2009/07/13

【Diary】Android@ドコモ、の暗雲

ドコモ、“黒船”Androidに開国 ビジネスモデル模索

だれでもソフト開発が可能なグーグルフォンの投入は、「安全・安心」を旗印とするNTTグループにとって大きな挑戦となる。グーグルのソフト販売サイトは、ソフトが登録される前にグーグルがウイルス感染などを事前チェックする態勢は整えられていない。山田社長は「(開発環境の)オープン性と安全性をどう両立させるかが課題だ」と、オープン環境で開発された携帯電話端末のリスクを認める。
◎ドコモのこの馬鹿社長の一言に今後Android端末(と言うよりドコモスマートフォン)全体が抱えるであろう問題が凝縮されている。
端末機能のリスクに対するマネジメントモデルが無い段階で端末をリリースすると言うのはどういう了見か。 と言うよりもドコモ自身はこのHT-03Aのリリースにあたって、殆ど「何もしていない」。市場リサーチも、マーケティングストーリーも、サポート体制もまだ無い。
でもとにかく売るから,お前ら勝手に買って勝手に育てろよ、リスクはおまえらが背負えよ、という風にしか私には聞こえない。
余程,ドコモはスマートフォン売るのがイヤなんだろう。

このエントリでも書いた事だが、Androidに限らず新規のプラットフォームを成功裏に立ち上げる為には緻密なマーケットリサーチとそれに合わせた仕様の実装、ローンチアプリケーションの製品化、立ち上げに向けたプロモーションとプレゼンテーション、販売開始後の確実なサポート体制が必要になる。 しかし現時点で、ドコモはSH-04Aを除く全てのPro端末…と言うより今迄発表してきたスマートフォンの「全て」においてこれらの要素を完全に放棄している,としか言いようが無い怠慢っぷりだ。

◎HT-03Aに話を限定すると、HT-03Aがビジネスユースモデルでないにも関わらずiモード非対応かつその代替アプリケーションを用意せず、実装アプリは全てGoogleのもの。 プロモーション活動は申し訳程度にチラシを作った以外は全てGoogle任せだし、アプリの品質保証すらドコモはその方向性を明確にしていない。 そして極めつけが「これから模索します」と言う社長の発言、である。
iPhoneの時にSBMがなりふり構わぬ手段でiPhoneの宣伝と売り込み奔走したのとは全く対照的であり、こんな体たらくでiPhoneに対抗しようと言うのだから笑わせる。

◎まあドコモが新しいプラットフォームにに対するマーケティング能力が低いのは今に始まった事ではない。 ドコモがこれまで立ち上げてきたサービスは、キャラクター商売の「ドコモダケ」と、他社の猿真似の「写メール」以外、何一つ成功例がない。 余計な機能を実装しては徒に端末のコストを押し上げ、端末機能の複雑化・陳腐化を押し進めてきた。 (さらにはそれを端末開発メーカーにまで強要した)
最早ドコモガラケー(笑)は使わない機能を満載した大同小異の端末がその価値に見合わない高値で取引されているに過ぎない。

◎そしてそれらの理由の殆どは「自社主導で器は作るがプロモーションしない、使い方も想定しない」と言う無責任な姿勢に帰結する。 プッシュトークが判り易い例で、ドコモは果たしてアレをユーザにどのように使って欲しかったのか? そしてその為に何をしたか? …何もしていない。 ただ作って、ただ無理矢理端末に実装しただけだ。
iアプリも同じで、有用なアプリは何一つ開発されず、「体感ゲーム」などと銘打っては見たもののさっぱり普及しない間に、ほぼ同じ実装形態のiPhoneアプリ・ゲームに完全に話題を持って行かれた。
おサイフケータイも最初は独自で立ち上げたものの規格乱立の中で規格変更を余儀なくされ、音楽配信サービスに至っては存在すら忘れられた。

◎こんな程度のマーケティング能力しかない上、経営者自ら露骨に「イヤイヤ感」「やらされ感」を表明してみせる「ドコモ」と言うプラットフォームでのスマートフォン展開に、一体何が期待出来るだろうか。 期待するだけ無駄と言うものだ。
唯一の救いは、HTCは何もドコモだけに端末供給をしている訳ではない。HT-03A(HTC magic)が他のW-CDMAキャリアから発表される可能性だってある訳だ。(少なくとも、iPhoneがドコモから出る確率よりは高いだろう)
いっその事それが実現してドコモ涙目になったほうが、良いのかも知れない。

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