2006/01/31

【Sound Works】サンプラー

◎久しぶりに音楽機材関係の話を。
ここ数年音楽作りからは離れているが、「音楽」を作っていないだけでシンセにはしっかり触っている。
何をしているかと言うと、MOTIFのサンプラーを使用した音色バンクの作成である。
以前にもYAMAHA W5/W7のHand Bellの音色を作った事があったが、それの延長で現在所有している機材で気にいっている音色・所有して起きたい音色を片っ端から元波形単位でサンプリングして回り、MOTIFのシンセサイズエンジンを使って再現させる、と言うことをやっている。
要するに機材の整理を考えているわけだが。

◎MOTIFは多彩かつ強力なシンセサイズエンジンを持っているので、最近のPCMシンセのような「波形をポン出し」の音であれば、音色のモトになっている波形さえ取り込んでしまえればあとはMOTIF側のエディットで十分エミュレートが可能だ。 廉価シンセによくある段数の低いフィルターの音色も、LPF12やLPF6を使用すれば簡単に再現出来る。 MOTIF自身もSIMMは昔のPCの余り部品を利用して32M+4MBまで増設してあるし、外部記憶メディアとしてのスマートメディアやMIDIダンプ経由でのPCからの波形供給も可能なので、PC側に波形のライブラリーを作り上げてしまえば自分なりの音色バンクはすぐ作れてしまう。

◎難儀なのはマルチサンプリング・ステレオサンプリングの音色のサンプリングだ。 例えばピアノだと半オクターブ単位ぐらいで波形が切り替わっており、またサスティン部分に入っても波形が複雑な為ループ・ポイントの設定が難しい。ステレオ波形(あるいはLR独立して波形がある場合)は倍の手間がかかってしまうのでよけいに大変になる。
モトの波形は耳で聞いたりFFTで周波数分布を見ればループの波形やうねりを観察できるが、それをサンプル単位で編集するとなるとセンスとカンの世界になる。 基本は類似波形のゼロクロス・ポイントをループに置くことだ。

◎で、まずは手始めにN1Rの音色作成から始めている。 N1Rは他のN系統にさらにステレオ・サンプリングピアノ音色を追加しているが、この波形を取り込む事でピアノ系プログラムをいくつか作成してみたが、サンプリング作業が非常に大変だったがそれに見合ったサウンドを得る事が出来た。 ウチの環境ではN1Rからしか演奏する事が出来なかった【本物のM1のピアノ】の音色がMOTIFから気軽に再現できるのは有難いものである。

【Diary】京都へ


◎祖母の13回忌で京都へ行ってきた。 この時期の京都は洒落にならないほど寒いのではないか…と妻と共に完全防備で行ったのだが意外や意外 寒さは緩めであった。(とはいっても十分寒いが…)
今回の京都旅行にはもう一つ目的があった。 祖母の3回忌以後立ち寄る事が無かった祖母の実家やその周辺はどうなっているのか。 それをこの目で確かめて見たかった。
祖母の生家は高瀬川に沿っており、私が物心つく前は有数の旅館であったと言う。 その後旅館業を廃業して小料理屋となり、代替わり(私の叔母に当たる)して今に至る。
その生家は火事で半分以上が消失し、祖母はそこで死んでしまった。
母に聞くと、生前は商売人として多大なる苦労をした、「豪傑」と呼ぶにふさわしい人物だったとか。
そんな祖母は自分の稼いだ物は全て天国に持って言ってしまった、などと、残されたものたちは笑っていたのも懐かしい思い出である。

◎四条河原町の界隈に出ると、10年以上の月日が街の様子を大きく様変わりさせてしまっていたが、それでもここは私にとって懐かしい風景であることを思い出させてくれた。
四条大橋の手前で木屋町通りに入るが、ここで異変に気づく。 車の量が極端に少ないのだ。
どうやら、区画整理により木屋町通りは一方通行となり、下京のほうからやってくる車は皆無になってしまったのだ。

◎そんな木屋町通りに足を踏み入れたときにその異変は確信に変わった。かつては小料理屋が立ち並び人々がせわしなく行き交い、車が走り回る活気のある通りはすっかり影を潜め、性風俗店が並ぶまさに現代の色街になってしまっていた。
京都らしい風景こそ変わって居ないが、そこに「古都」としての風情は完全に失われていた。
そして、祖母の生家はそこにあった。 が、明らかにそれは「違う」と認識させるに十分なものであった。
建物は何も変わって居ない(火事の際、通りに面した側は焼失を免れていた)が、少なくとも私や母がノスタルジーを感じるような生家ではなく、そこにあるのはただの小料理屋でしかなかったのだ。
しかし不思議とショックは無い。
変わるべくして変わっているもの。 祖母が引退して以後、この家はそれまでの全てを否定するかのような変革を続けてきた。
そして木屋町をはじめとした町並みも変革していった。
結果としてそれが良かったのかどうなのかは判らない。 一つだけ言える事は、確実にここは寂れた街になってしまったということだ。
せめて当時から何も変わらなかった高瀬川からの風景、それだけは写真に収めておいた。


◎さて13回忌だが、日程の都合で叔母のほうが正式な法要はすでに終わらせてしまっているので、我々はただ墓参りをするだけだったのだが、機転を効かせた当時の従業員が仲間に声をかけ、集まって見ればまさにあの旅館を祖母と共に築き上げたメンバーが出揃い、実ににぎやかな墓参りとなった。
あまり身内の悪口は言いたくないが、叔母は「法事」と言う行司の格式を重んじ、寺の本堂で正式な法要を行ったという。 しかしそこに出席したのは、叔母を中心にした身内だけのものであったと聞いている。
我々が行った事はただの墓参りで、服装も思い思い、もちろん坊主も居ないしお経を上げる人も居ない。
ただ故人をしのび、そして(ポジティブな意味で)個人の思い出話や悪口を並べ立てて笑いあっていた。
楽しい時間はそのまま市中のお座敷へとつながり、楽しい昼食会と相成った。

◎故人をしのぶ、と言うことはとても大切なことであるが、本当に誰かをしのんだり、思いやったりすることは、ただ形式を重んじて決められた行事をこなすことなのか、それとも自分たちや(偲ばれる人が望まれるであろう)スタイルで執り行うのと、本当に幸せなのはどちらなのだろうか。 そんなことを考えさせられた。

2006/01/16

【Diary】モノクローム


◎つくばの科学万博記念公園を散歩。 妻と公園を連れ歩くのも何ヶ月ぶりだろうか。 去年ぐらいまでは「おまえら公園マニアか?」と言うぐらい散歩しまくったものだが、何やかやですっかりご無沙汰だった。

◎薄日のさす曇天模様の公園には小型犬を連れていたり、バトミントン・インラインスケートに興じる親子連れ、凧揚げをする人など、寒さの薄れた日を狙ってたくさんの人たちで賑わっていた。
この公園には小さな池があり、水鳥や鯉(でかい!!)が泳ぎ回っている。
犬や鳥や鯉も撮影してみようかと思ったが、Optioでは動く被写体がなかなか追えない。
曇天の為光線も弱く、シャッタスピードが稼げない。

◎ふと目をやると薄日の射した逆光の並木が見えた。
縦位置で1枚撮ってみる。 が、何かが足りない気がした。
「モノクロで撮ってみよう」
そう思ったのは何故だったか。
咄嗟にフィルタモードでモノクロを選択し、同じ構図をフレームに入れてみる。
少しだけ露光を下げて、撮った写真がトップのそれだ。

◎露光補正をかけないものも撮ったが、暗いほうが構図はクリアに見えた。
モノクロは陰影の印象が正直に出る。 また、「色」と言う情報が欠落する分、そこには見た者の想像力が働かされる。
写る木々は輪郭しか分からない。 枝の方向も、その表面も、逆光で黒つぶれ、ただの影として写る。
しかしそれらは影ではなく間違い無く一つ一つが立体である。 我々はそれを先入観で知っているからこそ、目から得られた情報を頭の中で補完しようとする。 そのとき、写真には写らない別の世界が、見たものの中に創造されるのではないだろうか。

2006/01/09

【Car】3万km点検


◎RX-8を3万km点検に出す。オイル交換も含めて5000km毎に必ず点検に出しており、今のところコンディションは「非常に良好」とのことだ。これまでトラブルらしいトラブルは起こっておらず、灰皿近辺のチリチリ音を1回修正してもらったのみである。

◎8は冬場になると始動性がかなり悪い。 3秒とは言わないが、1秒~2秒程度セルを回さないと始動しないこともしばしば。 ロータリーは冬場の始動性が悪く、始動時・暖気時の燃調がシャレにならないほど濃いので迂闊にセルを止めると速攻でカブってしまうが、幸いカブリのトラブルは発生させたことがない。
冬と言えば雪も心配だ。 去年は年末年始に雪が降ったがまだ購入して半年だったので事なきを得たが、今年は流石に降られたらチェーンが必要だろう。 スタッドレスは、高くて買えない…

◎で、今回の点検はボディコートメンテナンスも同時実施なので1日預かりとなり、代車がやってきた。 マークⅡ2.5グランデの先々代。 あののぺーっとしたボディのやつだ。 年代的には前回乗ったカリーナEDとほぼ同じ。
インパネに座るとまさに「バブルの頃の車です!!」と言った感じ。 当時のトヨタ車によくあったデジタルメータや電動パワーシートなどがついている。 クラウン目指してバリバリ働いてた(当時)団塊オヤジには感動的な車だったのかもしれない。

◎で、走り出すとまぁ一応2.5L直6という事で低速トルクはしっかりしており、出足に遅れる事はない。 アクセルワークにワンテンポ遅れて追従するのは当時のヨタ車ATの特性だろう。 まぁその他死ぬ気で踏まないと効かないブレーキや小指で回るハンドル、路面状態の全く分からないステアフィールに4輪バラバラにフヨフヨ動くサスペンション、と言うのはホントに「当時のヨタ車」と言った感じ。 要は「ちょっと鈍重になったカローラ」といった感じなのだ。
しかしEDの時に悩まされた中高速域での出足不足やフロントリフトは特に無く、ヘンな振動も無い。 まぁアッパーミドルクラスセダンで高速走行時に内装がブレたら売れないだろうが…
当時の車の設計思想やありかたについては以前にさんざん書いたのでここでは省くが、まぁ、なぁ~んにも考えないでただ乗るだけならこれほど楽な車もないだろうし、まあ室内はそこそこ広いので「ちょっと1ランク上の車」と言う雰囲気はある。

◎点検の帰りはいつも中華街で飯を食って帰るというのがパターンだ。 と言うかこんな用事でも無い限り横浜なんぞ行かない。 今回は中華街の派手な店を横目で見つつ、お気に入りの小さな店に入って扣肉麺を食し、聘珍茶寮SARIOで小龍包と鉄観音を頂く。 (,,゚д゚)ウマー。
表題の写真はSARIOへ向かう途中で撮影したもの。 ヒマな人は原寸ファイルを落としてプロパティでEXIF情報を見て見ると良い。
サムネイルで見る分には問題ないのだが、実寸で行くと悲しいぐらいブレている。
こうなるとやはり手ブレ補正が欲しい… となると昨日の話はEF-S17-85 F4-5.6 IS USMになってしまうのだろうか? 純正だし。
まぁ、ISO感度上げればよいんだけど。

◎そんな私のOptioS4・低感度ISO気合ナイトショットで比較的キレイな写真があったので公開。↓

2006/01/07

【Diary】レンズ

◎いつ購入するかは分からないがそのうちデジタル一眼を買おうと思い立ったのでカタログ集めをしている。予算も無いのにEOS-5Dとか20D(これは買えるかな?)のカタログを眺めてニンマリしたりしているが、実際のところまぁ入門機という事でKDNで考えている。
それより何よりレンズの選定である。 既にキャッシュバックキャンペーンは諦めているので、逆にボディ+別途レンズ、と言う方向で考えているわけだ。

◎第1候補はタムロンのAF18-200 F3.5-6.3 XR DiⅡ LD Aspherical(IF) Macro。 比較的安価だが28-300相当と言う異様に広い画角設定と、その割にテレ側の開放Fが明るめなのがうれしいところ。
ただ、某所でKDN実装の実物を見てきたが、AFが迷いやすいのが気になった。ちなみにシグマから同一スペックのレンズが出ているが、こちらは実売で1万円高い。 あとは画質で判断か?
同じシグマを買うなら18-125 F3.5-5.6 DCのほうが良い気もする。 こっちは第2候補。実際300mm相当の望遠なんぞ使うかどうかも不明なので使い勝手と言う意味ではこっちのほうがしっくり来るかもしれない。
いずれにしても、できるだけ1本で済ませたい(買い足すにしても広角側か広角の単焦点)ので、こういった光学倍率のでかいレンズを選びたくなってくる。

◎純正EF系だと、EF-S17-85 F4-5.6 IS USMとかEF28-135 F3.5-5.6とかが候補になって来るが、両者とも「帯に短したすきに長し」と言う感じがする。 前者はテレ側、後者はワイド側が不足している感じがするのだ。 望遠側がどれぐらい必要か見えていないとはいえ、35mm換算136mmはちょっと寄れない気がする。Fの暗さは手ブレ補正でカバーできるにしても…ねぇ。
なんかこうやって見ていると、「欲しい画角のレンズどんどん買え!!」と言う商売根性が見えなくも無い。 大体、レンズキット標準装備の18-55なんぞ、何に使えと言うのだろう… レンズカバーの代わり?w

2006/01/02

【Diary】お正月の即席カメラマン

◎明けましておめでとうございます。 すっかり身辺雑記Blogと化したこのサイトではありますが、皆様宜しくお願い致します。

◎さて私の年の瀬から年明けにかけてだが、年末大掃除等の年越し準備を済ませてから妻の実家にお邪魔し、年越しソバを食いながら紅白を見て、近所の神社にお参りし、元日は鬼子母神に出かけてお参りをする(初詣とは言わないな…)、といった感じ。 一人見の生活を8年も続けたので年越し~正月のイベントはあまり踏んでこなかった私だが、随分と懐かしい思いがした。

◎そういやお節を食ったのも何年ぶりだったか。 と言うかちゃんと重箱に入ったお節を食ったのはもしかしたら生まれてはじめてかもしれない。 かつて私の実家では正月は誰かしら家族のメンバーが欠けており、かつお節料理を作るのが母曰く「面倒臭」く、さらに嗜好品が限定されている(私なら黒豆と伊達巻、Ganは黒豆と数の子と栗きんとん)ため、「それらと雑煮しか出てこない」と言う合理的なのか手抜きなのか良く分からない正月料理を食っていた。 お節って本来正月に厨房に立たずに済むように保存食を並べたのがルーツじゃなかったかな。 母は料理の手間を厭うよりもお節そのものを作る手間を省きたかったのか。

◎さてそんな年越しだったわけだが、妻の実家にお邪魔している中でお参り等で出かけるとなると私の立場はカメラマンである。 え、誰も頼んでいないって?
カメラは未だにデジタル一眼を買う決心が起こらないままなのでOptio S4なのだが、逆に一眼を買わないなら買わないで「コンパクトデジカメでどこまで追い込めるか」と言う観点で撮影に挑んでいる…が、所詮はコンパクトデジカメ、やれる事が非常に限られている上にその効果も限定的なものである。

◎やはり絞り値を任意で設定できないのが痛い。Optioの絞り値はほとんど環境光の状態一つで決まってしまい、プリセットモード切り替えも含めて殆どのパラメータをいじってもシャッタスピードが追従する。 よって被写界深度のコントロールはズームぐらいしか手段が無いが、コンパクトデジカメの撮像素子サイズとそれに伴うレンズ焦点距離の短さ(35mm換算で、テレ側17.4mm…)、光学系コンパクト化によるレンズの暗さが全て被写界深度の深い側に行ってしまっているので、背景はあまり綺麗にボケてくれない。 Optioはテレマクロ撮影も出来ない(レンズ自体はテレ側に寄せられるがシャッターが下りてくれない)ので余計にツラい。

◎意地でもポートレート風に写真を仕上げたければ、ポートレートモードでISO感度を思いっきり落とし、レンズをめいっぱいテレ側に寄せて測光・AFとも中央寄りにしてできるだけ絞りを開かせるしかない。(マルチ露光だと環境光が入る分絞られてしまう)。 こうなるともう手ブレとの戦いである。 軽量なコンパクトデジカメは非常にブレやすく、腕が攣りそうな思いをする。
逆に風景を撮るだけならワイド側・マルチAF・全体露光で全然OKなのだが全体バキバキにピントが合ってしまってちょっと煩い写真になってしまう。

◎この2枚の写真は元日の夜中に近所の神社で焚いていた焚き火を殆ど同一条件で、ISO感度のみ振って撮影した画像である。 左がISO200、右がISO50で、Fと画角は全く同じ、撮影位置も殆ど変えていない。 測光は全体モードだ。
低感度のほうが色温度としては自然だが感度が低い分、シャッタスピードが遅くなって吹き上がるような動きのある炎になる。
一方高感度は炎の輪郭はくっきり写るが色温度が高くシフトし、ノイズも非常に増えている。
ちなみにこの設定のまま中央スポット測光に切り替えたところ、炎を測光して非常にスピードの速い撮影にはなったが、実際色温度が低いので露光不足で凄く暗い絵になったのを御報告しておく。

◎まだまだ突き詰める点はあるが、とりあえずは「各種設定にシャッタスピードが追従する」と言う条件を踏まえた上でISO感度や測光モードを振りながら、手動ブラケティング的にバシバシ撮るのが一番良いような気がする。
コンパクトデジカメはその撮影セッティングの大半がカメラ任せなので、撮影してみないとどういう画像が得られるかが全く未知数なのだ。
勿論一眼ならもっと表現の幅も広がるが、基本的な特性を理解した上でいろいろ工夫して撮影すると、撮影自体も面白いしアタリの写真が得られればそれはそれでうれしいものである。
コンパクトデジカメでの撮影についてはいろいろ書きたい事もあるので、まとまり次第一つのコンテンツにしたいと思っている。