2005/11/23

【Maldives】コーラル・ワンダリング …11/22

◎島国モルディブはその大半が環礁で構成されており、一つ一つの島も珊瑚礁の隆起で形成された島である。
そのため島一つ一つの面積が非常に狭く、例えばバンヤンツリーのある島にしても島の周囲を1週するのに10分とかからない。
島はコーラルリーフ(一般的に言うバリアリーフ)で取り囲まれている為、ビーチからリーフまでの水域は非常に水深が浅く、一方リーフの外側は即ダイビングが可能なほど水深がある。
殆どのリゾートがのエントランスが長い堤防の先にあるのは、リーフの内側は水深が無さ過ぎて船が入れないためだ。

◎さて、そんなモルディブのビーチ・リゾートでの楽しみがシュノーケリングだ。
勿論ダイビングのほうがより多くの海棲生物を見ることが出来るが、スクールを受講し、ライセンスを受領した上で、高価な機材をレンタルして、せいぜい楽しめるのは1ダイブ1時間程度。
しかしシュノーケリングならライセンス等は無いし、自分の好きなときに好きなだけ楽しめる。潜る事を考えなければ、体力と体温が続く限り海の中を楽しめるのだ。
必要な物は、ちょっとした機材と少しの練習と、肺活量だけだ。

◎モルディブ・リゾートにパックツアーで行く場合、殆どの場合シュノーケリング・セットは無料で貸してくれる。
機材はゴーグル、シュノーケル、フィン、これだけだ。

これをもって海に入るわけだが、その前に必ずやっておくのが背中の防護。
シュノーケリングはその殆どがうつぶせの状態で海面を漂うので、何かしら防護しておかないと背中がシャレにならないほど焼けてしまう。 ダイビング用のウェットスーツを着る人もいる(日本人は多い)が、Tシャツだけでも十分だ。

◎海に入るときは、まずゴーグルの内側を唾液か海草で拭う。
曇り止めだ。
それが済んだら一度ゴーグルを装着してシュノーケルを咥え、鼻から息を吸い込んでゴーグルが密着すること、シュノーケルが変に曲がっていたり、こめかみに食い込んでいたり(かなり痛い)していないことを確認する。
腰が水につかるぐらいまで歩いて行ったら、フィンをつける。
フィンをつけたら、歩行は後ろ向きが基本になるので、すぐに水面に浮かべる水深まではフィン無しで歩いていったほうがいいだろう。

◎ではさっそく泳ぎ始めよう。
フィンは膝を柔軟に使って、つま先を伸ばして大きく動かすと速く泳げる。
水深の浅いコーラルの内側では、そこかしこにナマコが見える。
見た目だけでもちょっとグロテスクだが、うっかり触ったりすると内臓を吐かれるので注意する事。
また、コーラルの内側とはいってもサンゴがある海域もあるため、基本的にこの水域では潜行はしないほうがいい。
サンゴに触れるのはタブーだからだ。
そうはいっても水面近くまでサンゴが迫っている所もあるので、コース選びは慎重に。
時々海面に顔を出して、方向を確認しよう。

◎この海域では、ナマコの他、いくつかの魚が見れる。
特徴としては比較的小さく、全身が白っぽい魚が多い。
うっかりしていると見逃すレベルだ。

ちなみに、人は襲わないがサメとかエイ(スティングレイ)が泳いでいたりもして、かなり驚く。



◎さて、チャンネル(コーラルを意図的に削り取って、外海との通路にしている部分)を通ってコーラルの外側に出てみよう。
突然海水の色がグリーンからディープ・ブルーに変化し、底無しの断崖絶壁に出くわすはずだ。
それまでは聞こえなかった「炭酸飲料のような音」が周囲を支配していたら、その海域のサンゴが生きており、呼吸をしている証拠だ。
その周りでは、熱帯魚たちが優雅に泳いでいる。
このディープ・ブルーの領域こそシュノーケリングの醍醐味だ。
断崖絶壁にはたくさんの海棲生物がおり、その周りを色とりどりの魚たちが優雅に泳いでいる。
まるで、熱帯魚の水槽に放り込まれたような感覚を覚える。

◎ここまで来たら潜行の練習。
大きく息を吸い込み、頭を下にして一気に潜る。急激に水深が深くなると耳が詰まるので、ゴーグルの鼻あてを押さえて鼻から息を吹き、耳抜きをすること。
浮上は浮上にかかる時間を考慮して早めに開始(フィンで潜ると、考えていた以上に深く潜ってしまうことがある)。
海上に頭が出たら、思いっきり口から息を吐き出す!!
するとシュノーケルの中の海水が抜けて、息が出来るようになるはずだ。
ゴボゴボと言う音がするときは、まだ海水が残っているので、海水を飲まないように慎重に息を吸い込んでからもう一度思いっきり吐き出せば排水できる。

◎さて、コーラルの回りを回遊したり、気が向けば潜ったりするのも楽しいが、興が乗ったら少しだけ沖に出てみよう。
底も断崖も見えないほどの深海に出た時に、ぼんやりとした白い影が見える。
何かと思って潜って見ると、小さな熱帯魚たちの群れに出くわす。
もちろん触れたり、捕まえようなんて考えてはいけない。
群れの横を追走するように泳いでいくのだ。
ふと体を翻して、コーラルに戻れば、先ほどとはまた違った表情が楽しめるはずだ。

◎さて、シュノーケリングにはダイビングのような時間制限は無いので、冷えてきたとか疲れてきた、と思ったときが終了の合図だ。
無理をせず、来たコースを戻って、海から上がろう。
終わったら使用したもの全てを真水で洗い流す。
機材も、Tシャツも、ダイバーズウォッチも、全てだ。
砂を落とすと同時に、潮を落とすのだ。
これをやらないと、Tシャツは磯臭くなるし、機材類は黄色くなってしまう。
シャワーを浴びたら、コーラルで見つけた風景を思い返してみよう。
きっと、また潜りたくなるはずだ。

◎たいしたお金もかからず、高度な技術も要らず、気軽に魚たちと戯れられるシュノーケリング。
機材代がタダなので皆こぞって借りる割にはコーラルの内側を適当に周回して満足する(あるいはこんなものかと見切りをつける)人もいるが、美しい海に行く機会があるのなら、一度はやってみる価値があるだろう。
そして、やる時には思い切って沖に出て、海棲生物のパラダイスを堪能するのが良いだろう。

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