2007/04/25

【Apple】Leopard延期の影響は?

ITmedia:Leopard延期は深刻な問題じゃない

◎マーケティング的には製品出荷が遅れる=勝機を逃す,ということで必ずしも歓迎されることではないが、確かに本コラムの「深刻な問題ではない」は一部的を得ていると思う。
特にVistaが歩んだ延期のプロセスと大きく違う点は、(延期した期間のこともあるが)延期した上に実装機能まで削られるという「ユーザの失望」を引き起こす要因が存在しないことだ。 少なくとも、Leopardを待たされている顧客の視点からは、だが。

◎昨年のWWDCでLeopardの機能がいくつか紹介されたが、それはとても限定されたもので、Leopardの全容は1年近く経った今でも見えていない。 しかしその限定された情報だけでも、Leopardの商品価値への期待感を高めるには十分の内容だったと思う。
解放する情報を限定することで、意地悪的に言えばボロが見えなくなる。
逆説的ではあるが、仮にLeopardが当初計画していた機能のいくつかを削ったとしても、WWDC発表時点での内容をちゃんと網羅さえしていれば、顧客からすれば失うものは特にない。 最初から存在しなかったのと同じなのだから。

◎情報を限定することのもう一つの利点が「未知への期待を煽れる」ことだ。 例えばAppleは今年、例年1月に実施していたiLife/iWorkの07年版リリースを見送り、その予定すら未定の状態のままにしている。
この状態は、「仮に、既にiLife/iWorkの「07年度版」としての姿は既に出来ていて、Leopardのマーケティング上の理由により隠されている」という憶測を呼ぶには十分で、iLife/iWorkという「アプリケーション」に関心・期待を持つ顧客も、Leopardに関心を持つようになる。
そしてなによりLeopard自身、Appleが「トップシークレット」と呼ぶものが何なのか、明らかになっていない。

◎総合して言えることは、延期という状態ではあるが、その中で(あるいはそこに至るまで)の情報開示をコントロールすることで、延期期間を失望から期待に転換させる。 この戦略は「見事」というしかないだろう。 だからこそ「深刻でない」と評されるし、

「もちろん、少しがっかりしているが」とこの人物は続けた。「だが(延期で)Leopard版の自社プログラムにかけられる時間が増える。悪いことではない」

こんな意見まで飛び出してくるのだ。

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