【Diary】神保町の隠れ家
表通りから1歩踏み出した裏路地にその店はある。
その日は妻が朝から出掛け、私はすることも特に無かった。外を見れば冬の陽気が差し込み、ちょっと散歩するにはちょうど良い塩梅。
◎あの店に行こう。
行く先もする事も決めていないが、バッグにカメラを詰め込み、私の足は自然と神保町に向かう。
目的があるとするならば、この店に行くことだけだ。
目的があるとするならば、この店に行くことだけだ。
◎最初に断言しておこう。
一人で行って、本も読まずにコーヒー2杯だけで1時間も過ごせる店を、私は他に知らない。
決して薄くは無いが、後味が切れるあっさりとしたブレンドコーヒーと、派手さは無いがじっくり辛い「喫茶店のカレーライス」。
これらを食みながら、ゆっくりと煙草を燻らせ、ブリキの照明を見上げながら、頭に浮かぶ様々な想いをメモに書き留める… 本当にこんな程度のことしかしていないのに、
あっというまに時間が過ぎる。
「居心地が良い」と言う言葉では形容できない空間が、この店にはあるのだ。
◎辺りを見回せば、静かに談笑する男女、本を読みふける初老の紳士、何かを一生懸命書きとめる大学講師…
店も、珈琲も、客も皆、街のどこかに置いてきた何かが、ここにはあるような気がするのだ。
◎写真の佇まいを見て、惹かれるか、引いてしまうかは人それぞれ。
しかし何か心に響くものを感じたならば、一度足を運ぶことをお勧めする。
0 件のコメント:
コメントを投稿