2007/06/09

【Sound Works】MOTIF XSに触ってみた

◎田舎の現実としてなかなかお目にかかる機会も無かったのだが、MOTIF XSに触れる事が出来たのでそのレポートを。
触れてきたのは61鍵モデル。 ヘッドフォンも借りられたので、思う存分弾き倒してみた。

◎まず見た目。 Webや写真で見るとそうも思わないが、実物を見ると「なんじゃこりゃ!」と思える色合い。 ウチの変態音源FS1Rをホーフツとさせる、ブラッシュドメタルな緑色。インパクトは抜群だ。…
大型化されたLCDは視認性抜群だが、出来る限りの情報量を詰め込もうとして文字がかなり小さくなってしまってるのが残念。

◎さて。
PCMシンセの出来不出来は「プリセット1番のピアノで決まる」と言われるピアノは…音色キャラクター自体は初代MOTIFとそれほど変わらないが、共鳴音や離鍵音といったリアリティは格段に向上し、「弾いていて楽しい」ピアノに仕上がっている。
他の音色の傾向も、MOTIFと傾向が似ていて、(あざといぐらいの)レンジの広さ、高域の元気さから来る「硬さ」を感じさせる、良くも悪くもやっぱりYAMAHAの音である。 逆に言えばMOTIFの音色を知っていると、インパクトとしての目新しさはそれほど無いかも。(これは最近のPCM音源全般に言える事だが)

◎そういう意味ではどの音色を聴いても「おお」と「ふーん」の中間ぐらいの評価になるのだが、一つだけあきらかに「うわっ!」と思ったのがハンドベルの音色。 YAMAHAは昔から妙にベルの音色にこだわりがあるが、あの「W5ハンドベル」を生楽器にしたような音色で、力強いアタックと透明感にあふれている。 またベロシティに応じてアタックの強さも連続的に変わってくる。 やべー、「W5ハンドベル」を超えるベルの音色についに出会ってしまったよ。

◎プレイアビリティの面では、ノブが8本に増設されて一度に扱えるパラメータが一気に増え、その分表現幅が広がっている。 また「アサナイナブルスイッチ」をキーボードメガボイスと組み合わせると、アコースティックギターのハーモニクス奏法などをスイッチ一つで切り替えられる。 そしてプリセットはこれらの操作子をどのように使って「演奏するか」をよ〜く作り込まれており、正直言ってここまでのプログラムをユーザーが作る事は不可能なんじゃないか?と思える程だ。(勿論,人が作ったものだから,不可能じゃないのだが)

◎全体に言えることとして、MOTIF XSの音は明らかに「楽器として」の完成度を意識しており、超膨大なプリセットも一つ一つを聴くとどういう状況を想定して作り込まれているのか,が良くわかる。 シンセサイズエンジンを生かした(ある種芸の細かい)音色変化や表現力は、「ただただ波形容量が馬鹿でかいだけで、何一つ作り込まれていない」ソフトサンプラーよりも遥かに有機的で、また楽器的だ。
…ただ、それは「最高級の質の高さ」と言うある種マニアックな部分でしかなくて、カジュアルに音楽作成を楽しむには作り込まれ過ぎているし、コストの問題がどうしてもつきまとう。 今ハード音源・シンセサイザーが突き当たっている最大の障壁はそこなのだろう。

◎そういった意味で「絶対にMOTIF XSが欲しいか」と言われるとそうでもなく、値段の事も考えるとちょっと二の足を踏んでしまう。
ただ、モノは間違いなく素晴らしいので、おそらく来年当たり出るであろうS90ESの後継に期待がかかる。
音楽制作ツールとしてでなく、鍵盤楽器として、家に電子ピアノを買うぐらいの感覚でSシリーズを入れる,と言うのも悪く無いと思う。
MOTIFで特に不満がないので、微妙な所ではあるけれど…

3 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

>やべー、「W5ハンドベル」を超えるベルの音色についに出会ってしまったよ。

ココを読んで「買え!使命だ!」とかオモタw
でも値段…たしかに所帯持ちには重過ぎるですよね。
音源的には、欲を出さなければLogic単体でも当分は事足りるような気がしますし。

ただまあ、ソフトシンセは仰るとおりハードシンセに比べると(容量的な面は除いても)いまひとつ造りこみが粗いというか、物足りなさを感じますな。
あとソフト面の不具合もネック。メーカ側の放置プレイは当たり前の世界なんで。
私もそれが原因で未だにSONARをメインに使っている。なんと「CUBASEで動かんVST」があるww

一方では、モノによるけどやはり値段。
今使ってるマルチ系シンセだと29,800~59,800程度で、XVのフル拡張版程度の音は手に入ってしまうわけで。

おいらもM3とかに惹かれはしたんだけど、ちょっと宝の持ち腐れかなーと思ったのでした。

Unknown さんのコメント...

とりあえずS90ES後継が30万切る事を祈りたいです。
音楽作成の為でなく、自己満足と楽器所有欲の為に鍵盤楽器ホスィ訳ですな。 指の動かんピアニストとしてw

>ソフト音源の質
ProSamplesのライブラリを一通り揃えてみたけど、音はいいけど質が悪い、って印象。
言っちゃ悪いけど「作り込みで表現する部分も全部、波形容量に任せてる」モノが多いと思うんです。

例えばピアノ。
ピアノ用の波形、メゾピアノの波形、メゾフォルテ,フォルテ…ダンパー踏んだら波形が変わって,かつ88鍵、ループ無しのフルサンプリング…ってそれはいいけど、
それで「それぞれの波形の繋がり」がバラバラじゃあ意味ないよねーって話ですね。
単音のクオリティでなく、楽器と見てどうか、という欲求を満たし得るサンプルライブラリって、なかなか無いんですよね。

>値段
…で、一方でJamPack、2枚で¥21,600、それでXVはドナドナ決定になってしまうほどの実力を持ってるんですよね。
結局「どこのライブラリか」次第なのかなぁ、と。

匿名 さんのコメント...

>単音のクオリティでなく、楽器と見てどうか、という欲求を満たし得るサンプルライブラ
>リって、なかなか無いんですよね。
サンプラー系のものだと確かにライブラリがモノを言うのでピンキリというか。
そもそもProSamplesは地雷で有名ですな。
最近はKONTAKT2系が主流らしいです。
マシンスペックと空き容量が許すのならこんなのも。
http://www.crypton.co.jp/mp/do/prod?id=29020

逆に言うなれば、サンプラー系に拘らないのなら、それはそれで面白い音源は結構あったりします。
例えばSteinbergのHypersonic2なんかは、質&容量対費用で考えるとちと高い(約6マソ)けど面白い音源っすよ。
http://www.steinberg.net/727_0.html
所謂ソフトサンプラーと言うよりもハードのマルチティンバー系のPCM音源の再現版みたいなもんで、PCM+FM+VAのハイブリッド音源みたいな構造になってる。
そして波形容量が1.5GBくらいとアホみたいに少ないんで、動作も軽い。
(※大容量サンプラーではないので、ピアノとかの生音は正直ショボイ。初代MOTIFよりもショボイ音)
IntelMacにも正式対応した模様。
ただ問題は、コイツの音傾向があまりにシンセ・テクノチック過ぎてAmane氏には絶対合わんだろうなと思うところw

まあこれは一例ですがご参考までに。