2004/09/04

【Journey】さぬきうどんツアー2004・その7「赤坂」

◎さて2日目。 今日は新幹線の都合と、前日のツアーで「こんな系統の麺が食いたい」と言う方向性が出揃ったところで、さらなる穴場を目指す事になりました。 そのまず1件目が相方の「しょうゆうどんが食いたい」というリクエストを考慮して赤坂に決定。 更に相方のツレ(豊中の青年)も合流することになり、集合場所は青年が「大体場所は判る」と言っていたので店の前に決定しました。

◎早朝にホテルを出発。 国道32号線をドンドコ走って陵南町へ。 陶の交差点(右に行くとたむら)を左手前に取ります。 普通に左折するとことでんのガード下に抜ける(旧国道32号線)のですが、実はそこは二股になっていて、細いほうの道(陶駅へ行く道)を行くわけです。するとすぐ旧国道に突き当たる(ちょうど陶病院の目の前あたり)ので、それを右へ。綾川を渡る「大橋」と言う名前の小さい橋wのたもとにある廃屋にしか見えない建物がそれです。
道端には一応「赤坂うどん」と看板が出てますが、橋の袂の道は対向できないレベルでシビア。

◎さて赤坂の店に着いて、私・相方「なんじゃこりゃぁぁぁぁ!!」
そこは完璧にあばら屋でした。 なかむらが改装して少し綺麗になっている分、木造塗り壁で瓦が少しずれて、戸も傾いた赤坂の店の外観は完璧にあばら屋。何世代も前の、塗装が剥げ落ちたようなコカコーラの自動販売機(あの250ml缶がめちゃめちゃ似合うタイプ)が置かれ、店の駐車スペースの奥は粗大ゴミや廃車が雑然と置かれ、廃車の中には自転車が入り、飼い犬が2匹おり、横の川からは自然の香りが漂う… 何なんだここは。 僕らが来た時には近くの大学生風の客が2~3人いたので「営業中だ」と言う事は判りましたが、彼らがいなければ「潰れとる」と勘違いして引き返した事でしょう。

◎ほどなくして豊中の青年も合流。 我々3人は店に入ったわけですが、3人(,,゚д゚)<・・・・ 入った瞬間、私、思考が0.3秒止まりました。 外観のあばら屋っぷりもさることながら、内装もすごい。 「戦時中かここは」と思えるような総木造の内装に、色の剥げ落ちた掲示物が数枚。 店に入るといきなりカウンターですが椅子は無い。 カウンターにはダンボールにぎっしり詰められたミニアルバムと、みんなが住所氏名感想を書いた大学ノートが1冊。奥のほうにうどん場が広がる。 でも、そのうどん場にはステンレスの調理器具が周囲の見た目と全くマッチしないで置いてある。何なんだここは。 ◎奥のほうからえらく愛想のええばーちゃんが「何すんな~ ぬくいんとつめたいんがあるけんな~」とニコニコしながら出てくる。「僕、つめたいん」「私もつめたいん」「僕はぬくいん」と注文すると、セイロから玉を取り出して器に出してくれる。 するとおばちゃんおもむろに「ネギはそこにあるけんなー はさみでチョッキンしてな~」ばーちゃん、客が来てめちゃめちゃ嬉しそうだ。 はしゃいでいるのが手に取って判る。 キャラ良すぎるぞ、ばーちゃん!! ふと見るとカウンターに、ハサミとねぎの切れっ端が置いてある。 いや、この「赤坂」と言う店がねぎをハサミで切るというのは聞いていたけど、目の当たりにするとまた数秒思考が止まってしまいますた。 ◎ねぎをハサミで切りつつうどんに乗せ、自転車用の油さしのような容器に入ったダシ醤油をチャッとかけてかきまぜながら外に出る。 川のせせらぎと虫の声に包まれると言うなんともいえない開放感の中でズルっと一口。
…えー、ここのうどん、綾南地区のうどんとしては珍しく固さがまったくありません。 コシというかねばりがしっかりしていて、口にくわえて引っ張るとぐいーんと伸びる。 まるでもちのような麺だ!! 噛んだ感じもぐみぐみしてて、とにかく食感が面白い!! 勿論箸で持ち上げて切れるようなことはありません。中北の麺の「やさしさ」をさらに前面に出したような、…うー何というか、なんかあの「キャラが良すぎるばーちゃん」のキャラが前面に出てきたような、そんな麺でした。 こんなん初めて。

◎うどんを食って店に戻って食器を片付けると、ばーちゃん「サインしてってな~」とニコニコ、もう上機嫌絶好調。ちゃんとPR用の名詞(というか、単にコピー用紙に住所などを印刷しただけのもの)も渡してくれるし、しまいにゃうどんを踏みながら「今踏んどんやけど、一緒に踏むか~♪」と、とにかくばーちゃんええ味出しすぎ。
奥ではステテコ姿のじーさんが黙々と新聞読みながらうどんを食っている。 そこに存在するだけで味を出すじーさんだ。 なんかもう、ここは、「田舎の老人の空気」のあふれた桃源郷だ。
ちなみにばーちゃんの人柄に惹かれた相方は「うどん注文しようかな」言うてました。
全国発送しとんかの? でも注文したら、ばーちゃん、熨斗つけて送ってきそうな感じもしますねw


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