2010/03/29

【Sound Works】スモール・ニアフィールドモニタ

◎譜面台を買いに行ったついでに、少し前に相談を受けていたニアフィールドモニタの試聴をしてきた。
相手方のリクエストはPCのスピーカにも使える、小音量でもちゃんと聞けるもので、DTMをやる訳ではないのでそこまで大型のものは不要…となると、民生用RCAを備えた小型のニアフィールドということになる。(例えば私のMSP5(旧型)位のサイズでは大きすぎるし、RCAも装備してない)以前ならこーいう用途はSONY SMS-1Pが鉄板だったのだが、今のモデルではどうなのだろう。

◎予算等も考えると(予算の提示は無いのだが)下記モデルを候補として試聴。サイズ的にはGENELECにもこの程度のものはあるが高過ぎるので除外。
YAMAHA MSP3
FOSTEX PM0.4
TASCAM VL-M3
Roland(Cakewalk) MA-15D
Studiophile AV40
このあたりのモデルはどれもシングルアンプのチャンデバ構成で、出力もせいぜい20W程度である。

◎まずダメなほうから行くとTASCAM VL-M3とRoland MA-15D。 VL-M3はやはりキャビネットが小さ過ぎて、低域不足の上中域のハコ鳴りが酷くて定位を全然掴めない。 リスニング用途ならともかく(私ならリスニングでもダメだが)、モニターとしてこれは使い物にならない。 ペア1万円切ってるのが唯一の救いか…
そこへ行くともっとダメなのは更に価格の高いMA-15Dか。 EDIROLのスピーカーは昔からオモチャに毛が生えた程度という認識だが、その傾向は相変わらず変わっていない。 安物バスレフ特有のバフンバフンとした低域はどうにかならんのか。 まるで90年代のバブルラジカセの音である。

◎その点流石にStudiophole AV40はヘンな共鳴も無く結構素直に鳴ってくれる。 ていうかむしろニアフィールドの小音量再生で共鳴してしまう時点でおかしいのだが…ただ全体的に音像がぼやけて聞こえるのと、微妙に高域に元気が無い。 最初は指向性の問題かと思ったがリスニングポイントをズラしてもそれほど変化が無い。 逆に言えばどう置いてもそこそこの鳴り方は期待出来るってことで、ニアフィールドモニタの「どう置かれるか解らない」と言う弱点に対する一つのアプローチかもしれない。

◎そしてFostexのPM0.4とMSP3。 今回聞いた中ではやはりこの2本がトップに来る。 どちらも解像度・定位感ともに良好で、小音量ならワンランク上のバイアンプタイプにも負けない。 その中で差をつけるとすれば、全体的な締まりはMSP、低域・高域の伸びはPM0.4に軍配が上がる、といった感じ。 私自身はMSPを押したい(笑)が、MSPの低域は100Hzぐらいの所に少しピークを感じるのと、上位モデル同様に指向性がシビアで、少しでもポイントを外れると高域の元気がなくなる特性がある。
ただバッチリはまれば相変わらず「目を閉じて目の前の音を掴み取りたくなる」程の明解な定位感がある。 PM0.4は若干ぼやけて聞こえる。 まあそれでも及第点だし、MSPの音は善くも悪くも「味気なさ過ぎる」ので、聞いていて楽しいのはむしろPM0.4のほうかもしれない。
価格を考えればPM0.4はたいしたものだと思う。(ペア2万切ってる)

◎ちなみにおまけで今回MSP5 StudioとHS50Mも聞き比べてみたが、この比較がまたMSP3vsPM0.4のようで面白かった。 HSの音は初めて聞いたが、MSPほどガチガチでなく、少しぼやけた様な音像で、聞き疲れしなさそう。MSP5クラスのミドルレンジ・ニアフィールドで汎用性のあるスピーカーが欲しければ、HSもアリだね。 私はMSPの音が好きだけどw

0 件のコメント: