2006/06/09

【Traffic】新幹線車両雑感

◎次世代の新幹線車両、N700系が発表された。 一応700系の名前を踏襲してはいるが、中身はほとんど別物に近い。
山陽区間での営業最高速度は500系の300km/hに並び、線形的に270km/hが限界の東海道区間でも、車体傾斜装置での高速カーブ通過、通勤車両なみの加速度(2.6km/h/s。 ちなみにJR東日本の最新型通勤車両のE231系で2.5km/h)によって、5分のスピードアップを果たしている。 たかが5分、されど5分、である。
ちなみに車体傾斜装置の恩恵として、走行中の加減速が現象したことで消費エネルギーも減少しているとか。

◎700系で「カモノハシ」と揶揄された先頭形状はさらにエグい形状となった。トンネル微気圧波の発生を抑制しながら、700系/300系と同等の乗員数を確保すると言う設計の制約の結果だが、700系がまだ見る角度によっては結構流麗に見えたのが、車両サイドの張り出しと運転席部の突起がさらに目立ちやすくなったような、そんな印象だ。
まぁこれもカラーリングの問題なのかな。 700系レールスターは運転席部を別塗装にしてキャノピー的なイメージがあるし、比較的先頭形状が似ているJR東日本のE2系も、ツートンカラーでサイドの張り出しが目立ちにくくなっている。

◎今回のN700系の「のぞみ」投入で700系は「ひかり」での運用がメインとなり、300系/500系が運用から外れていく形となる。 300系/500系ともに速度の向上を追及しすぎたしわ寄せが顕在化している車両であり、(300系は主に居住性、500系は輸送効率)汎用性や速達性に富んだ700系が非速達型新幹線に投入されるならば、それは歓迎されるべきことだろう。
しかし、「新幹線の車両」といわれると、配備期間が長かっただけに、今でも「新幹線」と言うと脳裏に0系のあの丸顔が思い浮かぶ人も多いだろう。 私もその一人だ。 それと比べると最先端の新型車両は確かに先進性はあるが、0系のような皆に愛されそうなあの愛嬌は感じない。 それだけに、リニューアル工事を受けながらいまだ現役で走っているJR西日本の新大阪20番線から発着している0系こだまを見ると、妙に安心したりする。

◎それにしても0系、リニューアルされているとはいえ基本設計が40年以上も前の車両がいまだ現役(しかも一応200km/h台の運転が出来る)というから驚きだ。
0系はその増備期間の長さも群を抜いており、1985年の100系登場以後もさらに4年間は増備が続いていた。 とはいっても0系の寿命がそれほどまでに長かったわけではなく(それでも最近の車両に比べれば長いほうだが)むしろ在来線車両よりも痛みは早い。 にもかかわらず0系が長期にわたって配備され続けたのは、当時の国鉄の経営状況や労使間の関係悪化が影響していたそうだ。(新型車の投入は、合理化の口実になる、といって労組側が反対していた)
N700系の投入によって0系の完全廃止も取りざたされているが、あの新大阪の駅の隅にたたずむ0系は、個人的には残っていて欲しい新幹線の「風景」である。

2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

http://d.hatena.ne.jp/feelflows/20050214#p1
新幹線は「ひかり」と「こだま」。
0系以外認めません。

Unknown さんのコメント...

大阪駅13番ホームには
ボンネットの485系以外認めません。

…などと、鉄オタ以外理解できない会話をしてみるテスツ。