2009/10/31

【Column】リストラクチャリング

読売新聞:トヨタ苦肉の増産策、大卒社員を生産ラインに

新入社員は工場や販売店での研修を終え、10月に本社や研究所などの各部署に配属されたばかり。再配置先は、プリウスを生産する堤工場(愛知県豊田市)など主力車種生産工場が中心になる見込みだ。(中略)
 トヨタは今夏以降、増産基調に対応するため、取引先のメーカーなどから応援要員を受け入れた。10月には期間従業員の採用を1年4か月ぶりに再開。ただ、契約を更新しない「雇い止め」などで批判を浴びた教訓から、期間従業員の採用を大幅に追加することには慎重とみられる。さらに、政府の支援策が打ち切られた後は、再び需要が失速する懸念があるため、新入社員を活用することにしたようだ。
◎おーおー、どんどんやれどんどんやれー。 「使える新人」「使えない新人」をふるいにかけるには丁度いい。世代的にも丁度ゆとりの足音が聞こえ始めた時期だし、これは緊急処置でなく毎年恒例化したって良いんじゃないか?

◎私の昔の経験だが、私が社会人になった翌年…98年近辺といえばまさに就職氷河期ど真ん中。 工員も含めて一切の採用活動を止める 一方で私の世代は最後の大量採用世代だったため新人が余っており、結果、生産関連部署に居た人は技術職事務職関係なく現場に突っ込まれ,半数が「俺はこんな事するために会社に入ったんじゃない」と捨て台詞を吐いて辞めて行った。

◎しかし考えてみると、ヘタすると今よりも就職難だった当時、所詮二流三流だったウチらの会社を辞めて、どこに行けたのだろう。 一方で歯を食いしばって…と言うよりも「前向きに」現場に取り組んだ私の同期は、みんな私が素直に「凄いなぁ」と思える人材になっている。
「俺ぁこんな…」と言う捨て台詞を吐く程のプライドって何だったんだろうか。

◎まして今回はまさに一流企業、新人のプライドも高いだろうし、(まさに今私が体験しているような)根本的に話も価値観も会わない、それまで彼らの生きるステージには「存在すらしなかった」人達に小突かれこき使われ、自分の「実績に基づかない」プライドを打ち砕かれても前向きに進める奴なら、トヨタにとって宝物の人材になるはずだ。 逆に目先のプライドという「ありもしないもの」の為に、今あるものを捨てるなら、所詮それまでの人材である。

◎そしてもう一つ。 「雇い止め批判〜」のくだりにある様に、これこそがトヨタなりの「日雇い批判」に対する回答である。 批判・非難されるぐらいなら、最初から雇わない。 そりゃそうだ。 トヨタの姿勢は(この件に関しては)どこまでも正しい。
去年の年末だったかに日比谷公園でシュプレヒコールを上げた連中が招いた事は、自分達の可能性を閉ざす事だった訳だ。 どことは言わないが、事務職に対する現場への配置転換をかけてまで「派遣・請負・日雇い」を全部契約解除した企業もある(※1)。 当たり前だ。 批判・非難されてまで、その火種に給料を払う道理がどこにあるか。

※1:ちなみにこの企業、契約解除直前に相当数の派遣・請負・日雇い労働者を「正社員雇用」したことを付け加えておく。

0 件のコメント: