2008/08/18

【Diary】オーディオインターフェース

◎実はこの夏休みを利用して先日のCD作りから得られたノウハウをまとめて「CD作りのハウトゥ特集」みたいなテキストを起こそうとしていたのだが、いきなり挫折してしまったw
と言うのも、最初に「必要な機材・環境」を書こうとして、その後の展開…実際のレコーディング時のワイヤリングやミキサーオペレートの領域…を考えた際に、「環境を限定出来ない」と言う壁にぶち当たってしまったのである。

◎実の所、レコーディング(ミックスダウン段階前の、まさに「録り」の段階では、ドラムレコーディングやバンド一発録音のような多ソース同時録音状況でのミキサーのオペレーション手法と、その基礎としての「レコーディングミキサーの構造と役割」が非常に重要になってくる。(※1)
で、それらの話をするにあたって自分が愛用しているAW4416のようなミキサー一体型HDRは言うに及ばず、DAWとの併用にしてもYAMAHA n12Mackie Onyx1640+FireWireI/Oのようなミキサー一体型オーディオインターフェースならミキサー部はまさに「ミキサー」なので話が速い。

◎問題は最近のオーディオインターフェースの主流、ブレークアウトボックス型だ。ああいうのは基本的に「PCへの入力端子」と「PCからの出力端子」、あとは入力の信号をダイレクトモニターで出力端子に送るのがメイン機能(YAMAHAやEDIROLから売ってる様なオーディオインターフェースはどれもこれ)なので、ヴォーカルやギター等の単一ソースを録るには良いが、多チャンネル録音では必須の「モニターミックス作り」ができないのではないか? と言う疑問だ。

◎具体例を出そう。 ドラム+ベース+ギターのレコーディングだ。
ドラムは4本から8本ぐらいのマイクを立てて一気に録音するのだが、プリアンプで増幅された信号はオーディオインターフェースからPCに送られるので録音は出来る。 しかしそれだけでは各演奏者は別のメンバーの音声が聞こえないのでオーディオインターフェースから音声を返す必要があるが、レコ−ダーを経由した信号ではレイテンシーが出て使い物にならないし、ダイレクトモニター経由で返すと途中でミキサーを経由せず、全部の音声がそのまま最大音量で混ぜ合わされて「ギターやハイハットが聞こえない」と言う状況が発生してしまう。

◎先述のAWやOnyxはオーディオインターフェースの前段にミキサーがあり、 入力された信号が途中で分岐してレコーダーに送られるのでこの問題は無い。 同様にオーディオインターフェースの前段にダイレクトアウトを持つミキサーを置いても良いが、これだと出費がでかいし、オーディオインターフェース側にプリアンプを備える必要も無く、はっきりいって本末転倒だ。 ではどうすればいいんだ…?

◎少し調べてみると、最近の多チャンネルオーディオインターフェース…MOTU 828mk3m-audio ProFire2626Focusrite Saffire Proはオーディオインターフェース自体にDSPを積み、「デジタルミキサー+オーディオインターフェース」として機能する様になっているようだ。
なるほどこれなら内部デジタルミキサーでレコーダ送りとは独立したモニターミックスは作れる…が、操作がPCだ。

◎言っちゃ悪いがレコーディング現場、特にオーバーダブをするような状況でのミキシングオペレーションはかなり多忙を極める。 楽器ソースとレコーダーモニター双方のルーティングを頻繁に切り替え、各演奏者から飛んでくる「アレが小さい」「コレが大きい」の要求にハイハイ答えながらモニターミックスを作り、モニター返し信号とレコーダーキュー信号をひっきりなしに切り替えながらサウンドチェックをし…と、とてもじゃないが「PC画面で、マウスとキーボード」でオペレーションが追いつく様な代物じゃない。
ミックスダウン工程ではコントロールサーフェースが使えるが、まさかコントロールサーフェースの側もいちいち個別のオーディオI/F付属ソフトにまで対応してないし…
使ってみた訳ではないのだが、AWでのレコーディングで結構しんどい思いをしたのに、PCのUIであの作業効率が実現できるのか?
甚だしく、疑問である。

◎結局、「01V96+mLAN16」が最強になってしまうのだろうか…
しかし、このエントリ書いてたら上でも紹介したFocuslite Saffire Pro 24I/O、欲しくなってきた…w Focusriteブランドのマイクプリアンプ8機搭載で10万以下は、安いと思うんだけど…

※1:レコーディングミキサーの構成・役割については、ottotto,comのこの記事が詳しい。 それでもある程度前提知識が要るが…

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