【Computing】ついにこの日が来た 〜Vista奮闘記その1〜
※先に言っておきます。 今日の日記ははっきりいって「辛辣」です。
◎ついに会社にWindows Vistaが導入された。 数年後の一斉導入に先んじてのテストとして、各部署の代表者が業務PCをVistaに置き換えて、基幹業務システムの動作検証や業務遂行上の問題点抽出を行う事になり、ウチの部署の人柱に私が選ばれたと言う訳だ。
◎この先行導入にあたって支給されたPCはビジネスユース型なので構成はかなりのコスト優先型だ。Celeron540(1.8G)、RAM1GB。「Vistaを動かすには」かなりロースペックだ。…Vistaを動かすには。正直、TigerやLeopard、WInXPを動かすには十分すぎるスペックだ。
一抹の不安を抱えながら、私とVistaの出会いが始まった…
◎まず最初にVistaが教えてくれる事は「物事は焦らない事」だ。
起動がとんでもなく遅い。 普段使用しているWin2000も結構重いがそれどころじゃなく、私の前のPC…末期のInspiron(PentiumⅢ-800MHz、RAM640MでXP SP2)以上の遅さだ。 やっと画面構成要素が揃い、起動したかと思ったら今度はアンチウィルスソフトの更新が入る。 とりあえずお茶を入れに行こうか。 焦りは禁物だ。
◎画面が現れると、M$が「明瞭」にひっかけて命名した「メイリオ」フォントが文字を飾る。 細身のフォントをアンチエイリアスして、目がくらむ様な判読性を提供する。 これでメールを読み続けるのはかなり苦痛だ。 いや、これはきっと視覚情報の入手に時間をかけるなと言うM$からのメッセージなのだろう。 メールばっかり読んでないで手を動かせ、と。
◎Vistaの思いやりはハードウェアを鍛える事にも余念がない。ハードディスクは「壊れるんじゃないか?」と思う位ガリガリと音を立て続けている。 アクセスランプが消えている状態を見る事が少ない。
何せ、ExcelのワークシートとPowerPointのプレゼンテーション、2個開いたらHDDが「がりがりがりがり」スワッピング地獄の始まりである。
◎次にVitaが教えてくれるのはユーザの忍耐力だ。エクスプローラを開くだけでもスワップする。 フリップ3Dなんぞ使おうものなら… キー入力してから画面が縮小するまでに1秒。 その間HDDは全開だ。
キーボード事態の反応もむちゃくちゃ悪く、変換(スペースキー)操作してから実際に画面上で変換結果が表示されるまでに一息(感覚的には0.5sec程度)かかる。勿論キーボードだけでなくマウスの反応も遅い。右クリックはクリックしてからメニューが出るのが0.5秒。
もう、何もかもが遅過ぎて…そうだ、 Vistaは私に「焦らずに取り組む」忍耐力を教えようとしているに違いない。
◎そもそもこの3Dの存在価値が何なのか全く不明。 従来のAlt+Tabを視覚化しただけで、しかもその視覚化も「今一番手前のウィンドウが何か」は全く判らない。 エクスプローラ3つの状態でフリップして、それぞれのウィンドウが何処をさすのか、判ったら凄い。
はっきりいって使い勝手はExposéの足下にも及ばない。 どうせ順送りしか出来ないのだから…え、右手を使えば出来るって? そこまでしてまでタスクバーを避ける理由は全くない。 マウスオペに劣る使い勝手のキーボードオペなんてなんの存在価値があるんだろう?
見てくれと見栄?
◎大体それを言ってしまえばAeroのアニメーション全体がもうダメダメ。 M$にデザインセンスを求めるだけ無駄だろうが、スキン全体の自己主張が激し過ぎる。 透過ウィンドウはメニューを読み辛くしているだけ。 せめてウィンドウぐらいもうちょっとロービジな色にしておけば良いものを、ハイコントラストな黒の上にボケボケメイリオの文字列。 これは新たな拷問か?
しかしクラシックにするとさらに重くなる。 OSがユーザにジレンマを提供し、選択の機会を与えるなんて、なんてユーザ思いのOSなんだ!
◎IMEの変換精度もかなりひどく、変換精度がかなり悪い「ことえり」よりも精度が悪い。特にオートコレクとの設定虫はユーザをバカにしているレベルで、私は記号や英字は基本的に反核変換なのだがオートコレクト指定をしてもかたくなに全角変換しようとする。
学習精度が低いとかいう次元の問題ではない。IME2000や2002(XP)を遙かに下回る使えなさだ。
(この「オートコレクト」という言葉自体、F7キーを押さない限り、文節を変えようと何をしようと頑なに「オートコレクと」で変換しようとする。
きっとVistaは私に文字校正…変換チェックの重要性を教えてくれているに違いない。 誤字誤変換は恥ずかしいからね。
◎入っているオフィスソフトはOffice2007。 普段使っているのが2000なので、バージョンが2個飛んだ訳だ。
…もう、何をやっていいか判らない。 キーボードショートカット無しだと、保存の方法すら判らない。 UIが変わり過ぎて、何が何処にあるのか皆目見当もつかないのだ。 特にPowerPointなんかは、目的の図形が何処にあるのか探し回り、まったく作業が進まない。
これは本格導入後、社内はパニックになるだろう。 何しろ今までの操作経験が全く活かせないのだから。
新しいOS、新しいソフト、新しい環境で頭をリフレッシュさせ、新鮮なユーザーエクスペリエンスを楽しめる! なんて素晴らしい製品なんだ! ブラヴォー! もう最高だ!
◎…さてそろそろこの芸風も疲れたので本音を書こう。 この際はっきり言う。Windows Vistaは粗悪品である。
インターフェース、パフォーマンス、操作性、全てにおいて「粗悪」であり、全てにおいてOSの根幹「生産性」を犠牲にする。
得られるものは、M$お仕着せの、ユーザが全く臨まない「エクスペリエンス」と言う名の不満だけだ。
〜〜〜
◎…ふう、やっと家帰ってきてMacに触れたよ。 ヒラギノフォントのBlog編集画面が私を癒してくれる(笑)
いやほんと、メイリオの12ptより、ヒラギノの11pt(Windowsだと8ptぐらいの大きさ)のほうが遥かに読み易いよ。
せめてテーマをAeroからBasicに戻して、システムフォントをUI Gothicにすれば少しは違うのかなぁ…
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