2006/12/09

【Diary】次世代ディスプレイ

ITmedia:ソニー、FEDの事業化検討へ新会社設立

>技術を切り出し(カーブアウト)、外部の資金を活用して成長するベンチャー式の形態をとった。事業化の可否の判断に基づき、ソニーは買い取り・吸収や他社との合弁設立、事業売却などを検討していく。

うーん、事業化できるかどうかの判断がつかないまま別会社を設立するってどういうこと? 遅々として開発が進まないので、親会社にリスク回避で切り出されただけのような気がするのは私だけ?
そういえCanonも、SED技術を切り出して東芝と合弁会社作って「2005年に出す!!」いうて、「コストが合わん」 と言う理由でどんどん延期した挙句、いつのまにか「高画質を売りに」 と言う方向にいきなり振って2007年末まで伸びた
次世代ディスプレイ技術はどこも欲しい(Canonは従来ディスプレイ事業に手を出しては失敗し、SONYは液晶の自主事業を断念した)が、リスクが高すぎるので別会社化、あわよくば本体に吸収、ダメなら切り捨てて本体へのダメージ無し、といったところだろうか。

◎SEDもFEDも本来はCRT技術の延長にある。 CRTは陰極からの電子ビームを画面走査させていたが、SED・FEDは画素ごとに陰極をズラッと並べて電子ビームを画面にぶつける。
CRTと同じ原理なので高画質、CRTの製造技術を応用できるので低コスト、電子走査空間が必要ないので薄型…と、経営陣にとっては耳聞こえの良い話だが、実際のところ画素分ズラッと並べた電子放出電極の特性を揃えるのは一筋縄では行かない。
この点においてSEDもFEDも苦しんでいるそうで、1歩先を行くSEDは周辺諸国への技術流出対策で特許も出せない状態らしい。

◎Canonはコストを理由に再三の発売延期をしたが、個人的にはこういうものは「どんなに高くてもいいからとにかく出す」ことがまず第1歩ではないかと思う。 まずは製品の形にして、実際に工場を動かさなければ、低コスト化は狙えない。
それに、早く製品化しないと、既存のプラズマも液晶もどんどん価格が下がっている。 こいつらは当然ながら量産効果による低価格化によるものなので、時間が経てば経つほど「新技術」と「既存技術」のコスト差が開く一方なのだ。
まぁ、良い意味でも悪い意味でも利益主義で、やるからには即事業化できなきゃ気がすまなかった当時のCanonの経営陣(今は違う)からすれば、テストヘッドとしての製品化なんて許されなかっただろうけど…

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