2007/01/26

【Sound Works】Winter NAMM2007で見えたMotifXSの姿

MYCOMジャーナル:NAMM Show 2007 - 音楽ワークステーションからメロトロンまで - キーボード編

◎Winter NAMMの季節がやってきて、シンセサイザーメーカー各社のサイトも賑わってきたが、ついにYAMAHAの製品情報にMOTIF XSが載った
製品機能としては前回の紹介記事から変化は無いが、さらに判明した点がいくつかある。

・61鍵モデル、76鍵モデルの鍵盤変更
従来モデルのFS鍵盤(SY99から採用されているセミウェイテッド)でも、シンセ鍵盤としてはかなり良好なタッチだったが、果たしてどのような鍵盤になるのか。

・同時使用可能な4系統のアルペジエータ
一瞬何のために? とも思うが、コレ使えば簡単にピコピコ系テクノが作れそうだ。 …私は使わないけど。
パターンシーケンサーも充実してるので、ループベースで曲作りする人には良いかも。

・Ethernetポートの標準装備
基本的にはPCとのデータ通信に使うもののようで、従来のSCSIポートを置換するものと思われる。 さすがにCoburaNetには対応しないだろう… ルータまで配線を引き伸ばせば無線で通信できるかもしれないが、あまり意味は無いかな。

・エレメント構成の変更
長年YAMAHAのPCMシンセの基本だった「1ボイス4エレメント」がついに拡張されて8エレメント構成となった。 キーオフノートやレガート等にも対応し、ESから盛り込まれたキーボードメガボイス(ベロシティによる同一エレメントでの波形変更)にも対応しており、このあたりの自由度はやっとRolandに追いついた感じがある。

・エフェクター
1ボイスあたり2インサート+2センド、マルチ時8パート同時使用という基本仕様は変わっていないが、VCM(物理演算モデリング)によるビンテージEQやアナログコンプ、フェイザー、ヴォコーダー等のプログラムが増えている。
FDSP的モデリングエフェクトを期待したのだが…ちょっと残念。

・IEEE1394ポートの装備(XS8標準、XS7/6オプション)
オーディオI/Fとしての使用が前提だが、「mLAN対応」とは特に謳われていない。 StudioConnectionには対応しているので、mLAN対応あるいは準拠と見て良いのか?

・プラグインシステムの廃止
これはちょっと痛い。・゚・(ノД`)・゚・。 ANとかDXとか、PCMでは再現できない特徴ある音源形式がたくさんあるのに…
ただ、音源形式にある「AWM2+アーティキュレーション機能」というのが気になる。 何かまた変調処理があるのだろうか?

・Cubase AIのバンドル
何かと思ってたら、Cubase 4ベースの廉価版シーケンスソフトのようだ。
ちなみにリモートコントロール可能なシーケンサは、Cubase4、SONAR5.2、Logic7.2、Digital Performer 5.1とのことだ。

◎総じて言えるのは、やはり良くも悪くもMotif ESの進化系であり、必要十分な機能を持ってはいるがハデさというか盛り上がりにはちと欠ける、堅実なつくりであるということだろうか。
あえてひとつ特徴的な点をあげるとしたらポート類の充実で、1394ケーブル1本でのMIDI/オーディオ転送に加えて、Ethernet経由でのオーディオデータ転送にも対応している点か。 従来サンプラー搭載機種で常々問題になったストレージの問題が、比較的的手軽な手段で解決されている点は評価に値すると思う。

◎あと気になるのは値段だが、果たして国内発売価格はいくらになるのか…

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