2006/03/26

【Camera】一眼の利点

◎ちょっとエフェクティブな写真撮影をしてみた。
EF-S17-85/4.0-5.6 F4.0 0.8" ISO200 RAW現像処理
近所を走る高速道路をロングシャッターで撮ってみた。 3脚が無いので奥のほうを見ると少しブレている。
まぁよくあるロングシャッター効果の写真ではあるが、自分としてはこういう撮影は初めてなので、シャッタースピードの感じが判らずいろいろ試してみた。
しかもこの写真を撮るために跨線橋の上に立ち、金網が邪魔で欄干に立って撮影してたのだが、案の定跨線橋を通過して行く車に不審な目で見られた(と思われる)
写真撮影ってのも結構大変だなぁw

◎さて。
コンパクトデジカメがどんどんと高機能化する中で、デジタル一眼レフの市場も活況に沸いている。 写真にそれ程興味を持たない人にとっては、一眼レフはでかくてかつ扱いづらく、そこまでしなくてもちゃんとした写真は撮れると思うだろうし事実撮れる。
では、一眼の利点はどこにあるのだろうか?

◎私が考える最大の利点は撮像素子の大きさだ。
コンパクト機の撮像素子の対角線長が6mm~9mm程度なのに対して一眼の場合APS系で28.4mm、フルサイズなら43.2mmと、俄然大きい。 撮像素子が大きいと、
・被写界深度が浅くなる→ボケ描写を得られ、絞りによる深度コントロールの自由度が高くなる
・感度を上げてもS/Nが悪化しない→高感度による高速シャッターや夜間撮影が容易になる
となる。
これは絞りによる深度コントロールやシャッターによるスピード感コントロールが可能になり、写真そのものの表現の幅を広げてくれる。
この表現力の差が、一眼とコンパクトを明確に分ける差と言える。

◎操作性に関しても同じで、上級機ならともかくコンパクト機の場合露光補正一つやるだけでもメニューツリーを追いかける必要があるが、これは【すぐ撮影できる】【基本設定はカメラ任せ】と言う「撮るという動作をいかに迅速に出来るか」と言うコンパクトの設計思想からくるものだ。
一方でパラメータ調整が当たり前の一眼の場合、やはりそのパラメータへのアクセス速度・操作容易性が重要になって来る。
何かしらの調整をするのにアレコレとメニューツリーと格闘しないで済む点も一眼のメリットだと思う。

◎レンズの交換性も一眼の特徴だが、これはメリットかどうかは微妙だ。 よくあるコンパクト機の【光学3倍ズーム】は35mm~105mm程度の焦点距離となるが、これは一眼であろうと結局その範囲程度の標準レンズは持つことになる。
単焦点や広角系、望遠系をちゃんと所有してそれを使えば勿論レンズの交換性は利点となるが、それを前提としないならレンズそのものに関してはメリットとはいえないと思う。
ただ、一眼の標準系は大体の場合広角側は28mm程度なので、35mmを下回るような広角撮影がすぐ出来るという意味ではメリットなのかもしれない。

◎結局のところ一眼の利点は、「撮像素子が大きいことによる写真表現の幅の広さ」これに尽きる。
ところで、オリンパスを初めとした企業で推進する一デジタル眼レフの共通規格フォーサーズ・システムは、APS系より小さい撮像素子(対角線長22.5mm)を使用している。
フォーサーズの能書きではこの撮像素子サイズを採用した理由は従来と同じ前玉直径で周辺減光を減らす(→撮像素子に垂直に光を当てる。 全体の光学系はテレセントリックに近くなる)にはAPSでも撮像素子が大きすぎるためであり、また撮像素子を小さくすることで焦点距離(画角)に対するレンズの大きさを小さくする事でシステムの小型化が可能になる、とある。

◎しかし、先述したように撮像素子が小さくなると写真の表現力と言う観点で不利になる。 一眼であるメリットを自ら減らして居るようなものだ。 システムの小型化にしても、それはCanonやNikonのAPS系にしたって同じ事で、倍率以外に優位点はなく、更にフォーサーズのレンズ規格だと、イメージサークルの割にバックフォーカスが短い為広角系の設計が難しくなる。
結局のところは、コストや撮像素子生産能力の兼ね合いで面積を小さくせざるを得なかったいい訳に聞こえるのだが…

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