2006/06/09

【Computing】OpenOffice.org

先日のFavoritesでちらっと触れたOpenOffice.orgをインストールしてみた。
将来的にMacを買うにあたってオフィスアプリケーションをどうするかという選択肢の一つを考慮してみたのもあるし、
普及度が増してきたOpenOffice.orgがどの程度のものか調べてみたかったからだ。

◎OpenOffice.orgはWriter(ワードプロセッサ)、Calc(表計算)、Impress(プレゼンテーション)、Base(リレーショナルデータベース)、Draw(ベクターイメージ)、Math(数式エディタ)から成り立っている。 OOo1.1.0ではHTMLEditorもあったのだが、2.0.0ではなぜか省かれている。
個人的にはテキストメモの代わりにHTMLエディタを多用するので、出来れば入れて欲しいのだけれど。
特徴的なのは、Writer、Calc…といった各機能がMS-Officeのように個別のアプリケーションとしてではなく、OpenOffice.orgというアプリの中のモジュールとして振舞うことだ。 このため、ドキュメントの管理自体はどのアプリケーションを使っていても基本的に同じで、ファイルオープンもOpenOffice.org自体から起動して、ファイルの種類にあわせたモジュールが立ち上がる、といった構成になっていることだろう。

◎動作に関しては、実はかなり重い。 私のInspiron(Pentium-ⅢLV800MHz、RAM640M WinXP Home SP2)では特に起動時にハデにスワッピング(いまどきこういう言い方もしないか…)を起こしてしまう。 まぁ比較対象がOffice2000なので、そのバージョン差もあるかもしれないが、とりあえずこの点では明確にMS-Officeに負けている。

◎WriterとCalcを軽く使ってみた感想として、機能的にはかなり近いところにきているが、どうせオフィスアプリケーションとして使うなら、キーボードショートカットをもう少し充実させても良いのでは? と思った。
特にExcelを多用する私としては、「CTRL+1」でセルの書式設定とか、CTRL+Bのボールド、CTRL+Iのイタリック等のショートカットは多用するし、他のショートカット機能にしてもExcelとの互換性を持ったショートカット構成にしてくれるともう少し移行もラクなのだが。ここらへんの操作系の違いを補正するのに結構手間を取られそうだし、ショートカットのカスタマイズは可能だがそもそもカスタマイズしたキーボードショートカットというのは忘れがちだ。
どちらかというとOpenOffice.orgのインターフェイスは「機能はマウスで呼び出す」というところに重点が置かれているようだが、生産性を考慮するならキーボードショートカットをもう少し重要視するべきなのではないだろうか。

◎またCalcに関して言えば、グラフの概念が非常に分かりづらい。Excelで慣れているというのもあるだろうが、私のように複雑な系統を持つ重ね合わせグラフを多用する人間にとってみると、Excelで普段やっているような項目ごとの数値を個別に指定していくやり方が、実は直感的だったことに気が付く。
もちろん家計簿程度の簡単なグラフならすぐに描画できるが、理数系や統計処理等の複雑なグラフを構成しようとすれば「どうやればいいんだろう」から入らなければならない。 ここはExcelの代替に使うにはちょっと大変そうだ。

◎互換性に関しては、MS-Office系のファイルは読めるし書き出しもできるのだが、例えば先に述べた複数の種類や項目を重ね合わせたようなグラフだと読み込みが出来ずハングアップしてしまった。
また逆にOpenOfficeでサポートしているような入れ子の表などを使うと、当然Excelでは読み出せない。

◎と、まぁ最初はちょっととっつきの部分で躓いてはいるが、しかし実際少し触ってみて
「使いこなせば本当に個人ユースのオフィスアプリとしては十分なものかもしれない」という感想を持った。
MS-Officeの競合が居なくなって以後、どうにも(特に値段的に)殿様商売が続いている状態なので、
OpenOffice、あるいはそれをフレームワークとした廉価なオフィスアプリケーションが出揃ってくれば、ホームユースに最適な対費用効果を得られるかもしれない。
まぁ個人的には、iWoksに表計算とかHTMLエディタ機能を組み込んでほしいものだけど。

◎ともあれまだまだ研究していくと面白そうなので、続報があったらまたレポートしようと思う。

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