2007/12/20

【Research】サンタクロースの飛行速度

◎Wikipedia:北アメリカ航空宇宙防衛司令部#ノーラッド・トラックス・サンタによると、

2006年の日本地域の中継により、新幹線や富士山と比較し速度検証した結果、サンタクロースの速度は新幹線の100倍と言及している。
そうだ。
新幹線の100倍と言うと、単純計算で時速3万km…マッハ24.5だ。 相当高速だが、ふとした疑問が湧いた。

遅すぎないか?

考えても見れば、地球1周で約4万km。 24時間ぶっ通しで極方向にUターンしながら飛んだとしても、北極〜南極間を36往復しかできない。 とてもでは無いがこれでは世界の「よい子」にプレゼントを配って回る、なんてできやしない。
では、どの程度の速度があれば世界中の「よい子」にプレゼントを配って回れるのか、考えてみた。

◎まずサンタの飛行経路だが、これは前述のように極方向にUターンしながら飛行経路を赤道方向にずらして行って地表を南北に往復スキャンして行くのがもっとも効率が良い。 一番良いのは衛星軌道だが、これだと昼間の地域を飛行してしまう。
そうなると1スキャンあたりの飛行距離は地球円周の半分なので、2万kmである。
次にスキャンする走査線の間隔だが、これは人口密度を考慮しなければならない。 サンタが空中からプレゼントを散布する(本当は煙突から侵入するんだけど、それだと加減速の計算も必要なのでパス)としても、人口密集地における「よい子」の分布をカバー出来る間隔で飛ばないと、プレゼントの配りこぼしが出てしまうし、だからといって密度が高過ぎると飛行速度が必要以上に上がってしまい、かつプレゼントの配布をしない時間が増えて効率が悪い。

◎地球上の人口密集地帯…と言うか都市部は、北半球も南半球もだいたい緯度20°〜40°あたりの地域に分布している。(ちなみに東京は北緯35°) このことから、この範囲で最も赤道方向の円周が長い北緯(南緯)20°での間隔を求めれば良い。 間隔をどの程度に設定するかは難しいが、まあ住宅の間隔と、1件の住宅内にいる「よい子」たちのベッドの間隔(兄と弟、とか)を考慮して、ここはざっくり15mと仮定しよう。
地球の半径は約6,370km(1周4万kmの球体と過程)と置くと、北緯20°地点での赤道方向半径は
(地球の半径×Cos20°)×2×π
となり、計算すると約37,610km。 これを15mで割れば走査線本数が出る。
その数,2,507,343.6本。

◎ここまでくればサンタの速度は求まる。 サンタが常に世界各国の夜…と言うか一定時間で活動するには、上記の走査を24時間で行えば良い。 走査線1本あたりの距離は地球円周の半分なので2万kmだ。 よってサンタの速度は
(走査線本数×走査線1本あたりの距離)/24時間
である。
計算すると…2,089,453,026.1km/h。 時速20億km…ケタが余りにも多過ぎて実感が湧かないが、身近な所で光速と比較してみよう。
光の速度…299 792 458 m / s→1,079,252,848.8km/h。
サンタの速度…2,089,453,026.1km/h

なんと、光速の約2倍である。 いくらサンタが伝承上の存在だとは言っても、3次元世界の存在が光速を突破するのは問題が有る。
上記の計算をひっくり返して光速から走査線間隔を求めると29.7m。 まあこれぐらいの間隔でも「よい子」のカバーには問題は無さそう(片側15m…約2車線分の幅で蛇行すれば良い)なので、とりあえず「サンタの飛行速度≒光速度」と見て、間違い無さそうだ。

◎サンタの速度が光速に限りなく近いと仮定すれば、さまざまな問題が解決する。 サンタが何年も年を食わないのも、光速に限りなく近い速度で運動する事に依って相対的な時間のズレが発生しているものであると考えられるし、我々がサンタの飛行状態を認識出来るのは,,光速で地球表面の走査を繰り返すサンタが定点を通過する際の横方向のズレを残像として画像認識している(ちょうど、アニメーションの要領)であると考えられる。
ちなみにこの際のサンタの速度は緯度によっても異なるが、北緯20°地点で(6370×Cos20×2×π)/24で、時速1567km。 マッハ1.27と、もとからすれば相当ゆっくりした速度になる。
勿論これはサンタの飛行方向に向かって垂直に観測した際の速度なので、角度がつけば速度は速くなり、NORADの言うマッハ24にも近づいてくる。

◎週末はクリスマスイブだが、ふと夜空を見上げて,自分の真上を光の速度で飛行するサンタに思いを馳せるのも,メルヘンで良いのではないだろうか。 運が良ければ,マッハ1〜2近辺で飛行しているように見えるサンタの姿が見えるかも知れない。

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