【Journey】東京ナミイタ探訪ツアー・日本堤 前編
◎という訳でこの日、私は南千住に降り立った。 数年前にほぼ同じ目的で南千住に降りたときは駅西口前はに怪しい飲み屋が点在していたが、今回来てみると奇麗な高層マンションが建っていた。千住の近辺は再開発が著しく、特に隅田川操車場の広大な土地を持つ南千住エリアの再開発はまさに今進んでいる所だ。
◎吉野通りに出ると北側はちょっとした商店街になっているが、南側には寂れた飲み屋と陰鬱とした雰囲気の跨線橋があるのみ。 すぐ横には小塚原刑場跡と首切り地蔵。 霊感の強い人ならこの時点で卒倒だろう。
そして目指す町はこの先だ。
◎巨大な南千住二丁目アパートと隅田川操車場を眺めながら跨線橋を渡ると町の雰囲気が一変する。 鼻を突く酒とゴミの匂い。 他では有り得ない値段設定の定食屋が並び、軒先にはゴミ箱と自転車が並ぶ。
そのまま先を進めば泪橋。 そう ここは台東区日本堤・清川エリア、通称「山谷」だ。
◎山谷と言えば日本を代表する寄せ場…所謂「ドヤ街」。 日雇い労働者達が夜露を凌ぐ簡易宿泊所が立ち並ぶ町。 町はゴミに溢れ、酒とゴミの匂いが鼻を突く。 昼間ともなればある人はあてども無く町を彷徨い、ある人は路上に座り酒を煽り、またある人は道端で眠る。
「日本」「東京」「都市」「都会」「平成」…そんなコトバに隠された現実がここにはあるのだ。
そして、本来「町」が持っていた原風景もまた、ここにある。
◎…とは言うものの、夏の観光シーズンかつ丁度コミケ開催時期と言う事もあってか、外国人バックパッカーや、とても肉体労働者には見えない身なりの奇麗な若者も何人もいる。 山谷自体、労働者達の高齢化もあって「労働者の街」から「福祉の街」に変わりつつあり、表通りの歴史あるドヤは取り壊され、それなりに奇麗なホテルに改装されていたりする。
とはいえ路地を1歩踏み込めばまごう事なき労働者の街のままであり、古い民宿のようなドヤの軒先には労働者達がたむろしている。
店の軒先に置かれたTVから流れるのは高校野球とギャンブル実況。 気だるい夏の盛りの下、町の住人達は酒をあおる。
ある意味,これこそが「下町」の原風景なのかもしれない…ちょっと極端だけど。
後編へ続く。
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