2009/05/19

【Diary】今日の1本:「INNOCENCE」

◎毎主火曜日はDVDレンタル半額デー、と言うコトで借りてきたのが「イノセンス」。 劇場公開当時見に行こうかとか思っていたのだが、普段映画を見る習慣が無く、しかも茨城県移住直後だった私に「上映している劇場を探す」のがとんでもなく面倒臭く、結局見れていなかった作品である。

◎とりあえずオチを先に言ってしまうと原作を読んでればシナリオの流れは最初の15分を見れば判ってしまうw そこに押井テイストを付加したもの、と言ってしまえばそれ迄なのだが、原作では殆ど表に出てこなかった(存在はしていた)哲学的なテーマを前面に押し出しつつ、この作品はあえてそれに対する明確な答えを用意していない。 多種多様な価値観・主観に左右される「個々人の意見」を俯瞰していく手法は、観る側がそれをどう捉え、どう答えを導くかを促していく。 恐らくは見た人の和だけ感想が違うのだろうし、その感想は一言で表せる様な単純なものでもない。
そしてまたそのテーマ自体がこの作品世界でしか通用しないテーマであることも、全てを「俯瞰」で眺めるという一つの方法論なのだろう。

◎ここらへんの浮遊感は、前作「「Ghost in the Shell」より洗練されていると思う。
まあ少なくとも製作とシナリオの破綻、回収しきれない伏線・テーマを全部をこの手法で誤摩化そうとしたようにしか見えない「エヴァ」より全然いいだろう…なんて言ったら世の中のエヴァオタに殺されそうだなwww

◎しいてケチを付けるとすれば、俯瞰的な描写に拘り過ぎたからか、あらゆるシーンが淡白に見えがちではある…特に「現実」を描いたシーンは(おそらくは意図的に)徹底して淡白に描かれており、映像作品としてはちょっと物足りなさがあるかも知れない。
登場人物(特に主人公のバトー)が殆ど表情を変える事も無い為、余計に淡白に見えるし、心情も読みにくい…あるいはそれも意図的なのか。

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