2006/03/29

【Camera】コンパクトの利点


◎別記事を書こうとしてこんなサイトを読んでいるうちに、自分が大サイズ撮像素子絶対原理主義者に思われそうな気がしたので
コンパクト機のことも、いろいろ考えて見ることにする。
ま、↑のサイトは読んでいるといろいろと思うところもあるのだが、まぁ何に重みを置くかは個人の自由ですから。
ちなみにこの写真はFujifilm Finepix 50i 8mm F2.8 1/4sec ISO125.

◎前回の話の裏返しで行くと、コンパクト機の撮像素子はAPC/フルサイズのそれに比べるとはるかに小さい。 小さい撮像素子の最大のメリットはコストだ。 単純な話、画素数が同じなら、画素の集積度を高め、実装面積を小さくしたほうが製造コストは安くなる。
また、撮像素子が小さければ、画角を得る為の焦点距離を小さく・F値を得る為の有効径を小さく出来るので、光学系全体を小型化出来る。
(はずなのだが、フォーサーズは光学系は小型化していないから前回叩いたわけだ。 何が利便性なんだろう?)

◎被写界深度に関しては長所とも短所とも言え、ともかく撮像素子が小さければそれだけ被写界深度は深くなる。 また焦点距離が短いことも被写界深度の深さに寄与する。 このためボケ味を生かした撮影は不向きだが、目的が無いなら背景をボカす必要性も無いし、もともと深い被写界深度を必要とするスナップや風景写真なんかの場合は、逆に絞らなくて良い分SSは速く出来る。

◎感度やダイナミックレンジ・S/Nに関しては確かに不利ではあるが、各社主軸の製品だけあってCCDの高感度化には力を入れており、ISO800~1600、はては3200レベルの感度を得る事も(スペック上は)可能になってきた。 ネガフィルムレベルとは行かないまでも、カラーリバーサルフィルム程度のダイナミックレンジ(ラチチュード)は確保出来ており、画処理ASICのノイズ除去技術もあいまって、白飛びや黒ツブレに関しては実用上ほとんど問題の無いレベルにあると言っていいだろう。
むしろポジフィルムがそうであるように、やたらにダイナミックレンジを上げるとコントラストが弱まる傾向があり、実際一眼のRAW画像を最初見たときは、色再現こそ正確だがある程度コントラスト補正をかけないと見た目に映えない画像に見えたものだ。
(だからこそ、一眼でJPEG撮影のときは現像パラメータの設定が重要、とも言える)

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◎さてここまで書いて、確かにコンパクト機はカメラとしての描写性能や表現自由度は明らかに一眼に劣る。 しかし、コンパクト機には一眼に無い可搬性や使いやすさといった長所がある。 例えば友達同士で遊園地に行きました~なんて時にデカいカメラバッグをかかえて出向き、記念撮影に一眼を取り出したらおそらく皆に引かれるだろう。 旅行に持って行けば邪魔でしょうがないし、盗難の危険性だってある。 「写真を撮る」という明確な目的があるならともかく、無目的に持ち歩くには一眼は不向きすぎる。
撮像素子を小型化し、表現力を犠牲にしてでも筐体を小型化するのは、そういった「手軽さ」「気軽さ」に重点を置き、従来「写真を撮る」と言う事に興味を持たなかったユーザーに対して、「撮る事の楽しみ」を与える事に主目的があるのだ。

◎結局、両者はお互いの長所が相手の短所になるという対極性を持ち、そもそも根ざしているプラットフォームが違うので、比較論自体が無意味なのだが、その観点でもう一度↑のサイトを読むと、どうにも違和感を感じるのは、私だけだろうか。
まぁ、ヨソのサイトの批評をしたいわけじゃないが。
あえて文句を言うとすれば、やっぱりフォーサーズ。 筐体サイズがそれほど小さいわけでもなく、かといって撮像素子だけは小さくて、「利便性」とは一体何を指すのか、私には判らない。

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