【Column】複合機を買う
◎年賀状シーズン企画第2弾で,複合機の話.
ここ最近急速に市場が拡大している(らしい)インクジェット複合機, 値段もこなれているし,単体プリンタが「単機能機としてはありえないほど」設置面積を食うようになった。 そして何より「年賀状ぐらいしか使い道が無い」であろう単体プリンタよりは、使い出がある。
年賀状用途で使うなら、様々なネタをスキャンして組み合わせてオリジナル年賀状を作る、といった用途にも大活躍だ。
◎プリントエンジンは殆ど単機能機の使いまわしで,紙パスに起因する細かい差を除けばスピードも画質も単機能機と差はない. ということは前回同様,お買い得は4色・5色の高生産性モデルということになり,特にコピー機としての使い勝手を考慮すると,5色の大容量黒搭載機が最もお買い得ではないだろうか.
ちなみに,スキャナが上に乗ると言う構造上,メンテナンス性はあまり良くない. ウチの複合機など,スキャナをがばっと上に上げるので,なかなか重たい.
◎一方でスキャナ部は結構重要だったりする. まずスキャナの構造がCCDかCISかでだいぶ違う. CCDは解像度や画質,ダイナミックレンジの点では優れているが光路を折り曲げる構造上,横方向の読取倍率の点で不利になる. 以前ウチの複合機(CCD)で倍率測定をしてみたところ,A4で約1mm伸びていた. また強力な白色光源を要するのでウォームアップに時間が結構かかる.
◎CISは小型のPDをズラーッとラインアレイで並べた構造で,光源~原稿~センサの距離が近く,光路も折り曲げないので横方向倍率に優れるが,CCDに比べるとどうしても画質で落ちる. これはPDのダイナミックレンジもそうだが,1列のPDでRGB3色を読む為に高速でRGB各光源を明滅させるため,R,G,Bの各読取位置が1/3ドットづつズレるのだ.
出来るだけシャープに引かれた横の黒細線を読み込むと,ズレているのが判ると思う.
◎もう一つCCDとCISで大きく違うのが照明及び焦点の深さで,CIS系はちょっとでも原稿が浮くとすぐ暗くなる. 単体CISスキャナがフィルムスキャンになかなか対応できなかったのもこのためで,CISは照明や焦点距離に対する要求が非常にシビアなのだ. このため、例えば本の見開きコピーなどをやると、CISでは中央影で惨憺たる結果になったりする。
物理解像度に関してはCISもCCDもそれほど大差は無いが,正直なところCISスキャナは「モノクロ文書のコピー,あるいはFaxの送信用」ぐらい割り切らないとお勧めできない.
◎そしてコピー機能に関してだが、まず前提として「カラーコピーは絶対に色がずれる」事を認識しておく必要がある。色味もそうだし、CCDモデルなら横の倍率が、CISモデルなら縦の色がズレる。このためどうやったって原稿よりは劣化する。
…この時点で「高画質チューニングのプリントエンジン」があまり意味を成さないことが判るだろうか。 Canonの複合機の宣伝でプリントアウトした写真をうれしそうにコピーする場面があるが、わざわざ劣化版を作ってどうする? もう1枚打ち出せばいい話じゃないかw
◎そんなものを重視するよりは、カラーコピーよりはるかに多いであろうモノクロ文書コピーの生産性を考えたほうがいい。 一部のFax搭載モデルはADF(自動原稿送り装置)がついているが、これがあるだけでもコピーの生産性は随分上がる。 勿論プリントエンジンが速いに越したことは無いし、モノクロスキャンの速度が速ければなおさらだ。
ちなみにDFはスキャナとしての動作時も当然威力を発揮する。 最近の複合機はスキャンした画像をAcrobat経由しないでPDF化できるので、何かと煩雑になりやすい文書関係をPDFですっきり整理・管理するのにちょうど良い。
使おうと思えば、各種請求書や領収書など、実生活でも応用が利く。
2 件のコメント:
私のプリンタは、去年買ったHPの複合機(photosmart3310)です。
印刷性能よりも何よりも、標準で無線LAN対応しているのが有り難い。WinからもMacからも何ら特別なものを使うことなく印刷できます。置き場所も自由自在。これに慣れてしまうともうUSB接続には戻れません。4万円以上出して買った甲斐があった。
今年の無線LANモデルは1万円以上安くなっているのがチト悲しい。
うーんさすがHP!! って感じ。
日本じゃさっぱり市場の小さいHPですが、世界的なシェアは非常に大きいですからねぇ。
日本じゃ全然そんな機能が実装されていなかった時期から両面を積んだりして、
実用性という意味ではピカイチですね。
市場要求なのかお国柄なのか、画質面は「カラーで出ればいいだろ?」ぐらいの勢いですが。
そういえば昔のHPの機械ってクリーニングユニットが使い捨てになってましたが
最近のはどうなのかな?
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