【Journey】さぬきうどんツアー2004・その5「たむら」
◎さてここまで3軒回ってだいぶ腹もおきてきましたがツアーは続行。ここまではメジャー3軒を回りましたが次は僕がいろいろ調べて前評判が実に良い「たむら」。 もうここまで来れば土地勘は働くのでナビも必要ない(というか登録されて無い。 つまりメジャーな店じゃないんです)。 山越を出て国道32号に合流。(以前は旧32号で切れていたんですが、32号バイパスまでの道ができてました)。 高松方向に走って陶の交差点を北へ取る。この道をずーっと行くと坂出市に入り、府中湖の脇を抜けて国道11号の府中の立体の近くに出るんですが、目指す「たむら」は陵南町の中の交差点のカド。
◎と言うか「この道の交差点のカド」と言う情報だけを頭の中に入れていたので、とりあえず交差点がわからず適当な道を右に取る…けど、無い。 仕方がなく脇の田んぼ道を突っ切り、もう1本奥の筋に出て県道を目指す。生コン工場を左に見ながら、店があるはず…という地域を探すが、見当たらない。 自販機コーナーを交差点のカドに見ながら直進し、「これは違うな」と車をUターンさせ、もういちどその交差点に着くと…あらー、ありました!! 民家としか思えない建物の正面にごく小さくコカコーラの看板と「たむら」の文字。 これ、看板見落としたら通過します!!
ちなみに自販機コーナーはたむらの店の向い側にあることになり、要するに僕が筋を勘違いしていただけなんですが… これを相方が曰く、「道端に自販機コーナーがある時点で怪しかった」とのこと。 先言ってくれーw
◎さてそんなたむらですが、ここまで巡った店の中ではかなり強烈な部類のロケーション。確かに看板は出てるし、山越で出くわした観光タクシーの連中(僕らが迷っている間に着いたらしい)もいるのでうどん屋だとわかるんですが、もしこのタクシーがいなければ、観光客は絶対素通りするような…一言で言えば「つぶれかけたこ汚い大衆食堂」みたいな店構え。 いや、実際僕もこの道は在学中何度も通ってるんですが、完全に素通りしてました。 だって怪しすぎて(しかも店だとわかるが故に)近づきづらかったんだもーん。
自販機コーナーに車を止めて店に近づくと、先程の観光タクシーが次の店へと出発準備中。よく見ると、「◎◎株式会社ご一行様」…こいつら、平日に社員旅行でうどん屋回ってるのか!!
◎店に入ると4畳半程のスペースにカウンターが取り囲まれており、奥のうどん場でおばちゃんがうどんを洗っている。どないして注文するのかわからずまごついていると常連っぽいおっちゃん登場。ついていけば手順が判るだろうと思ったら、おっちゃん、厨房に乱入!!で、おばちゃん、振り返りもせずに一言。
おば「何すんな」
おっ「小ちょうだい 冷たいんな」
おば「へぇ」言うて、おばちゃんこれまた振り返りもせずサッと小を出してくる。
これはすごい所にキタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━!!。 完璧に製麺所マインドだ。 僕も真似して「小ちょうだい」言うたら、おばちゃんまた振り返りもせず「ぬくいんな、冷たいんな?」いうて訊く。 勿論冷たいほうだ。「つめたいんちょうだい」言うたら後ろ手に「へぇ」言うてステンレス台にうどんを置く。 ええなええなー。 うどんが入っているのはプラスチック製の安っぽい器だ。 ええなええなー この「間に合わせ」な田舎の状況。 こういうの大好き。
さてネギを入れて…あれ? ダシはどこや? と思ったらおばちゃん、僕がまごついているのに気がついたのか「ダシこれな~」いうて振り返って教えてくれた。 なんや、おばちゃん、実はええ人やんw
◎さてうどんを片手にカウンターを抜けて外へ。 立ったままズルっと一口入れると…「!!!」
えー、頭の中、電流が走りました。 固麺系で、角は少し取れているんですが、ピチピチ感というか、鮮度を感じる。 そして舌にも胃にもズシンと来るコシ。宮武をさらに強烈にしたような、ダシが珠玉!! 口にすると、最初はイリコの風味、 そしてほわぁ~んと口の中にカツオの風味が広がる!! すげぇバランス!! 食っていくごとにダシが濁っていくのも、田舎麺の象徴!! うおーこれはすごいもんを食った!! 胃袋が許すなら2~3回はおかわりして食いたい!! マジでうまいです。
ロケーション的にも、日当たり最高の軒先の向こうの自販機コーナーの向こうは完璧に田園風景。 府中湖の山の向こうには、讃岐富士をはじめとした飯山あたりの山々も見える。ええ景色を見ながら珠玉のうどんを食う。 店の怪しさに物怖じしていたら絶対に体験できない。一撃で今回のマイフェイバリット登録。 うおー、俺はこんな店を見逃していたのか~と、ちょっと後悔。
◎さて余韻さめやらぬまま車に戻ろうとすると、常連客らしいおっさんが、人の車の真横で立ちションしよる…こらーおっさん!! 何すんやー!! ま、このおっさんは冷害にしても、ここに来るのは店の周囲の工場のトラックの運ちゃんとか、近所のじーさん、玉売りを買いに来たおばちゃんなど、完全に「周囲の生活文化に溶け込んだ店」なんですわ。 だからこそ逆に一見の観光客が素通りするわけだ…
絵に描いたようなてんとう虫が迎えてくれたりと、ともかく「香川の田舎の風景」がぐぐっと凝縮されたような、桃源郷よろしくの空間でした。
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