【Diary】報道は誰が為に 真実は誰が為に
BBC News|Asia-Pacific:Bewilderment in Tokyo after attack
The suspect is reported to have told police he was acting alone. He is quoted as saying he was "tired of life".◎BBCは問う。 何故彼を殺人に駆り立てたのか。 彼の行動を「狂人の凶行(action of a deranged individual)と片付けてしまって良いのか。
But inevitably once the focus shifts from the plight of those victims still being treated back to the attacker, questions will be asked about what could have driven a man to murder passers-by in a busy shopping street.
Can it be explained away as the action of a deranged individual which could not have been foreseen or prevented?
Or is it a symptom of something more disturbing in Japanese society, pressure or stress so great that it drives troubled people to commit terrible acts with tragic consequences?
それに対し、国内マスコミの答えはこうだ。
FNNニュース:東京・秋葉原無差別殺傷事件 容疑者、事件3日前に職場で激怒、奇声発する
※容疑者名はあえて伏せました。 引用文も同様。
また、別の同僚によると、容疑者の部屋は、同人漫画誌が数冊ある程度で、物はなく殺風景だという。日本のマスコミの質の低さ、思考停止ぶりは今更何も言う事は無いが、マスメディアの基本に立ち返ってみると彼らは「読み手が望む情報」を流す事が基本原則である。 つまり日本のマスメディアを読む人にとって、この事件はあくまでも「狂人の凶行」であることを望んでいる。 いや、そうでなければならない、そうでなくては困るのだ。
そして容疑者は、カラオケでアニメソングばかりで、「アニメなど2次元世界にしか興味がない」と公言していたという。
◎何が困るのか。 それはBBCが一つのヒントを呈している。
They blame the pressure people feel under - Japanese society can be intolerant of failure, or of difference.◎日本社会における狂信的な程の社会平等主義と、そこからのドロップアウターの行き場の無い閉塞感、マイノリティへの強迫的な畏怖。 BBCの着眼点は、我々日本人が皆目を背けたがる、自分自身が属する社会の矛盾と欺瞞を浮き彫りにしている。
If you do not fit in, do not get a job or do not behave like everyone else you can be ostracised.
Many worry too about growing inequality here.
People on the margins of society see a greater gap between themselves and those in work than perhaps there was before.
◎そして我々はその社会に属するだけでなく,その社会を築き,その社会の中で暮らしている。 相対的貧困層の少ない日本においては、社会に依存する事で生と富を享受している。 たとえそれが矛盾や欺瞞や嘘に満ちあふれていても、それを否定する事は,自分の生存権を否定する事に他ならない。
◎マイノリティでも、ドロップアウターでも、酒でもタバコでもフィギュアでもゲームでも何でも良い。 何かスケープゴートを作らなければ、矛先は必ず「社会」に向き、その社会を構成・運営する要素…民主主義に置ける究極の構成要素は市民と企業とマスコミ、に向けられる。それは社会の改変を意味し、大多数に取って望まぬ「痛み」を要求する。
…それだけは避けなければならない。 自分が痛みを受ける前に。 これはもはや人間の原罪だ。
◎外様のBBCに真相を突かれて恥ずかしいと思う反面、その「恥ずかしい側面」に依存しなければ生きて行く事が出来ない「欺瞞のサバイバビリティ」。 BBCが最も世界に伝えたい事は、そのことなのかもしれない。
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