2009/05/03

【Diary】今日の1本:Le Grand Bleu(Version Longue)

◎先日借りたDVDの本命がコレ。 でも結局DVDとして観る間が無く返却期限が…
と言う訳でiPodに落として、部屋のTVで視聴。 最初劣化を心配したが、全然観れるわ。 OKOK。
一応PCから再生用に画素変換無し・5.1ch版も作ってあるけど、普通に観るならiPod・VGA画質(1500kbpsマルチパスエンコード)で十分ですわ。

◎まず特筆すべきは映像の美しさ。 全てのシーン、全てのカットがそのままスチル写真になってしまいそうな程。 「アメリ」でもそうだったが、なぜこうも美しい映像表現が出来るのだろう。 これがフランス映画というものなのか。
広角カメラを効果的に使ったカメラワークは、海洋の雄大さや、記録に挑む潜水夫達の心情を巧みに描き出す。
映画と言うよりも、映像という形の芸術作品、と呼んでもいいかもしれない。

◎ただ、「映画として見てどうか」と言うと…最初の上映時に酷評されていたと言うのが判らなくもない。 あまりにも「情景描写」にウェイトを置き過ぎているが故に、人物や心情描写は非常に淡白な上、ストーリー自体168分の映画としては、内容が薄い。実際の所、ストーリーが動き出すのは、シチリアでの最初の選手権が終わってから…時間にして90分程度経過してからなのだ。
また極端に枝葉を省いた構成のため、ストーリーの理解…特にラストシーンへ繋がるシークエンスの解釈は非常に難しい…と思う。

◎あるいはこの淡白過ぎるストーリー自体も、リュック・ベッソンはわざとそうしているのかも知れない。 作品中でジョアンナ(ヒロイン)は、ジャック・マイヨールに人としての愛を求めるが、ジャックにあるのは大きな喪失感と、海への愛・情熱しかなく、見ようによってはジョアンナの存在自体が、「ノイズ」に見えてくる。
そういう視点で見ると、ジャックの孤独と空虚が、美しい映像に引き立てられ、一層その存在感を強める…古きフランス映画の名作「シェルブールの雨傘」にも似た、美しさと悲しさが絡み合った、独特の感覚を憶える。

◎さて、あと1本、これまたフランス物の映画ががあるんだけど…まだ見てないんだよねw




【追記】
ようつべにUSA公開バージョンでのラストシーンが上がっていたので紹介。
…さすが「はっぴーえんど」でしか精神的充足を得られないアメ公。 この余計な1シーン追加で一気に糞映画になっとるぞ…

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