2007/01/05

【Camera】RAW現像処理

◎デジタル一眼レフカメラのひとつの醍醐味であり、ある意味必須作業と言えるのがRAWの現像処理だ。

写真は、KDN+EF-S17-85 F4.5-5.6。 1/4000 F4.5。 モノクロ現像処理。

◎何故現像が必要なのか? それはデジタル一眼の特性に起因する。 デジタル一眼を構成する大型撮像素子は、露光許容量(ラティチュード)がコンパクトのそれより全然大きく、細かい階調再現性を誇るが、それは同時に全体のコントラスト低下を意味する。
大雑把に言えば、彩度の高い、鮮やかな色再現が苦手なのだ。 これはAdobe RGB色空間、RAW撮影をすると顕著で、そのまま色補正ナシで出力すると色鮮やかな風景を撮っても淡い色に写るし、肌色も少々くすんだ感じになる。

◎実はその淡い色が「光学的現象としての色」としては正しいのだが、一方で人間には「記憶色」と言うちょっと困った特性がある。大雑把に言えば「赤はより赤く、青はより青く…」と言う風に、実際の色よりも知覚的に彩度を高く認識すると言うものだ。 このため一眼レフ含めた最近のデジタルカメラはこの「記憶色」に極力近づけられるように、撮像素子のメタデータをJPEGに変換する際に全体の彩度・コントラストを上げる画像処理を行うが、時としてこの画処理が階調性を犠牲にした「塗り絵」を吐き出してしまうことがある。(経験則で言えば、その確率のほうが高い)

◎この「記憶色への調整」と「階調性の確保」を両立させる手段が、「自分で現像し、好みの色に仕上げる」と言う行程になるわけだ。 Photoshopに代表されるようなフォトレタッチソフトを使ってトーンカーブの調整をするのが一般的だが、KDNの場合、そこそこ優れた現像ソフト「Digital Photo Professional」が付属する。 こいつはRAW調整に関しては明るさが露光補正の範囲だったり、色調調整がホワイトバランス単位だったりと、カメラ本体の現像パラメータとほぼ共通の感覚で使えるのがウリだ。

◎実際のところホワイトバランス調整(色温度調整)での色調変化が大きく、トーンカーブをいじらなくても、露光補正とホワイトバランスの最適化だけで彩度とコントラストのバランスが取れた写真を仕上げることが出来る。またCanonが積極的に推進する「ピクチャースタイル」は、良くも悪くも写真を別物にしてしまうほど豪快に色変換をかける。 冒頭のモノクロや、コントラストを思い切り挙げて青強調する「クリア」、ホワイトバランスをB側に飛ばして全体を紫色にする「トワイライト」は代表格だ。
これらは使い方が難しいものの、ハマると幻想的な写真を創る事もできる。

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