2006/12/18

【Diary】今日の1枚 :大江千里「Avec」

◎何だかんだ言って日本のポップス界にずーっと存在し続けるシンガーソングライター、大江千里の5thアルバム。 1985年の作品。
このCDを買ったのは確か12年前、学生寮のボロ部屋で、ポータブルCDにヘッドフォンを突っ込んでひたすらコレを聴いていた記憶がある。

◎実は私は1st、2nd、4thを除く全アルバムを持っていたりするのだがw その中で1枚選べと言われたらこの1枚を選ぶ。
LPからCDの過渡期に、一斉にCD化されたため、LPイコライジングの音がそのまま入っており、今の音では考えられないようなサチュレーションしたヴォーカル、ハイの落ちた丸みのある音像がそのまま楽しめる。
一言で言えば、やっぱり80年代の音がするのだ。 例えば先日のはっぴいえんどのように、過去作品のプレセンスを蘇らせるようなリマスタリングとは無縁の、「CDである必要すらない」ぐらい素の音が入っている。

◎そして楽曲は不思議とその音像にぴったりはまる。 ジャケットがそうであるように、歌詞もメロディもサウンドも、どこかに優しさと暖かさがある。 本作と、その前の「乳房」は、それらの前後のポップで軽快な楽曲とは対極の、風景画的な浮遊感のある楽曲が多く、ただ流していても、逆に聞き入っていても、心に響くものがある。
どんな状況で聞いても楽しめる1枚だが、あえて状況を限定するなら、ちょうど今の季節の夜汽車だろうか。
恐ろしいほどハマってくれる。

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