【Column】技術者こその視野狭窄
◎ちょっと前のネタですが。
痛いニュース:“プレステの父”久夛良木氏「利益伸びないと『2ちゃんねる』で叩かれ、やりたいことができない」「少し先を行き過ぎたかも」
◎クタたん的には、PS3の販売が伸び悩んでる(つーか売れてない)要因を次のように分析してますね。
「少し先を行き過ぎたかもしれない」とする一方で、「日本の電機メーカーは進化が止まっている印象がある。グーグルやマイクロソフトなどパソコンの世界も同じだ」といらだちを見せた。ここらへんにクタたんの「技術者であるからこその限界」が見えている。 それは端的に言えば「ユーザがそれを望んだかどうか」と言うマーケティングの点である。
◎結果論ではあるが、PS3は価格もそうだがそれ以上に「それを買う事で何が得られるのか」が明確にならなかった。 発売前の時期から「ゲーム機ではない」とクタ節を炸裂させてきた一方で、ではPS3はゲーム機以外の何なのか、は当時も今も良くわからない。
ユーザは「先進機能」を求めているのではなく、「価値あるコンテンツ」を求めているだけで、そのコンテンツを具現化する為には必ずしも先進機能は必要ないのだ。 そのわかりやすい例がWiiである。
◎さらにクタたんの「マーケティング観不足」はここにも現れている。
投資ファンドが常にエグジット(資金回収)を求め、利益の伸びが少し鈍ると株は売り浴びせられ、『2ちゃんねる』でたたかれる。やりたいことができない」という現実があると指摘、「若い人も株式公開など小さなサクセスで満足してしまう」と苦言を呈した。いやいや、企業の為にカネ出してくれたファンドが資金回収を求めるのは資本主義において当然の市場原理でしょうよ。 会社の資本や予算が、「自分達がこれまでに稼ぎだした金」で賄われているとでもお思いなのだろうか。
◎自分も技術畑の端くれだけに時々自省するのだが、「技術者の理想論」は殆どの場合、「良いモノ」にはなっても、「良い製品(商品)」にはならない。 何故なら技術者の理想はヒト・モノ・カネのリソース要求が際限なく高く、またそのアウトプットはQCDのバランスが著しく偏ってしまう。(殆どの場合、過剰なまでのQ重視、CD軽視となる)
でも実際の所、「国家レベルの研究機関」でも無い限り、アウトプットに使える予算には限りがある。 企業内の製品開発行為なら尚更だ。
限りあるインプットリソースで、QCDのアウトプットレベルのいずれも高め、マーケティングの軌道に乗せる…これは、極論「技術者の理想論」とは正反対の論理なのだ。
◎技術畑出身のクタたんの視野には、それらの論理が視野に入らなかった。 まさに「技術者の視野狭窄」と言えるだろう。
極端、クタたんはSCEの社長やら会長などではなく、Cellの研究開発プロジェクトリーダーとか、PS3のデバイス開発チーフとか、そういうポジションに収まっていれば良かったのかもしれない。
まあ、WalkmanやVAIOなどの事業でも微妙にコケ気味なSONYに、まともなマーケティングの指揮を執れる(言い方を変えれば,マーケティングの為に辣腕を振るえる)人材が存在するのか,疑問な所ではあるけれど…
※余談。
ゲーム機には殆ど興味がない私だが、今ゲーム機を買うとしたらXbox360かな…
どうせMSが作ってるんだから,フライトシミュレータゲーム出してくれないかな。 そしたら買うw
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