2007/07/09

【Diary】品質保証

ITPro:マイクロソフトが新経営方針、「品質向上に最優先で取り組む」

マイクロソフト自身も「現状は製品やサービスの担当部署ごとに品質保証部門が分散している」。これを改めるため、組織横断的に品質保証を手がける「バーチャル組織」を設けるという。

◎今まで無かったのかよ! と突っ込みを入れてしまった… M$程多角経営、かつそのいずれもにブランドイメージを強固に持つ企業もそう多く無いと思うのだが…
顧客に取ってみればOSが飛ぼうが鯖がいかれようがOfficeが言う事聞かなかろうが「MSに対する負のイメージ」を抱く。 ブランド価値が大きな企業程、その点を重要視して、横断的な「ブランド保護としての品質保証の事業化」をするものだと思ってたのだが。 私が理想主義的過ぎたのだろうか。

◎とはいえこれは喜ぶべき事…かと思っていたが、
具体的な活動としては、製品のバグを開発段階で米本社にフィードバックする体制の強化、マイクロソフト製品を使ったミッションクリティカル・システムの構築に関するガイドラインの整備や技術トレーニング、稼働後に品質問題が見つかった場合の対応を迅速化すること、などを挙げた。
うーん、どうもどれも顧客の側に向いた指標に見えない上、「稼働後の品質問題対応の迅速化」が記事の最後に来ているのがど〜にも気になる。去年の各種パッチにまつわるグダグダっぷりを見ていると、いの一番にやるべきは「品質問題対応の迅速化、及び確実性の向上」、そして何より「稼働前開発段階での信頼性向上」じゃないのかな。 特に記事全体を見回しても「信頼性向上」に関する記載が見当たらないのが気になった。(プレス自体を見てないので、断定はできないけど)

◎また、M$の謳う「品質」が、どのレベルに向いたものなのかもちょっと気になる。 何せM$の手がける事業はフロントエンド端末から、総合的なカスタマイズソリューションまで幅広い。 そしてそれぞれの分野において、求められる「品質の定義」は明らかに違う。
カスタマー自身の保守管理が前提で、かつ商品自身にも品質維持の為のプログラムが「込み」で商売となるソリューションビジネスの場合、信頼性よりも重視すべきは対応の迅速性と正確性、そして種々の変化に対応出来るアフターサービス柔軟性で、製品そのものの信頼性は「冗長処理等の手段を講じている限り」それほど重要視はされない。
一方でフロントエンドの場合、何よりもまず重要視されるのは「製品出荷段階での信頼性・堅牢性」である。 と言うよりアフターサービスは付加的なものでしかない。 勿論「種々の変化に対応する」製品の柔軟性は求められるが、それをユーザーに意識させず、専門知識も必要とされないレベルのものでなければならない…本来は。

◎手がける製品の範囲が手広ければ手広いほど、製品に求められる「品質」は多種になり、またそのプライオリティも顧客レベルに応じて変化してくる。 一方でそれらは全て「M$のブランドイメージ」と言う単一のものに集約される。
M$の品質統括組織が、この「相反する二つの品質指標」をどう両立させるか、ちょっと興味のわく所である。

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