2013/03/07

【Sound Works】Logicの入力お作法 Ver9版

◎私がDAWにLogicを選んでいる理由は、「高機能DAWで唯一タイ入力に対応している」というもので、その操作性についてこのエントリで以前紹介したところ、Google検索で「タイ入力」で検索するとかなり上の方にヒットするぐらいには皆様にご愛顧いただいているようである。
ただ、このエントリの情報、Ver7での情報であり、現行バージョンであるVer9では通用しない部分が多い。そこで超久しぶりの更新ネタとして、Ver9でのタイ入力お作法について紹介したい。

◎前エントリとLogic9の最大の変更点は、(おそらくは…※1)Logic8で導入されたシングルウィンドウUIの影響で、Ver7まであった「MIDI Inアクティブ時の専用キーコマンド」が使用出来なくなった事だ。このため、Ver9ではステップ・インプット・キーボードの各機能を手動でキーコマンドに割り当てる必要が有る。嬉しい事に、ステップ・インプット・キーボードに割り当てたキーコマンドは、MIDI Inアクティブにしないと作用しないので、他のキーコマンドと重複していても問題ない。
具体的には、MIDI INがアクティブでない場合、重複している機能が動作する。逆にMIDI Inがアクティブだと、重複機能は動作せずステップ・インプット・キーボードの割当が優先される。昔のバージョンはこういった重複があると挙動が怪しくなったものだが、Ver9では特にそのような問題は起こらない。

◎では具体的にどのようなキーコマンド割当が良いか、勿論人によって最適系は違うが、一例として私の割当はこうしている。



1〜0の各キーをディビジョンの切替と付点指定、
左右カーソルをトランスポートの移動、
Shift+deleteを削除(トランスポートが戻る)
スペースキーがサスティン入力、となる。
まあ要はCapsキーボードのディビジョン周りとサスティンのキーをそのまま移設したものだ。
あと、MIDI Inのアクティブ切替をOption+Iに割り当てている。

◎この割当にした理由は3つほどある。 一つは先述のCaps Lockキーボードとの操作共通化、一つはかつて私が使っていたMusicatorとの操作共通化(Musicatorもディビジョン…分解能の切替はテンキーだった)そしてもう一つはS90XSとの連携だ。
S90XSのDAW Remoteモードでは1〜10の各キーとカーソルキーが、そのままPCの1〜0キー及びカーソルキーとして機能する。このため、この設定だとディビジョン変更、トランスポートの移動、サスティン入力がS90XS側から行えるのだ。(サスティンはペダルを踏む) ロータリーエンコーダでのトランスポートバー移動や再生/頭出し等のトランスポート操作含め、MIDI入力に関する殆どの操作をMac側に触れる事無く操作出来る。

◎入力操作中にMacに触れなくて良いメリットとして、「PCキーボードがMIDIキーボードの右側にあっても操作に支障が出ない」というのがある。 従来の「音符入力以外の操作はPCから」だと、PCキーボードがMIDIキーボードの左側に無いと作業効率が悪い。(右手で鍵盤を弾きつつ左手でPC操作) が、PCに触る必要がないなら右側に合っても全然問題ない。

◎さて実際の入力方法だが、使用するキーがVer7時代と違うこと以外は変わらない。
入力したいMIDIリージョンを選択(あるいは空のMIDIリージョンを作成)

ダブルクリックしてピアノロールを呼び出し

Opt+IでMIDI Inをアクティブに

テンキーorS90XSの1〜10キーでディビジョン選択(手っ取り早いのは16分音符。この割当だと「5」

鍵盤を弾いてノート入力。 音を延ばしたい場合は鍵盤を押さえたままサスティンペダルを踏むorスペースキーを押す。休符の入力は鍵盤を離した状態でサスティンペダルorスペース。

といった流れ。
タイ入力の利点はその入力速度の速さと直感性。
例えば「かえるのうた」を入力する時、タイ入力非対応DAWでの入力は
四分音符選択→ど→れ→み→ふぁ→み→れ→二分音符選択→ど→四分音符選択→み→ふぁ…
となるが、タイ入力の場合、
ディビジョンを四分音符に設定→ど→れ→み→ふぁ→み→れ→ど→サスティン→み→ふぁ…
となる。 音符の入力とサスティンの入力をリズムに乗って行うと、擬似的なリアルタイム入力のようになり、ものすごく直感的な入力が出来る。
Logicのステップ入力は、勿論マウスでの入力も出来るが、ステップ・インプット・キーボードにしろCapsLockキーボードにしろ、タイ入力が前提の設計になっている。これを使わない手は無いだろう。

※1:実は私Ver8の導入実績が無いのでVer8の時どうだったかは判らない。

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