2012/01/08

【Music Works】MainStage

◎先月の話なのだが、App Storeでの価格破壊を機にLogic Pro9とMainStage2を導入。ついに最上位DAWを手にした…のはいいが、曲のネタも枯渇した状態でLogicの使い道は(現時点では)無く、変わって新機軸のMainStageでいろいろ遊んでみた。

◎で、そのMainStage、商品紹介ページを見てもイマイチどういうソフトなのかピンと来ないが、ハードウェア・シンセサイザーにおける「パフォーマンスモード」的動作をしてくれるソフトだと思えば良い。
シンセのパフォーマンスモードが複数の音色を同時に立ち上げてレイヤーにしたりスプリットにしたり出来るのと同じように、MainStageではその管理下にある音源・オーディオ入力を同時使用する事ができ、ソフトシンセとハードシンセのレイヤーサウンドを作ったり、キーボードとヴォーカルトラックの弾き語りセットを作ったり、ルーパーを組み込んだり、ギターインプットとバッキングトラック(カラオケ)を並べてひとりパフォーマンスをしたり…といったことが自在に可能。 これらの設定を「パッチ」という単位で管理し、Mac上から、あるいは外部MIDIコントローラからのプログラムチェンジで切り替えていく事で、まるでシンセの音色変更のように音源設定を切り替えていく事が出来る。これらをライブにおける曲/場面毎の音色設定として使用する事も出来るし、単純にお気に入り音色のライブラリアンとして使うという手もある。(私はそっちがメイン)

◎そして画面上にノブやスライダー、メーターといったオブジェクトを配置し、これらのアサインメントを設定する事で、「外部MIDIコントローラ、もしくは画面内のコントローラから、各音源のコントロールが可能」になる。 このアサインメントがかなり柔軟で、コントロールソースは外部MIDIのあらゆるMIDIメッセージ、コントロール対象はLogicでのオートメーションに対応した全てのパラメータを操作できる。 勿論外部音源へのMIDIメッセージ(コントロールチェンジ、プログラムチェンジ等)への送出も可能だ。またそれらの番号を「揃える」必要も無く、音源/デバイス側の設定を一切変更する事無く、MainStageの中だけで入出力のトランスレーションが出来る。

◎個人的に「これはいい!」と思ったのがExternal Instrumentsプラグイン経由での外部MIDI音源のドライブ。ウチの環境で言えば、S90XSのアウトをオーディオI/Fに繋ぎ、オーディオI/Fのダイレクトモニターを切る。こうすると、少なくともMainStageで制御する分には、ソフト音源とハード音源の境が無くなる。同時使用も可能なので、S90XSとES2のパッドでピアノ+パッド音色を作ったり、S90XSのアコピ+FS1RのDXエレピのレイヤーサウンド等自由自在に作れる。またパッチ呼び出し時にプログラムチェンジ送出+コントローラの初期値を一括送出するので、音源側のリセット操作すら不要、音が出ている実体がどこなのかを全く意識することなく一元的に把握できる。

◎従来これらの動作をDAWでやろうとするとかなり複雑なセッティングが必要だったが、音楽制作を目的としない「パフォーマンスモード」の概念を持ち込んだ事で、演奏・音色管理における利便性が飛躍的に高まっている。 副次的効果として、曲のアイデア出しとして「何となく音を出す」時にも、その為のデフォルトセッティングをパッチで管理しておける分、DAWでアイデア出しをするより使い勝手が良い。音源ハブとしての動作/設定の軽快さも相まって、ライブパフォーマンスをする人しない人に関わらず、「楽器」を持っている人は手にして損は無いソフトだと思う。

◎一応難点としては、Logicより使用条件がキツい(レイテンシを大きく取る事が出来ない)為、同一の設定でもLogicよりCPUパワーを食う事と、Lionのフルスクリーンモードとの相性が良くないのか、レイアウトモード(画面上にコントローラを配置するモード)でおかしな挙動を示す事が有る事か。

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