【Diary】猫
◎母の飼っていた猫が、18年という(猫としては)長い生涯を閉じた。
何十匹という猫の死に立ち会ってきた母が、号泣したそうだ。
実は私も昨日、その猫に今生の別をしてきたところだった。
夜中に母の電話。 お互い覚悟は出来ていたので取り乱す事も無いが、今になって少し「寂しさ」を感じている。
◎思い起こせば18年前…私が13歳の時、その猫は我が家にやってきた。 当時一人暮らしをしていた兄が、台風の夜に捨てられていた猫を拾い、我が家に連れてこられたのだ。
三毛猫を虎縞にブッ散らかした様な「落ち葉の様な」色の猫で、器量は良いのに愛想が悪い、おすましタイプの猫だった。
飼われて1年程で5匹の子供を産んだが、数年の内に出て行ったり死んでしまったりで、結局この母猫が残ったのだ。
◎この猫が我が家にやってきたつい半年程前に、私の祖母が亡くなった。 母はこの猫に、祖母の生まれ変わりの姿を見たそうだ。
母は言う。 「この猫が、祖母に変わって私を見守ってきたんだ」と。
それからこの猫はいろんな人たちに可愛がられてきた。 私もいろいろ猫を見てきたが、これほど「人に愛された猫」はあまり知らない。
祖母も様々な人に支えられ、様々な人に支えてきた人だった。 本当に、祖母の生まれ変わりだったのかも知れない。
◎猫と言うものは、死期を悟ると自ら姿を消すという。 私も実は猫の死に直接立ち会った事は殆ど無い。
しかしこの猫は、それまで全く動かなかったのに、今際の際に母のそばに寄り添い、そのまま眠っていったそうだ。
最後の場所に母のそばを選んだ。 それは母にとって、何にも代え難い「素晴らしい事」だと思う。
そして私は、これほど迄に人に愛されたこの猫の生涯が良いものであったと、信じる事にする。
◎今までありがとう。 そして安らかに。
2 件のコメント:
長生きしましたね。大往生…でしょうか。
うちの実家の黒猫も16歳と高齢です。
今のところ元気ですが、実家へ帰る度に「これで会うのが最後になるかも…」と不安になります。
一日でも長く生きて欲しいなぁと、そして最期は安らかに天国に旅立って欲しいなぁと思います。
ヒトは「知恵」を持ったが故に、時として悪を働き、地獄に堕ちて行く。
知恵を持たぬ無垢な生物は、皆天国へと旅立てる…
私はそう信じることにしています。
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