2009/11/12

【Gadget】SH-03Bに見るガラケーの病理

◎SH-04Aの後継機,SH-03Bが発表された。 しかし型番で前後関係が判らないのはちょっとなぁ…
基本的に変更点はデザイン変更及び操作性に関する部分と新サービスに関する部分のみで,後継機と言うよりもマイナーチェンジ機といえるレベル。 というかSH-04Aの完成度が高すぎて,いじる部分が無かったと見るべきだろう。
そいでもってまた,今回いじった場所が,これがまたいただけない仕上がりになってしまっている。
キーボードの改良は良いとしても,このスイーツ臭プンプンなデザイン,なんか一番やっちゃいけないことをやってしまった感じがするのだ。

◎これは個人的な意見だが,このSH-03B,いい端末ではあるが「完成度の高い端末を出すと,そこからいくら改善してもファーストモデルを超えられない」と言う日本のデザイナーの悪癖がモロに出ていると思う。
言い換えれば「ユーザの「要望」を聞くばかりに,デザインをどんどん悪化させていく」とも言える。
全体的に丸みを帯びたデザイン,液晶画面側まで回りこんだボディカラーはいかにも「スイーツ脳」だし,特に私が「最悪だ」と思ったのが操作性改善のために前面に回されたハードウェアキー。 これじゃダメなんだよ。

◎確かにSH-04Aのサイドボタンは扱いづらい。しかし他のガラケーがどんどんガキ化・スイーツ化・悪趣味化していく中で,SH-04Aのクローズド状態で一切ボタンの無い,黒一色のソリッドなデザインはすごく尖っていて,ちょっと近寄りがたく,老若男女関係なく存在感を発揮できる「魅力」を持っていた。
しかしSH-03Bはデザインでガキとスイーツに媚を売ってしまった。 これをやるから,ガラケーは魅力をどんどん無くして行くんだよ。

◎今,本当に成功しているものは「客に尻尾を振ったもの」ではなく,「客が憧れるもの」なのに,どうも日本のモノ作りというのはそれに逆行してしまう。 「技術」でしか人を憧れさせられないから,飽和市場に弱い。 ガラケーが出れば出るほど魅力を失っていく病理は,そんなところにあるのだろう。
「ガラケー」と言うコトバは「ガラパゴス携帯」とともに「ガラの悪い携帯」の意味もあるんじゃないかと思うぐらい。

◎んでまたこの「新サービス」とやらもどうかと思う。 いや,サービスを開始すること自体は構わないのだが,殆どの端末を「2年縛り」で販売している今,新サービスを開始するなら旧端末にも対応させるべきではないか? かつての端末競争期ならともかく,今のガラケーはハードウェア・アーキテクチャの変化は殆ど無いに等しい。 ソフトウェアをいじれば,サービスに対応できるだけのハード素地は充分持っているはずなのだ。
今回Fnキーや↑(Shift)キーのロック機能が追加されたが, ソフト的なキーバインドの変更で出来る機能なのだから,SH-04Aのソフト変更で対応できるはず…だが,まあやらないだろう。

◎このあたりが,日本の端末が「ハードウェア商売」のクセから抜けない証左である。携帯市場が飽和状態になった今,ユーザが求めているのは「新しいハード」でなく「新しいサービス・アプリ」であり,そこで商売をするには何をすべきか,もう一度考え直さない限り,iPhone・Androidの追撃に対抗することなど出来ない。
…まあ,NECのようなキーデバイスを持たないメーカーがAndroid端末を作ったところで知れたもののような気もするが。
そのうちSHARPが作るかなぁ。 ASH高輝度液晶+フルタッチ+QWERTY+Android,だたtらかなり魅力的かも。
…でも今回みたいなデザインはやめてね。

◎唯一期待できることは,SH-0Aの後継が出たことで,iアプリのフルタッチ端末対応が進む可能性が出てきたことか。 iCappuccino等SH-04Aの機能をうまく生かしたアプリもあるが、まだまだiアプリに関しては操作性最悪のバーチャルキー操作を強いられる場合が多い。 SH-03Bの発表・フルタッチ端末ユーザの増加が見込めるなら、これらの改善にも道が開けるだろう。

1 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

iモードブラウザ2.0に対応しただけでかなり違う
ハードの改良だけが進化じゃないよ