2007/01/15

【Diary】さて、どうなるSED

◎少し前のニュースだが、
ITmedia:SED生産はキヤノン単独事業に 量産計画見直しへ

キヤノン(が)東芝と共同で進めていた次世代薄型テレビ「SED(表面電界ディスプレー)」事業を単独で展開することを決めた。同社にとっては、まさに悲願でもある「家電事業」への進出に向け、大きな賭けに打って出たといえる。SEDへの熱が急速に冷めてきたとされるパートナーの東芝との温度差も、単独へと背中を押したようだ。

うーん、東芝からしてみればREGZAの開発に投入すべき技術者を、製品も利益も出ない合弁会社に放り出すメリットがついに見出せなくなった、と言うところが本音ではなかろうか。
不採算事業からは潔く撤退する、その時期は速い方が良い、と言うのを経営の手腕としてきたのは、誰あろうキヤノンそのものなのだから。

◎かつてキヤノンは「液晶ディスプレイ事業」と言う不採算事業を抱えていたが、合理化を理由に撤退し、その姿が経済界で少なからず評価されてきた過去がある。(ページ内を「液晶」で検索) これの序章にもそんなことが書いてあったな。
そのキヤノンが製品が出せない不採算のスパイラルにはまり、また特許至上主義を標榜する同社が特許問題に足を引っ張られると言うのも、これ以上ない皮肉である。

◎まぁキヤノンをクサす気も特に無いのだが、製品も出ないうちから事業化・利益化、と言うやり方は非常に首をかしげる。 普通に考えれば、採算度外視の技術アピールモデルでもまずは市場に出して認知度を高めると共に、後続モデルでの量産効果を検証し、その上で事業化出来るかどうかを判断するものではないかと思うのだが。
例えば100インチオーバーの液晶やらプラズマテレビ、アレは価格や販売実績というより、顧客へのアピールではないのか。 実際に売れるモデルは違ったとしても、「ウチの技術でここまで出来ますよ」とアピールすれば、その技術が応用される普及モデルへの技術期待度も高まる。 少なくとも、誰が行くのか判らないクローズドなショーで展示するよりアピール力はある。

◎それともそもそもそういうアピールに耐えるほどの製品すら作れないのか… だとしたら2008年北京需要なんて夢のまた夢だが。
SED社の発表ではファーストモデルは今年の冬らしい。 さて、どうなるか。

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