2009/07/13

【Gadget】HT-03Aホットモックを試す

◎来客対応の明けで会社を休んだ本日、早速HT-03Aのホットモックを見に行ってみた。 Proシリーズ端末かつIT界隈での話題性の高い製品なので「モック無し、在庫無し」を想定していたが、ウチのような地方都市の直営店でもちゃんと在庫があった。 最初のProシリーズの時はコールドモックすら無かったのに比べれば進歩したと言う事か。

◎筐体は実にコンパクトで、緩やかなラウンドシェイプは手に馴染み易い。 全体的なデザインもかなりシンプルな印象で、ガラケー(笑)のような過剰な装飾が無く、かつギーク端末的なマニアックさも無い、よくまとまった印象だ。 厚みもそんなに無い(TouchDiamondとほぼ同じ)ので、携帯性も良さそうだ。

◎私が最も懸念していたUIだが、タッチパネルの反応性はかなり良い。 iPhoneには敵わないが、同じHTCのTouchPro・TouchDiamond、国産ガラケー(笑)のドン亀実装とは雲泥の差だ。 勿論タッチパネル上でのスクロールも可能だ。
またトラックボールの操作性・反応がかなり良好かつ、表示〜操作間のバランシングがしっかり取られている。

◎文字入力に関してはガラケー(笑)風のテンキー入力と横向きQWERTY入力が選択出来る。 フリック入力(iPhone型テンキー入力)は外部アプリのsimejiを入れれば可能らしい。QWERTYの入力はiPhoneとほぼ同じか若干判定がシビアな感じだが、これは慣れれば特に苦にはならなさそうだ。
IMEは変換精度は可もなく不可もなく。 (ことえりよりは良さそうだ)予測変換の選択方法がトラックボールなので、選び易いのはポイント高い。

◎さて、メールについてだが、ここにHT-03Aの欠点が凝縮されてしまっている。
デフォルトはGmailで、プッシュ配信には対応していない。かなり短時間間隔(おそらく5分)でメールサーバ問い合わせをすることでプッシュ並みの即時性を確保しているが、それはほぼ常時データ通信状態にあるのと同義であり、Bizホーダイダブルの上限金額はほぼ確定でかかってしまう。勿論未契約ならパケ死直行だ。
またこの仕様の為、連続待受時間もかなり短くなっている。
(常時通信をやめると待受時間が140時間→660時間に伸びるそうな)

◎そしてiモードは非対応。 iモードメールはiモード.net経由での閲覧は出来るが配信はされないので都度取りに行く必要が有る。(さらに別途料金もかかる)
事実上使い物にならないのと同義であり、ユーザはGmailを相手側携帯に送る必要があり、受信側にGmailのドメイン拒否解除をしてもらう必要が有る。
SBMがiPhone専用メールアドレスを用意してまでMMSでのプッシュ配信対応・ドメイン拒否回避させたのとは雲泥の差だ。

◎このメール仕様、HT-03Aが旧来のスマートフォン…カジュアルユースでなく、ビジネスユースでの利用を念頭に置いたPOPメール主体の端末であればこの仕様でも良かったのだが、この端末はそうでなく、iPhone同様にカジュアルユースを前提とした端末の筈だ。
カジュアルユース、という点では(iPhoneもそうだが)Flash非対応と言うのも大きな欠点である。 今時Flashを使わない大手インターネットサイトはそう多くない。 一方でiモードサイトを閲覧する手段は用意されていない。

◎このあたりの仕様にドコモのスマートフォンに対する姿勢が透けて見える。 要はスマートフォンが無いとユーザにそっぽを向かれる為「仕方が無く売ってやっている」と言う殿様態度と、あくまでもガラケー(笑)メーカーと自社プロトコルを保護しようとする保守的思想だ。
ドコモに限らず、日本の移動体通信業者が今後取るべき道はガラパゴス化し過ぎた端末の機能整理とそれに伴うコストダウン、そしてガラケー文化・インフラのスマートフォンへの取り込みであり、SBMはiPhoneを通じてその道筋を付けようとしているが、ドコモの態度は完全にそれと逆行した「ガラパゴスビジネスモデルへの固執」である。
(まあ、ガラケーへの固執と言う意味ではauはもっと酷いが…)

◎…と言う事で、端末自体の出来がいいのに、ドコモの都合でどうにも使いにくい端末になってしまっている、と言うのがHT-03Aに対する率直な感想である。
これでは1台目としても2台目としても使いづらい。 前者はサービス面、後者は料金面で、だ。
そしてAndroidプラットフォームに対する「今後」だが、これもドコモがそこに介在する限り、明るい材料がどうにも見えてこない。 これについては別のエントリで。

0 件のコメント: