2008/09/15

【Diary】今日の1冊:「ドル崩壊!」三橋貴明著

◎三橋氏による2ch発経済書籍シリーズ第三弾 しかも今回はあの「代表戸締役 ◆jJEom8Ii3E」氏が監修に入っているとなれば読まないわけにはいかない。 今回の題材はタイトルが示す通り、世界的なリセッション(景気後退)の元凶たるサブプライムローン問題と、それにまつわるドル基軸通貨体制の動向についてだ。

◎内容についてはあえて書かない…と言うか2時間程度で一度読んだ程度で何も書けないので置いておくが、とりあえずの一読して思ったのは激しい「既視感」である。
サブプライムローン問題に端を発する一連の景気後退のプロセスは、10数年前に日本が経験した暗黒時代…「バブル崩壊」とまったく同じであり。 貸し方、借り方、その双方のモラルハザードによって引き起こされた虚構の繁栄の結果である。
両者が異なるのは、日本のバブル崩壊はあくまで国内問題、一方でサブプライムは国際問題にまで発展している事だ。

◎アメリカは自国経済を支えるために──それは時として、享受せねばならない景気循環の下降局面においてまで──ありとあらゆる手段を尽くしてきた。そして時としてそれはインモラルな手段までも「高度な金融工学」と言うオブラートで包み込み、そのリスクを世界中にバラまいた。 本書はそのオブラートを素人にも判る様に丁寧に暴きながら、アメリカ社会(そしてアメリカ人の民族性)に巣食う「享受すべきツケを自分以外に押し付ける」という病理を、(著者独特の意地の悪さで)解き明かして行く。

◎内容的には前2冊と比較するとかなり高度かつ専門的なものになっているので、万人にはお勧めできないかもしれない。 しかし「世界で今何が起ころうとしているのか」を知りたい人、世界の風潮の中で今自分が何を選択すべきか考えたい人は、一読をお勧めする。
1600円もするが、それに見合った価値はある。

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