2007/07/04

【Diary】長時間労働

◎今日の話題はかなりカタいので、「面白くな〜い」という人は読み飛ばして下さい …って書いたら余計読まれそうだなw

◎会社でとある案内が回ってきたので見ると、
「残業を無くす為にどのような取り組みが考えられるかまとめて提出してください」
どうもこれ、各部署の超過残業常習者に当てて、某経営陣のヒトが直々に始めたモノらしい。
たまたま私はその日外出していたので担当を外れたのだが…

◎もうこのテーマ、テーマからしておかしいと言う事に何で気がつかないのか疑問。
問題点とするべきは「長時間労働をしなくても会社の業績を維持する、あるいは向上させるにはどうすればいいか」ではないのだろうか。
残業は単なる結果であり、「残業を減らす」のは手段でしか無く、「目的」ではない。
「残業を減らす,無くす」ことが目的なら,残業禁止にして、残業手当廃止して、定時を回ったら建物の電源を落とせばよろしい。
バカでも出来る話である。

◎テーマからしておかしいから、回答もどんどんおかしくなる。 別ルートで入手した他部署の回答を見てみると
「毎日残業申請書の提出を義務づける」
「上司が率先して先に帰る」
挙句の果てには「残業をしなければ行けないと言う職場の空気を改める」 …そうじゃないだろうと。
残業申請を義務化しようが上司が帰ろうがやる人はやるしやらない人はやらない。 職場の空気を改めようったって、自分の意志で残業している人には何の効果もないし、「雰囲気」とか「風土」とか、そんなシステム化もルール化もされない概念で職場が左右されるなら苦労はしない。そして何よりこれらの考え方は「残業をやる人は悪,やらせる管理側も悪」という考え方から全く脱していない,実に情緒的な発想でしかない。

◎私が何を言っても残業常習者の言い訳なのだろうが、ある種「残業」はその人の責任感の現れであると思う。 少なくとも、連日大残業を重ねる人は、好き好んで残業してる訳でも、無駄に時間を過ごしている訳でもない…と思う。
おそらくは殆どの場合、案件の納期が迫っているパターンだろう。 それを放棄せず残業と言う形で穴埋めするのは、とりあえず「責任感から来る行動」として評価されてしかるべきだろうし、それを杓子定規にマクロ視点から「悪」と断ずるのはちょっと違うだろう。

◎ましてや家庭がどうだとか人生の楽しみがどうだとか、そういう次元の話になってくるともう空いた口が塞がらない。
残業を減らすっつー話自体,別に会社は従業員の生活がどうとか尊厳がどうとかじゃなくて、単に経費を減らしたいだけ。
残業を減らすことを目的として,それに対する手段を講じて,結果的に組織としてのアウトプットの質や量が低下したら、それこそその手段は組織…少なくとも会社レベルとしては明らかなる失政でしょ。
「組織に属する以上、組織の目標や信念は個人のそれより優先される」と言うのが組織の第一義じゃないのかと。
そんな事も判らないテーマ選定と,それに対する回答の数々… 心底呆れてしまった。

◎どうせやるなら、例えば
1)トップダウンの視点から「その組織が生み出す付加価値や売上・利益」のうち、属する個々人ごとの分布と残業時間の相関を指数化して、それを平滑化するようにバランシングする
2)ボトムアップの視点から今自分が抱えている業務をテーマ→手段→アウトプット、の順で視覚化(でかい模造紙にポストイットで項目を並べて行くとか)して、それを全員分ズラッと並べて検証や再配置を行いながら最終的なアウトプットが変化がないこと、あるいは新しいアウトプット(=付加価値)が生み出せているかを確認して行く
…とかいう方法があるんじゃないんですかね。
アウトプットを落とさず,あるいは増やしながら業務を最適化する、というテーマなら,こういう「バランシング」の視点が必要不可欠だと思うんですが、冒頭の様な表題ではこういう意見は多分出てこないでしょ。

◎もちろんこれは「私が経験した職種の中で通用する手段の一つ」でしかなく、同じ会社の中でも種々の業務形態があるし、まして私がしらない業界ならもっとやれる事の可能性も手段も違ってくる筈。
そういう事を一切考えないまま、ただ「残業を減らすには…」なんてな、目的と手段を混同したアホなテーマを立てても何ら意味が無いと私は思う訳です。
まあ、経営がアホなのではなく、そこから中間管理職を伝言ゲームしているうちにそうなったんだと思いたいんですが…

0 件のコメント: