2006/02/08

【Sound Works】MW10/MW12

◎今年のWinterNAMMでYAMAHAが唯一リリースしてきた新製品、MW10/MW12. ミキサーにUSB オーディオI/Oを統合したとのことだが一体どの程度の製品なのだろうか。

◎まず最初に言える事はこいつはフィジカルコントローラーにはならないという事。 構造を端的に言ってしまえばアナログミキサーのステレオアウトと2tr InにUSBオーディオI/Oをくっつけたようなモノで、オーディオI/Oの性能としては2In/2Outになる。
このような構造なので、ミキサー部の機能は複数の器材の入力端子をまとめる「モニ卓」としての性格が強い。
ちなみにチャンネルファンクションとしてはF・Q固定の3バンドEQがついていたり、プリポスト切り替え可能AUXが2系統あったり、ソロでPFLが選べたりと、見た目の割には凝っている。

◎何に使えるんだ? と言う気が最初はしたが、よくよく考えて見ると私もAW4416導入前はMD4をモニ卓としてステレオアウトをPCに送り、PCからの帰りは2tr Inに入れていた。 この事を考えると、一応いっぱしのオーディオI/O(ドライバが「OS標準のドライバ」としか記載されて居ないが、おそらくWDM/Sound Coreを使用するのだろう)なので単なるオンボードサウンドカード等に比べればA/Dの質もパフォーマンス(レイテンシー等)も全然良好なのはずなので、 所有器材が1台か2台、オケ作りは基本的に外部音源で行い、たまに生音(たとえばギターやヴォーカル)等をDAWに入れて編集をかける、といった使い方に割り切ってしまえば、非常にコンパクトにシステムをまとめる事が出来る。

◎また、流石にバスパワーでの駆動は無理だろうが、外部音源が用意できるならノートPCと併用しての出張録音にも使える。 もう少しオーディオI/Oの入力数が欲しいところではあるが、「オケは既に完成しててボーカル入れの録音をやる」と言うだけのためにAW4416をかかえて出張した経験が有る私としては、コレがあればどれだけ便利だったか…とかちょっと考えた。
高い機能を期待しなければ、結構使えるシロモノなのかもしれない。

◎ただ、一つだけ不可解なのはMW12においてグループバスの出力をUSBに持って行く事が出来ないことだ。ブロックダイアグラムを何回確認してもそのような経路が見当たらない。
私のように古いタイプのMTR(MD4)に慣れている人間にとっては、「グループバス=レコーダ録音用バス」と認識しているフシがあり、実際のところグループバスで録音ソースを選択できるようになっていれば、録音時に「録りたいソース」以外のソースをミュートさせなくても欲しい音だけがレコーダに流し込める。(と言うか、AW4416での録音はそれが基本)
このグループバス、単にバスアウトに出力するためだけについているようなものだ。 一体何に使えというのだろう…?

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