【Journey】東京ナミイタ探訪ツアー・日本堤 後編
前編より続く…
生活のあらゆるモノが混じった匂いが一層脳髄を刺激する一角。
ここが山谷の中心、城北労働・福祉センター。 労働者達はここで仕事をもらい、その日の糧を得る訳だ。
建物の横の鉄門は真っ黒に焼けこげ錆び付き、ここで炊き出しが行われている事を如実に語っている。
何しろこの辺りが最も山谷で人の通りの激しいエリアだ。 山谷で写真を撮ること自体かなりリスキーだが、ここでは相当気を使った。
所々、携帯電話の写真が混じっているのはそういうことだ。
◎そんな山谷だが、ドヤとは言っても基本的には民宿のような作りの建物ばかりなので、路地1本入ればこのとおり、下町の表情を覗かせる。 ちょいと宿場の看板が多いぐらいだ。
それにちゃんとした住民もいる。 道端の自転車は労働者のものだけでなく、地域住民のものも混じっている。
道行く人含め、多少の細かい事を気にしなければ、素朴な「下町」がそこには広がっているのだ。
◎そんな山谷の建物群、やはり圧倒的に古い。 山谷は戦災にもあっておらず、おそらくは戦前のものであろう古い宿が軒を並べている。 さすがに人口密度を考慮してか、所謂ナミイタ建造物は無いのだが、古い塗りの建物あり、木造建屋あり、立派な構えの宿屋ありと、なかなかに表情を見せてくれる。
◎特に圧巻だったのがこれ。 蔦に埋まり、もう建物の形状がさっぱり判らない。冬になれば蔦が枯れて少しは判り易くなるのだろうか…
おそらくは木造である。 もしかしたら、山谷で最も古い建造物かも。
ちなみにこの裏、今は福祉施設の建設をやっているが、その前は小学校だった。(→Google Mapの写真)裏の路地に出れば普通にコンビニも喫茶店もある。 ドヤ街といいながら、きちんとそこにはその土地の生活があり、住む人がいて、通う人もいる。
一見異様なこの地域も、他と寸分違わぬ「東京」の1コマであることをあらためて実感した。
◎さて、そんな山谷をあとにして、明治通りを突き進み墨田区を目指そう。
次回「東向島編」。
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