2012/09/30

【Gadget】iPhone5との遭遇と、LTEの値段

◎週末の散歩がてらにAppleStoreに行き、iPhone5に触ってきた。といっても去年買ったiPhone4Sの縛りが継続しているので買い替えることは出来ないのだが、恐らく来年手にするであろうマイナーチェンジモデルを前に、どんな雰囲気の端末に仕上がっているのかは興味があった。

◎今回ディスプレイサイズ変更によって縦方向の寸法変更が物議を醸している。私自身も4Sのサイズが「iPhoneらしさ」を構成する一つの要素だと思っていたのだが、実物を触ってみると意外な位すんなりと「iPhone」していた。 幅寸法を変えなかったのが大きいだろうか。私の手のサイズであれば片手操作は違和感なく行える。というか片手操作の大半はディスプレイの下半分、文字のフリック入力で行うので殆ど気にならない。

◎何よりも今回のiPhoneは薄くて軽い。4SまでのiPhoneは他と比べてもかなりの重量級端末だったので、なおさら軽く感じる。しかし一般的な「薄くて軽い」端末は質感がプラスティッキーで安っぽいのが常だが、軽量化しつつもボディを構成するマテリアルを変えていない(むしろ金属の部分は増えた)ので、軽いながらもしっかりとした質感がある。これは持っていて気持ちいいだろうなぁ。

◎デザインと配色については、4Sまでであれば私の好みは黒だったのだが、今回の5は白のデザインがいい。単に黒のマット仕上げが好きくないというだけだが…白の良さとして、外周のフィレット部が鏡面仕上げになっている点と、白のマットの質感が黒ほど目立たない点。来年買う時は白かな…

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◎さてそんなiPhoneだが、今回からは正式にLTE端末となる。これによって国内3大キャリアのLTEサービス体制が整った訳だが、先達てにXperia Rayを購入した際に、ドコモXiの価格設定の高さに呆れ返った経緯がある。
LTEになることである程度のコストアップは有るのだろうが、LTEになることでどの程度のコストアップになるのか? 報道が飛び交って混乱していた料金形態の整理も含め、計算してみた。

◎まず計算の条件だが、「MNP無し、新規契約」「端末は機種代金を一括払いし、月賦割引金で月々の支払いを相殺する」「携帯は1台しか持たないため通信にも通話にも使う」「通話利用をするため、通話料を低減するためのオプションサービスに加入する」「テザリングを使う」。また最近はキャリア間通話とキャリア外通話の価格差が激しい為、「同一キャリア間の通話が全通話時間の30%になる」という前提とした。

◎この条件において、まずXiの場合、Xiトーク24(Xiにねん+Xiトーク)+Xiパケット放題フラットの条件となる。ドコモは月賦割引金が機種ごとに異なる為、ここでは私が先日会損ねたXperia SXを基準とする。
auはLTEプラン+LTEフラット+通話ワイド24、SBMはホワイトプラン+パケットし放題for4G LTE+ダブルホワイトという前提にした。この前提において、月賦割引金を除く金額及び通話料はau・SBMともに同額である。

◎すると、下記のような結果になった。比較の為、私の今の契約におけるドコモ及びiPhone4Sにおいてほぼ同条件の契約を結んだものも並べてみた。

ドコモ
Xperia SX
au
iPhone5
SBM
iPhone5
ドコモ
Xperia Ray Foma
SBM
iPhone4S
基本料金  ¥    5,465  ¥ 5,165  ¥ 5,595  ¥     5,810  ¥   4,765
30分通話  ¥    6,347  ¥ 5,606  ¥ 6,036  ¥     5,810  ¥   5,206
60分通話  ¥    7,229  ¥ 6,047  ¥ 6,477  ¥     5,810  ¥   5,647
120分通話  ¥    8,993  ¥ 6,929  ¥ 7,359  ¥     5,810  ¥   6,529


グラフにするとこうなる。意外な事にauが最も安いが、これはSBMとauの機種代金月賦割引金の差(au:2570、SBM:2140)の差がそのまま表れており、通話時間による差は無い。現状のSBM iPhoneからの比較であれば単純にパケット通信料及び月々割の差額がそのままコストアップ分に響いてきており、一応その差は1000円以下に収まっている。LTEというとエリアの問題が有り、実質的に3Gの値上げになるのだが、まあiPhoneという機種の持つ価値と、テザリングオプション代だと思えば納得できなくもない幅に収まっている。

◎問題はXiだ。基本使用料部分はSBMより安いにも関わらず、通話時間が伸びるにつれとんでもない金額になってくる。これはドコモと他の通話料金及び割引サービスの差がモロに出ており、実はドコモの通話料割引サービスは他キャリア・固定電話に対する通話に対しては「一切適用されず」、30秒21円の高額なレートが保持されてしまうのだ。auとSBMは基本使用料はドコモより高いものの、減免サービスなしでも特定時間内のキャリア内通話無料があり、割引サービスを組み込むと通話レート自体が半減されるのだ。
10.5円/30秒と言うレートはドコモのFomaプランで言えばタイプL相当であり、相当のヘビーユーザーでなければ受けられない安価なレートなのだ。

◎この計算の前提は自社間通話を30%と見積もったが、実際の所家族間通話ぐらいしか、キャリアを明示的に指定できる通話は無い。学生なら友達にかけるし、仕事していれば仕事先や得意先に電話することもあるだろう。これらの「日常の電話」に対し、常に30秒21円の超高額レートを請求するのがドコモのやり方なのである。
ドコモの高品質回線かつLTEなのだから高額なので当たり前だろうという意見もあろうが、競合するのがSBMだけならその理屈も判る。しかし今回、auすらもSBMの価格水準に合わせてきたのだ。この時点でその意見は意味を無くす。私がSXを諦めた理由「こんなもの電話に使えない」が改めて証明される形となった。(ちなみに2時間通話すると、Foma比で約3000円も高くつく)

◎ドコモは「ナントカ5」とか嘯いている前に、自分達の傲慢さを恥じたらどうだろうか。

2012/09/25

【Gadget】Xperia Ray購入

◎久しぶりの更新ネタ。ドコモ携帯電話をSH-04A→Xperia Ray(SC-03C)に買い替えた。わざわざ1年落ちの端末を新品購入したのだが、値崩れしてたりポイントつけたりでなんだかんだで3万円していない。この機種に落ち着くまでにはいろいろと紆余曲折があったのだ…

◎普段iPhoneを通信+プライベート電話で使っている私にとって、ドコモの回線は仕事用回線(仕事場にはドコモの電話番号は公表している)と、東日本大震災の教訓としての回線信頼性確保(緊急地震速報含む)である。そのためiPhone購入以後は一切のパケット通信用途を封印し、パケホーダイダブル最低金額390円での運用を続けてきた。要するに「携帯する電話」への先祖帰りをさせたのだが、その用途で使うにはSH-04Aは重過ぎた。iPhoneを買った冬から春にかけては気にならなかったが、薄着になる夏場に大型端末の2台持ちはしんどい。携帯電話の重みでカーゴパンツがズリ落ちて来る位だ。

◎そこへ来て、2012年夏モデルのXperia SXの登場。かねてより「小型・シンプルデザインのワンボディ端末こそが携帯端末の理想型」と力説している私にとっては限りなく理想型に近い端末だったのだが、残念ながらSXはXi端末。3Gでの購入・契約も出来なくはないが、その場合は一切の割引を外されて正価で買わされる羽目になる。 電話としてしか使わない端末に6万円も出せるかヴォケ! ということでSXはあえなく選外。
その他SH-07Dや、古いところでP-01Dまで候補に入れたがコレといって欲しいという意欲が湧かず、結局デザインの良さと軽量さでXperia Rayを選択した、というわけだ。

◎で、Ray。そもそもスマホとしての使い勝手を全く考慮しないで、ガラケとかスマホとか関係なく「持ち歩く電話」として考えた場合、これほど良い端末も無いと思う。とにかく小さくて薄くて軽いので全く邪魔にならず、手のひらにすっぽり収まってむしろ使っていて小気味良い。あと、電池が異様に保つ。 大半の時間が待ち受けでちょこちょこ電話したり寝る前にtwitterをちょっとやったり家事の合間にネトラジを(Wi-Fiで)かけたりしている分には、3日ぐらい電池が保ってしまうw SH-04Aでも電話以外の用途を全部殺したら1週間程電池が保ったが、まさかスマホでここまで保つとは思わなかった。iPhoneだと1日かそこらで電池が尽きる事を考えると驚異的。

◎ただ一方でスマートフォンとして見た場合は不満点がいっぱいある、というか私の場合スマホのリファレンスがiPhoneなので、劣る部分ばかり目立つ。画面の小ささ故の文字入力のやりづらさ(特にqwerty配列は苦行に近い)もそうだが、最大はプロセサ及ワークRAMの少なさに起因する動作の遅さ。カメラの起動で5秒位待たされたり、SPモードの切替でウンともスンとも言わなくなるのは日常茶飯事。設定アプリが過負荷でクラッシュしたのは笑うしか無かった。

◎あとは内臓ストレージの少なさと、その割に外す事が出来ないプリインストアプリの多さも気になった。他のスマホに比べればかなりプリインストアプリの量は良心的なのだが、それでもまずやる事は絶対使わないプリインストアプリの削除祭りだ。というか削除出来るものはまだ良いが、root取らないと削除もSDカードへの移動も出来ないアプリも非常に多い、くせに初期状態で200M近くストレージを食われている。300Mしか無いのに…まだ、「Xperiaとしての独自性」を出す為のソニー関連アプリは許せるが、マクドナルドとかミクシーとかフェイスブックとか、意味が判らない。このあたりの「端末にぶち込まれた機能でユーザーの目線を誘導しようとする」国産IT機器の悪癖はいつ解消されるのだろうか。

◎総じて言うと、持ち歩く「アイテム」として考えるならiPhoneが最高峰だろうが、電話という「ツール」として考えるならiPhone以上の端末かもしれない。服を着飾ったり美味しいものを食べたりする「楽しみ」…「ハレ」の為にはiPhoneを選ぶが、日常の生活と言う「ケ」の側面で、可搬性や信頼性(回線品質や連続稼働時間)、使い勝手といった「ツールとしての要求項目」をきっちり満たしているし、それがたまたまガラケでなくスマホだったから「日常の延長で必要とするアプリも動かせる」「日常の延長に必要無い機能は省ける」という付加価値もある。そういう意味では非常に満足の行く端末である。