2006/03/07

【Diary】書き変わる勢力図

http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0603/04/news002.html
数年に渡り総務省と喧嘩をし,(特に)ドコモユーザに迷惑をかけまくってくれたソフトバンクの携帯電話参入がついに現実味を帯びた。MNP導入が目前に迫り,もはや形振りかまっていられないソフトバンクの事情と,国際標準の縛りで日本国内に特化したサービスをやりたくでもできないボーダフォンの思惑が一致した,というところだろうか。

◎もういろんなところでこの意見は出ていると思うが何しろあのソフトバンクである。 YahooBBでモデムを配るだけ配って回線開通を放置したり,固定電話事業で詐欺まがいの行為に走ったり(これは日本テレコム),移動体通信事業に参入すると言ってゴネてFOMAのエリア拡大を阻止したりと,通信系事業に関してはロクなことが無い。ためしにググるとこんな感じだ。

◎携帯電話はインセンティブ契約で成り立っている。簡単に言えば,1回線売れるごとにキャリアから販売代理店にいくらか報酬が支払われる,という仕組みだ。代理店は新規回線を少しでも多く売る為に携帯端末の売価を下げ,その分の売上減をインセンティブ収入で相殺する。これが100台売れたらさらに幾ら,1000台売れたらさらに幾らと言う風に売上数に応じて報奨金を上乗せすることで,代理店側も利益を上げることができる。当然,機種変更では回線販売によるインセンティブは発生しないから、代理店側も端末の仕入れ値以下では(余程モデルが古くない限り)商売できない。 機種変更が高いのはそういう理由だ。

◎MNPが導入されればユーザはキャリアの提供するサービスに応じてキャリアを選択していくことになる。 ユーザから見れば番号が変わらないのだから非常に敷居が低いのだが,キャリアから見れば事業体変更つまりは新規回線契約のチャンスが一気に増加するのだから,他事業者ユーザの奪い合いがスタートする。そこへ持ってきて,ソフトバンクである。 さぁ,何をするか。街角でプリペイド携帯でも配るのだろうか。

◎利点も考えて見よう。 Yahoo!! BBはその商売の手法に様々な問題を抱えたが,結果的にはNTTの独占状態だった高速通信事業の価格破壊を引き起こし,ブロードバンド環境の一般普及に貢献している。 これと同じ現象が,(やはり同じように)ソフトバンクの商売方法によって移動体通信業界に起こる可能性は十分にある。低価格路線なのか(虚像)サービス乱発路線なのかは知らないが,ソフトバンクが市場を囲い込むことで,少なくともコンテンツサービスに本腰を入れないドコモの意識も変わるだろうし,Auにしても危機感を持つだろう。

◎まぁ良きにつれ悪しきにつれ市場をかき回すのがソフトバンクだ。 とりあえず、MNP移行後の混乱期に老人や子供、素人をターゲットとした詐欺まがいの商売が横行しないことだけを祈りたい。

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