった人種が集まるようになったのはごく最近だとか。

◎ハウスキーピングに来た若いモル人に聞いたのだが、首都マーレは急速な近代化の中で様々なオフィス製品がMade In USAとJAPANで占められており、特にMade In Japanの製品は素晴らしい!! 壊れない!! としきりに褒めていた。
また彼らは日本人に対し比較的尊敬の念を払ってくる。 ODAによる食糧援助や、防波堤工事等国家的な恩恵を受けているからだ。
リゾートに必ず日本語メニューが用意されているのも、そんなところからだろう。

◎明日は首都マーレへの観光がある。 敬虔なイスラム教の国であるモルディブの風景がどのようなものなのか、目に焼き付けてこようと思う。

【Maldives】コーラル・ワンダリング …11/22

◎島国モルディブはその大半が環礁で構成されており、一つ一つの島も珊瑚礁の隆起で形成された島である。
そのため島一つ一つの面積が非常に狭く、例えばバンヤンツリーのある島にしても島の周囲を1週するのに10分とかからない。
島はコーラルリーフ(一般的に言うバリアリーフ)で取り囲まれている為、ビーチからリーフまでの水域は非常に水深が浅く、一方リーフの外側は即ダイビングが可能なほど水深がある。
殆どのリゾートがのエントランスが長い堤防の先にあるのは、リーフの内側は水深が無さ過ぎて船が入れないためだ。

◎さて、そんなモルディブのビーチ・リゾートでの楽しみがシュノーケリングだ。
勿論ダイビングのほうがより多くの海棲生物を見ることが出来るが、スクールを受講し、ライセンスを受領した上で、高価な機材をレンタルして、せいぜい楽しめるのは1ダイブ1時間程度。
しかしシュノーケリングならライセンス等は無いし、自分の好きなときに好きなだけ楽しめる。潜る事を考えなければ、体力と体温が続く限り海の中を楽しめるのだ。
必要な物は、ちょっとした機材と少しの練習と、肺活量だけだ。

◎モルディブ・リゾートにパックツアーで行く場合、殆どの場合シュノーケリング・セットは無料で貸してくれる。
機材はゴーグル、シュノーケル、フィン、これだけだ。

これをもって海に入るわけだが、その前に必ずやっておくのが背中の防護。
シュノーケリングはその殆どがうつぶせの状態で海面を漂うので、何かしら防護しておかないと背中がシャレにならないほど焼けてしまう。 ダイビング用のウェットスーツを着る人もいる(日本人は多い)が、Tシャツだけでも十分だ。

◎海に入るときは、まずゴーグルの内側を唾液か海草で拭う。
曇り止めだ。
それが済んだら一度ゴーグルを装着してシュノーケルを咥え、鼻から息を吸い込んでゴーグルが密着すること、シュノーケルが変に曲がっていたり、こめかみに食い込んでいたり(かなり痛い)していないことを確認する。
腰が水につかるぐらいまで歩いて行ったら、フィンをつける。
フィンをつけたら、歩行は後ろ向きが基本になるので、すぐに水面に浮かべる水深まではフィン無しで歩いていったほうがいいだろう。

◎ではさっそく泳ぎ始めよう。
フィンは膝を柔軟に使って、つま先を伸ばして大きく動かすと速く泳げる。
水深の浅いコーラルの内側では、そこかしこにナマコが見える。
見た目だけでもちょっとグロテスクだが、うっかり触ったりすると内臓を吐かれるので注意する事。
また、コーラルの内側とはいってもサンゴがある海域もあるため、基本的にこの水域では潜行はしないほうがいい。
サンゴに触れるのはタブーだからだ。
そうはいっても水面近くまでサンゴが迫っている所もあるので、コース選びは慎重に。
時々海面に顔を出して、方向を確認しよう。

◎この海域では、ナマコの他、いくつかの魚が見れる。
特徴としては比較的小さく、全身が白っぽい魚が多い。
うっかりしていると見逃すレベルだ。

ちなみに、人は襲わないがサメとかエイ(スティングレイ)が泳いでいたりもして、かなり驚く。



◎さて、チャンネル(コーラルを意図的に削り取って、外海との通路にしている部分)を通ってコーラルの外側に出てみよう。
突然海水の色がグリーンからディープ・ブルーに変化し、底無しの断崖絶壁に出くわすはずだ。
それまでは聞こえなかった「炭酸飲料のような音」が周囲を支配していたら、その海域のサンゴが生きており、呼吸をしている証拠だ。
その周りでは、熱帯魚たちが優雅に泳いでいる。
このディープ・ブルーの領域こそシュノーケリングの醍醐味だ。
断崖絶壁にはたくさんの海棲生物がおり、その周りを色とりどりの魚たちが優雅に泳いでいる。
まるで、熱帯魚の水槽に放り込まれたような感覚を覚える。

◎ここまで来たら潜行の練習。
大きく息を吸い込み、頭を下にして一気に潜る。急激に水深が深くなると耳が詰まるので、ゴーグルの鼻あてを押さえて鼻から息を吹き、耳抜きをすること。
浮上は浮上にかかる時間を考慮して早めに開始(フィンで潜ると、考えていた以上に深く潜ってしまうことがある)。
海上に頭が出たら、思いっきり口から息を吐き出す!!
するとシュノーケルの中の海水が抜けて、息が出来るようになるはずだ。
ゴボゴボと言う音がするときは、まだ海水が残っているので、海水を飲まないように慎重に息を吸い込んでからもう一度思いっきり吐き出せば排水できる。

◎さて、コーラルの回りを回遊したり、気が向けば潜ったりするのも楽しいが、興が乗ったら少しだけ沖に出てみよう。
底も断崖も見えないほどの深海に出た時に、ぼんやりとした白い影が見える。
何かと思って潜って見ると、小さな熱帯魚たちの群れに出くわす。
もちろん触れたり、捕まえようなんて考えてはいけない。
群れの横を追走するように泳いでいくのだ。
ふと体を翻して、コーラルに戻れば、先ほどとはまた違った表情が楽しめるはずだ。

◎さて、シュノーケリングにはダイビングのような時間制限は無いので、冷えてきたとか疲れてきた、と思ったときが終了の合図だ。
無理をせず、来たコースを戻って、海から上がろう。
終わったら使用したもの全てを真水で洗い流す。
機材も、Tシャツも、ダイバーズウォッチも、全てだ。
砂を落とすと同時に、潮を落とすのだ。
これをやらないと、Tシャツは磯臭くなるし、機材類は黄色くなってしまう。
シャワーを浴びたら、コーラルで見つけた風景を思い返してみよう。
きっと、また潜りたくなるはずだ。

◎たいしたお金もかからず、高度な技術も要らず、気軽に魚たちと戯れられるシュノーケリング。
機材代がタダなので皆こぞって借りる割にはコーラルの内側を適当に周回して満足する(あるいはこんなものかと見切りをつける)人もいるが、美しい海に行く機会があるのなら、一度はやってみる価値があるだろう。
そして、やる時には思い切って沖に出て、海棲生物のパラダイスを堪能するのが良いだろう。