2009/08/14

【Journey】東京ナミイタ探訪ツアー・プロローグ

◎それは数日前の事だった。
都内某所に飯を食いに行った帰り道、ふと言われた。
「ちょっと寄り道がてら、散歩して行こう。 面白い道があるよ」
言われるままについて行ったそこは、車も通れぬ細い路地と石段、戦線から有る様な木造とナミイタ(※1)の古い家、真夏の夜にクーラーもかけず窓全開で寛ぐ一家、漂う蚊取り線香の匂い…
そこだけまるで時が30年以上はさかのぼったかの様な空間だった。 しかもそこは、山手線の内側、後楽園の至近である!!

◎こんな場所がまだ東京にあったとは。 物珍しさ…と言うよりも「懐かしさ」で衝撃を受けた。
と言うのも私は小学生時分、神戸の阪神沿線という、思いっきり「下町」に住んでいた。
「下町」と言っても、東京西部や都心部に住む様な「おキレイ系」や若者,スイーツ(笑)、社会的潔癖性連中が連想する様な「観光地的」な下町ではない。

◎私にとっての「下町」とは、細い路地、ナミイタと木と塗り壁の古い家、整頓されぬ乱雑な町並み、道路まで溢れる生活空間、汗と酒と煙草とゴミが混じった独特の匂い、点在する居酒屋と徘徊労働者、暗黙に存在するエロとバクチと酒の「必要悪」…そういったものがブレンドされた、社会的潔癖性共が発狂しそうな「猥雑」とした空間こそが「下町」と呼べる場所である。

◎東京でそのような「猥雑な下町」が無いか、いろいろ探してみるとふたつの接点を見つけた。
「明治通り」、「城東地域」この二つがキーワードだ。
以前から車で走っていて気がついていたのだが、明治通りを城北から城東にかけて行くと、古い…というかボロい町にどんどんヒットして行く。
王子から尾久、日暮里・三河島、三ノ輪、南千住、東向島、曳舟、京島、向島…
それらの周辺である町屋、千束、日本堤、八広あたりも、古かったり狭かったり曰く付きだったりと特徴のある町だ。
そして何よりこのあたりの町、どれもこれも歓楽街はあの「浅草」に繋がっている。
恐らく東京で最もレトロで「酒とエロとゴミの匂いのする町」浅草、その文化圏なら、知名度も上がらず再開発もされない、昔のままの「下町」がきっとあるだろう。

◎と言う訳で,少々前置きが長くなったが「東京の町を切り取ろう」ツアー派生企画「東京ナミイタ探訪記」、第1弾のツアーに出かけてきた。 目的地は南千住。 ここから足を伸ばして古い街並みを歩き回ろう、と言う訳だ。
今日はもうレポを書く気力も無いが、なかなか濃い街並を回ってきたので、次回以後そのレポを書こうと思う。
乞うご期待。

※1:トタンのこと。

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