【Diary】ガラパゴスの原因
ASCII.jp:「ガラパゴス」を日本のチャンスに
日本の携帯電話を「ガラパゴス」と呼ぶのはもはやおなじみだが、今では世界に通用するようだ。19日のニューヨーク・タイムズは、「日本の携帯電話はなぜグローバルにならなかったのか」と題して、ガラパゴス症候群を紹介している。◎…と、ここまで書いておきながら原文リンクも無いってのは不親切なコラムだよなぁ。
まあ、予想通りiPhoneヒットと国内端末衰退の比較論をやっているのだが、このコラムニストさんはこんな視点を展開している。
昨年、日本の携帯電話業界の最大の話題は、アップルのiPhoneの成功だった。最初、海外でiPhoneが登場したとき、「あんな機能は日本のケータイには全部ある」と冷ややかにみる向きが多く、デラックスな端末に慣れた日本のユーザーはiPhoneのような単純なスマートフォンには魅力を感じないだろうと予測されていた。…うーん、何か違う気がする。 確かにAppStoreがiPhoneの人気を後押ししたのは事実だろうけど、ドコモだってiモードアプリのSDKは配布してるし、アグリケートもきちんと行っている。何よりも別にAppStoreが「ハードウェアと一体化しない」マーケティングを展開した訳でもなく、両社のマーケティング手法にそれほど違いは無かったはずだ。 にもかかわらず、iアプリの認知度は極めて低い。
しかし昨年7月にソフトバンクがiPhone 3Gを発売すると、瞬間風速で携帯電話の45%ものシェアを獲得し、その後も順調に売れて、ソフトバンクの端末としてはトップだ。6月に出たiPhone 3GSは、ソフトバンクの端末の55%を超える圧倒的な売れ行きを見せた。
その理由はいろいろ考えられるが、iPhoneにしかない特長は「App Store」から世界のユーザーが作ったアプリケーションをダウンロードして使える仕組みだ。これはかつてiモードが、ユーザーの作った「勝手サイト」によってヒットしたのと似ている。ところがそのiモードの海外展開ではハードウェアと一体化しようとしたため、失敗に終わった。
またiPhoneはiTunesなどのソフトウェアと連携してPCとデータ交換できるなど、システムとしての設計がすぐれていて使いやすい。もちろん、おしゃれなデザインも人気の秘訣だろう。要するにiPhoneが日本の端末よりすぐれているのは、技術ではなくコンセプトなのだ。これは優秀なエンジニアや精密な製造技術によって生まれるものではなく、スティーブ・ジョブズという経営者のセンスによって生まれたものだ。
アプリに限定して言うならアレは完全に「ローンチの失敗」である。 最初iアプリが出た時、ローンチソフトはTVリモコンソフトと、せいぜい電卓。 何に使えというのだろう? 結局iアプリはそのイメージを引きずったまま「携帯ゲームのプラットフォーム」に成り下がった。
様々なアプリを最初から取り揃え、ローンチの時点から既にユーザに多くの選択肢を与えていたAppStoreとは大きな違いである。
◎むしろiPhoneがヒットした理由はその後ろにまとめて書いた事…コンセプトに関する所で、あえて技術馬鹿にならず、上に上げられている様なデザインや操作性,PC連携性等の製品機能全てに「物珍しさ」「目新しさ」「シンプルさ」と言うエッセンスを加えた所にある。 これを日本のメーカにやらしたら、女子供向けのバタ臭いデザイン、使いづらいタッチパネル、管理が面倒なPC連携…といった「クソ使えない端末」になることは目に見えている。
◎そしてこれらのセンスの悪さは何も経営者だけではない。 技術者もそうだし、何より企画・営業のセンスが悪過ぎる。と言うか経営者は金勘定するのが仕事だし、技術者は仕様通りのモノを作り上げるのが仕事だ。 製品をデザインし、機能にエッセンスを加えるのは、あくまで企画屋・営業屋・デザイナーの仕事であり、日本はその分野での実力が極めて低いと言う他ないと思う。
(だから逆に、プロダクトデザインより技術先行の分野では強いし、どんなデバイスでも黎明期はバカ売れする)
◎そもそもガラパゴス化自体、日本の技術と市場が進み過ぎているが故に起こる問題なのだろうが、だからといってグローバルスタンダードと国内規格の折衷にシフトしようとすれば、恐らく技術者たちはモチベーションを失い、人材流出が起こる。 事業運営・企画・営業サイドはそれが怖く、なおかつそれを起こさせずにグローバルスタンダード化する手法も生み出せず、結局は安直な「現状維持」に走っている…私にはそう見えてならない。
◎このコラムニストは経営者のセンスが市場を変える,と言っているが、私の視点ではセンスが本当に必要なのは企画や営業といった「文系サイド」の連中ではないだろうか…と思うのは、自分が技術者(のはしくれ)だからだろうか?
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