【Diary】ざるうどんの週末
◎「我輩は猫である。時と場合によっては熊にしか見えないかもしれないが、正真正銘の猫である。
我輩は都内某所の神社を根城とする野良猫であるが、何分この体型ゆえ神社の階段を上がるのも一苦労である。
しかし人間供はそんな我輩の何が珍しいのか、喚起の声を上げて近づいてきては我輩の腹を撫で、またあるものは「カメラ」と呼ばれる何やら怪しい機械を我輩に向けてはパチリパチリと音を立て喜んでいる。 いったい何が珍しいのか我輩にはとんと見当がつかぬ。」
…とでも言い出しそうな、まるまると、本当にまるまると太った猫である。
◎というわけで先日、お誘いもあり都内某所に散歩に出てきた。 主目的は最近兄がはまっている「うまい饂飩屋ツアー」である。 兄はもともと麺類好きなのだが、都心のうまいうどん屋2件紹介したところ、11年に及ぶダメ人間生活中に身につけたフリーライターの血が騒いだらしく、毎週のように都内の饂飩屋を食べ歩いているそうだ。
◎今回案内されたのは「釜竹」なる場所で、もともと蔵だった場所を店にしているのだが、裏の建物が高級老人ホームで、この建物の脇は日本庭園になっている。
縁側の席は庭園に面しており、天気の良い日は麗らかに照る庭園を眺めながら饂飩を食せるわけだが、席の趣、と言う点では圧倒的に蔵の中が良い。
◎で、この店、太打ち・細打ちの笊饂飩と、あとは釜揚げ饂飩のみ、と言うかなり硬派な店になっている。
東京で食える「うまい饂飩」、しかも水締めはざる1本となれば、挑戦しないわけには行かない。
早速太打ち笊を注文。 兄は細打ち笊。
◎で、出てきたのがこれ。
つけダシにつけてズツと行ってみると、関東で食える饂飩とは思えない麺の適度な固さと味わい(かみこむとほんのりと味が広がる。 何の味かは不明)があり、かなり美味だ。
そして何よりダシがうまい。 濃さも絶妙で、薬味のねぎを浮かべた状態で、普通に飲める。
希釈しないで飲めるつけダシは実に貴重だ。
◎ただ私の場合、さぬきうどんの「コシ・ねばり」が基本になってくるので、そういう意味では粘った感じはしない。
この点は最近急上昇中の神保町「丸香」をさらにシンプルな方向に振ったような感じで、丸香の麺でも相当「洗練された」印象があるがここはそれ以上だ。
しかしこれは、丸香も同様に「釜揚げ状態では麺そのものの食感が乏しい」ことを同時に示しており、事実釜揚げを注文した妻はちょっと微妙だったそうだ。 実際食ってみると、ちょっと微妙かも。
◎食後は楽しいお散歩タイム。 途中の神社で猫を撮ったり亀を撮ったり鯛焼き食ったり…といった感じ。
その中で撮った1枚がこれ。
お散歩モードだったので50mm単焦点を持っていかなかったのだが、被写界深度による遠近感を出すなら、持って行っておけばよかったとちょっと後悔。
2 件のコメント:
うちの近所にある「すみた」は、東京のさぬきうどん店では屈指の味だそうです。私が健康ランドに在籍していた時期には良く練習後に行ってました。
最近は有名に成りすぎて行列が出来てしまい、地元の人間でも入りづらいです。残念。
ただの「近所のうまい店」だった頃が懐かしい。
あと、今回お散歩コースの中の根津神社のそばにある「根の津」もうまいそうですね。
関東圏におけるさぬきうどん店の人気上昇振りはある種異様ですね。
麺通団がオープンした際、どれほどあの客の入りが保つか…と心配になりましたが
フタをあけて見れば今でも相当の客の入りがあり、丸香も同様。
当然ながら「ネコが打ったのか」と言いたくなるようなまず~い麺を出す「さぬきうどん店」もブームの初期に乱立しましたが、結構淘汰されてきた感もあり、
「うまい店」だけが残っていく、ある意味良い方向になってきてる気がします。
関東圏における「うどん」の価値観が変わってくると良いのですが…
※ただ、鍋に入れるうどんはそれこそ「ネコが打ったのか」風な麺のほうがうまく感じるから不思議。
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