2007/08/16

【Diary】他人のせい

◎米国サブプライム・モーゲージから端を発する世界株安が地球を2週ぐらい回っている状況だが、そんなこととは無関係(でもないが)にヤバげな韓国経済から、こんな論評が飛び出した。
東亜日報:「円キャリー・トレードの急激な回収は、通貨危機を促しかねない」

権五奎(クォン・オギュ)副首相兼財政経済部(財経部)長官は14日、「予期せぬショックで、円キャリー・トレードの投資資金が急激に回収されれば、1997年の通貨危機のような大きな混乱に見舞われる可能性がある」と語った。

…円キャリでの短期外債を自分でバカスカ積み上げて、それをマトモに運用するどころか不動産投機なんかに突っ込んでおいて何を言っているんだ…と言う感じがしないでも無い。

◎確かに、前回のバブル記事では触れなかったが、韓国経済がバブルの様相を呈するもう一つの要因として、この「低金利故にほぼ無尽蔵に融資を受けられる」円キャリーによる金余り現象がありはするが、その融資を何に突っ込むかは韓国自身が選択するものであり、実体経済に還元される投資(たとえば企業の設備投資)ならともかく、バブルの象徴たる不動産投機に突っ込んだりしている時点で、資金源が円キャリーだろうと何だろうと、自分でバブルを膨らませている、と言うしかあるまい。
(勿論、短期の債務であるが故にリターンが長期化する設備投資に資金を突っ込めなかったと言うジレンマもあるにはあるだろうが…)

◎もっと度肝を抜いたのが以下のコメント。
1997年11月、日本の各銀行が韓国に融資した大規模な資金を一気に回収し、非日系銀行の資金回収にまで影響を及ぼした結果、韓国の通貨危機の発生を促す主な要因となったと説明した。

おいおい… アジア経済危機までもが日本の金融機関のせいと仰りますか。

◎私が意地悪なだけかもしれないが、このコメントは「韓国経済がウォン安に触れても、資金は引き上げないで一緒に泥舟に乗ってね」と言っているようにしか聞こえない。 しかし、下落すると判っている金融市場にそれでも金を突っ込む金融機関や投資家が居たら見てみたい。 市場が下落すれば資金が逃避する、それはあたりまえの現象である。
そういうものに対するリスクヘッジがうまく行っていない、と言う事が、どうも韓国経済界(というより政治レベル?)には見えていないらしい。
果たしてこの先、どうなるのやら。

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