2007/03/09

【Diary】Macくんとパソコンくん

ITMedia:「Macくんとパソコンくん」、日米文化の違いへの配慮

>この世界的キャンペーンは、米国企業の間で国外市場向けに広告キャンペーンを改良する動きが高まっていることを反映している。国際市場の消費者に働きかけようとする企業は増えており、文化の違いに対処するために難しい調整が必要になることがある。基本コンセプトから始めて、それを各地域に合わせるのは、「1種類の広告や画像を買って、それをただ世界中のあらゆる国で使うよりも効果的だ」

◎世間では評判がイマイチらしいこのCMだが、私はそれほど不快に思っていない。 むしろこういうことをしたほうが、AppleらしいといえばAppleらしい。 IBM PCをボーボー燃やす宣伝で喝采を浴びたことのある企業なのだから。

◎私にとってはこの宣伝の主人公はどっちかというとパソコンくんである。彼の「事実はそうであるけれど、指摘されるとおそらく誰も認めたがらないであろう」姿をアイロニカルに表現するさまは、なかなか見ていてほほえましい。
それにMacくんはパソコンくんを貶めることも、嘲笑することも、哀れむことも無いし、うそも誇大も言ってない。(※1)
できることは殆ど同じだが、そのプロセスアプローチがともすれば滑稽に写るパソコンくんに、ひたすら困惑している。 この困惑こそが、パソコンくん…というよりWindowsに踊らされる我々消費者の真相を表している。

◎ただまぁ、そういう風な皮肉を受け入れられず、Macくんが得意満面にしているように見える人も当然居るわけだが、私は比較の結果をアイロニカルな困惑、と言うオチに持っていったというこのCMの、そして表現手法やオチを各国の事情に合致させていくという取り組みは、十分評価されて良いと思う。
目くじらを立てる前に、パソコンくんの姿を、一度自分に照らして考えてみるのも悪くないのでは?

(※1)ウィルスは大丈夫、は誇大じゃないのか、とツッこまれそうだが、確かにMOABが示したような脆弱性の問題はあるものの、ターゲットリスクの少なさや、(MSと比較しての)事後対応のありかた等を見てると、少なくとも「この宣伝を流している時点では、トータルリスクとしては安全」と捉えてよいのではないだろうか。
脆弱性の有無とリスクファクターの代償は、比例はするがリニアではない。 事実2000年代前半までは、Windowsのセキュリティ・リスクやそのコントロールは「警鐘こそされていたが認知はされていない」状態で、今ほどトータルリスクが高い状態ではなかったのだから。
今後攻撃者が増えれば、それだけMacのリスクファクターも増大する。 そのときは、そのときだ。

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