2007/12/26

【Sound Works】久々の機材レビュー

◎で、久々に楽器屋で見てきた・触ってきた機材のレポ。 と言っても卓・レコーダ関係が中心だけど。


◎YAMAHA AW2400…以前にもレポッたことがあるが、出張録音も含めて対応出来るHDRと言う事で再度確認をしてみた。
まあ、やはり前回と同じで「操作系がPA機材の思想からLM・DTM機材の思想に変わった」と言う所は同じなのだが、更に前回から気になった点として、カーソル・エンター・ジョグダイヤルの位置関係が非常に気になった。 ブッちゃけた言い方をすると使いにくいのだ。 AW4416の配置と見比べると判るのだが、4416はこれがかなり絶妙な位置に配置されていて、locateキーの右側に右手のひらを置くと、親指のちょうどいい位置にEnterが来る。 一方で2400は手を置く場所が無く、カーソルとEnterの距離も微妙に遠い。 どちらもかなり多用するキーなので、極力ここから右手は動かしたく無いのだが…

◎で、それは右手に限った話だけではない。 AWはフェーダーを触っていない時は「左手でモード・レイヤー切り替え、右手でロケートおよびパラメーターセレクト」と言う使い方が出来たが、2400は特にモード切り替えや表示切り替え関係のキーが左右に分散されていて扱いづらく、前回も書いたようにチャンネルファンクションセッティングを一括で見る画面も無い。 うーん、慣れの問題だとは思うけど、ちょっと人に勧められるシロモノじゃないなぁ…と言うのが正直な所。 スペック的素性は悪く無いだけにちょっと残念。

◎kORG D888…何気に実物を見るのは今回が初めて。(以前レポってる のにね) 第一印象はとにかく小さい事。 8trHDR内蔵卓としては驚異的なコンパクトさだ。4.3kgと言う軽量さも手伝って,やっぱりコイツは「出張録音機」だと思う。 音質まではチェック出来なかったが何気に8tr全てXLR+ヘッドアンプの構成で、(うちの)AWでは出来ない「マイク音声を全てレコーダー側に立ち上げる」と言うのも問題なく実現出来る。 基本インライン構成のミキサーなので、ライブインプットとレコーダーアウトプットの信号は同じフェーダを通り、なおかつMTR送りはプレフェーダ。 バス等をもたないシンプルなコンパクトミキサーでありながら、モニター関係も含め使い勝手は相当良さそうだ。
イメージとしては「現代版カセットMTR」といった風情。 入出力数さえ気にしなければ入力立ち上げ用センターコンソールとしても使える訳だし、DAWを扱うギタリスト(などの、スタジオ活動が主のミュージシャン)にはもってこいのレコーダーだと思う。


◎YAMAHA n12… 前回少々辛辣に書き過ぎた感じがして、でもまぁ何気に「アナログ(ライク)ミキサー+オーディオインターフェイス、と言うある種新機軸の機材なんで、ちょっと先入観は捨てて真面目にいろいろ触ってみた。
で、感想は「多くを望まなければ,相当使い勝手がいいんじゃないかい?」といったところ。要はこいつを「(ミックスダウン)卓として見る」とショボさが目立つが、「卓一体型オーディオI/F」として見ると、卓が一体であるメリットがいろいろと活きてくる。 と言うのも、n12の卓構成自体が「MTRの前段階での使用」に重点を置いた卓の構成だからだ。

◎具体的に言うと、Soloバス使用レコーディングソロオンリーのSolo構成、モニターミックス専用に割り切ったプレフェーダ固定のAUX、AUXへのリターンも可能なリバーブ、自由度の高いモニターセクション(AWでは不可能な「モニターミックスのモニタリング」も可能)など、実際のレコーディングで「欲しい機能」は一通り揃ってて、それでいてそれらは「良い感じで割り切られて」いるので、細かいセッティングに煩わされる事が無い。
コンプやEQにしても、相変わらず「どういう設定でどこを弄っている」と言うのがイマイチ判らない(笑)ものの、効き自体は悪く無いし、、かけ録り前提で使用するならこれぐらいのアバウトさが却って丁度良い。 ゲートが有ると、更に嬉しいんだけど…
で、それらを通過して12パラ+2Recバス、の14パラで、FireWireオーディオインターフェースの強みがここで出てきている。 実際12パラも一気に録音する状況も少ないので、これはこれで丁度良いのかも。

◎ミックスダウンは相変わらず本線戻りが2trなのと、パラアウトでn12に入れてきた信号のルーティング自由度が低い(外部アウトボードへのセンドをやろうとすると、AUX端子のつなぎかえが必要で、リターンもステレオインプットを使うしか無い)と言う点で,ここはちょっと不満な部分が多い。
ソフトに関してはCubase系は興味が無いので触っていない。 しかしカセットMTRの感覚でn12からトランスポートコントロールできるのは小気味がいい。 トラックコントロール・マーカーコントロール系のキーがCubase以外にも対応していれば最高なのだが。

◎問題はやっぱり16万円と言う価格だ。 ただ、XLR+ヘッドアンプ8系統のオーディオインターフェース、及び16入力(8モノ+4ステレオ+2tr+DAW)・6バス、でモニター系統が充実したミキサーで、レコーダソフトもついていて、事実上48trのMTR、と考えると実は安いのかも知れない。 バンド一発録音とかを考えない宅録専門家ならn8も悪く無さそうだ。(これは12万円)
あとは望む事が有るとすれば
・フィジカルコントロール機能(+ムービングフェーダ)
・各チャンネルへのゲート搭載
・センド/リターンAUXの搭載(アウトボード対応)
・Cubase以外へのDAWへの対応の強化(トランスポート・トラックコントロールセクションの柔軟性強化)
といったところか。

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