2004/09/04

【Journey】さぬきうどんツアー2004・その6「中北」

◎さて本日ラストを飾るのは中北。 あの「麺通団」発祥の地であり、僕が「行った事があった」数少ない店のひとつ。 ここは絶対に発見できない立地で、僕らは一度たむらの前の道を北に取って旧国道を通っていったんですが、僕が通ったルートは判りにくいのと、よく紹介されてる道で逝くと大変な目にあうので別の道を紹介しますね。(ちなみに国分寺あたりの旧国道、「ジャンボ」があるあたりを走っていると、大中小3つの山が仲良く並んでいる地点があります。 風景が面白いですよ)

◎判りやすい道とは、高松市内の国道11号沿い、勅使の交差点にあるセガワールドを目指し、円座方向に取ります。高松からなら西ハゼ経由のルートを通れば勝手に交差点に出ます。交差点から直ぐの十字路(信号なし。 セガワールドの裏手に入る。 角は工場)を左→セガワールド裏の道を通って突き当たりを右→郵便局駐車場脇のめちゃくちゃ細い路地を入って行きます。
「ほんまにこんなとこにうどん屋があるんやろか…いや、それ以前に、カラブリだったとして帰れんやないか…」という不安を打ち消しながらセディア号をコンクリート壁ギリギリで時速数センチで走らせていくと、突然目の前が広がってうどん屋が出現してきます。 うおー、この立地は偶然には絶対発見できん!!
ちなみに陵南町側から32号線経由のルートを通る場合、香東側の手前、円座の交差点を勅使方向に取ってその道をずーっといくと、香東川を越え、西村ジョイを越え、高松南郵便局の奥の工場の角を右に取る事になります。

◎行くとわかりますが、とにかくここは絶対に発見できないと断言してもいい。 何せ住宅街の真ん中というか、集落のド真ん中。観光客に「来い」というのがどだい無理な話。ちなみにこの道、自転車が来ても対向できません。更に言うと、「恐るべき…」などで紹介されている国道11号沿いのサンクス・玉木商事からのルートを取ると、目印が無い上になかむら級のとんでもなくシビアな角が待っています。セディアでも行く自身がありません。
しかし、発見さえしてしまえば一撃でうどん屋だと判ります。昔は無かったそうですが、今は「中北」と白とオレンジの看板がでーん。 でも看板があると言ってもどう見ても家にくっついた納屋から湯気が出て人が出入りしうどんを食う光景。他県民が見たら「なんじゃこりゃ?」と思うでしょう。 相方はなかむらとたむらのロケーションで慣れたみたいでしたがw

◎中に入ると右側がカウンターとその奥に製麺スペース。 奥のほうではじいさんがいわしフライを揚げている。(このいわしフライがうまい!! 値段は「時価」ってなってますが、高くても170円w)おもむろにおばちゃんが「何すんな?」と訊くので「小ちょうだい」と。 ココから先は自分でやります。 一応麺のゆがきスペースがあって、麺をぬくめたい人はここでゆがく。 よくある大衆セルフと同じやり方ですが、セルフの文化を知らない相方はまごついてました。 ポリタンクに入ったダシをかけ、カウンターの反対側の席に着くと、小さいポスターや昔の新聞記事などが貼ってある。 真後ろのスペースでは、今風のねーちゃんが昼飯代わりにいわしフライとおにぎりとうどんを食っている。 奥では真昼からサラリーマン軍団が酒盛りやっとる。 完璧に「近所の寄り合い」状態。

◎んでうどんですが、まぁ温めたこともあって、固さはなく、コシもそこそこ(強コシ店を巡ってきたのでかなり弱く感じるが、十分なレベル)透き通ったダシも味は控えめで、とにかく全体的に「安心して食える」。 間違いなくうまいんですが、「うーまーいー!!」と口から怪光線を噴出す(@味皇)ようなことはなく、「普通の気持ちでうまいうどんを普通にズルズル食える」と言った感覚。 なるほど、この味なら近所のおっちゃんおばちゃんねーちゃんにーちゃんが寄って来て寄り合い状態になるわけだ。なんかこう、店の「やさしさ」を感じるうどんです。
仕事の合間の昼飯にフラっと寄っておにぎりや天ぷらと一緒に食いたい、そんな店。

◎ちなみに中北の天ぷらですが、地元の連中が結構いろいろ持ち込んで揚げてもらっているというのがあるらしく、話に聴くとアスパラを揚げてもらって自分で食ったツワモノもいるそうです。
でもそーいう「なんでもあり」があたりまえに通用しそうな雰囲気の漂う、店も客も麺も「田舎のぬるい空間」なうどん屋ですな。


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※2008年11月追記:2006年夏に店主が亡くなり、それ以後休業されているそうです。
 中北を愛するものとして、再度の開店を心より希望致します。

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