【Computing/Column】MSの事例に見る、顧客への情報開示のありかた
◎本当に月例行事と化して来たMSのパッチ不具合,今月もやってくれちゃった.
ITmedia:MS,月例パッチの一部不具合を修正
>「MS06-061」のパッチでは脆弱性に対する防御は提供されるが、Microsoft XML Parser 2.6のキルビットが正しく設定されなかった。改定版では正しく設定されるようになっている。今までのように顧客情報を破壊してくれちゃったりシステムを不安定動作させたりと言う「悪質なミス」ではないのだが,ともかくこれで4ヶ月連続.
改定版パッチを適用する必要があるのはWindows 2000のユーザー。それ以外のユーザーはインストールする必要はないという。
MS06-042騒動に比べれば全然対応はマトモなんだが…
◎パッチひとつまともに作ることが出来ないのだから,新製品なんぞリリースしようものなら当然こういうことになる,
iTmedia:「IE7の脆弱性」情報は不正確 -MSが見解
→デンマークのセキュリティ企業がIE7の脆弱性を報告したことを受けてのMSの見解.
>正式リリースしたばかりのInternet Explorer 7(IE 7)で脆弱性が報告されたことについて、Microsoftは10月19日、この問題を調査中であることを公式ブログで認めた。ただ、問題はIE 7に存在するものではないと説明している。うーん,問題点がIEなのかOEなのかと言う問題でなく,リリースして約1日経過したかしないかの製品でいきなり脆弱性が発見されることが問題なんじゃないのかなぁ?
ブログによれば、IE 7に脆弱性があると伝えられたことは「技術的に不正確」であり、実際に脆弱性が存在するのはOutlook Expressのコンポーネントだという。
◎個人的な見解だが,MSの広報姿勢は,技術集団/技術者集団の性格が強すぎるのではないかと思う.
優秀な(偏屈な)技術者であればあるほど,物事をコト細かに,そして正確に把握・報告しようとし,また細分化した分類よりも上位の概念で一括りに語られることを嫌う.
これ,要素設計や詳細分析においては重要な概念だが,要素が集合した「パッケージ」としてみた場合,この思想がかえってアダとなることも有る。
◎車で例えれば,エンジンがかからなくなったとき,たとえ故障の原因が電気系統だろうがカブリだろうがなんだろうが,エンドユーザーにとってみれば「故障」と言う一括りの概念しかなく,修理担当エンジニアがいくら原因を説明しても「故障は故障,なんでもいいからさっさと直してよ」と言い放つだろう.
エンジニアにとってこれ以上ムカつく言葉もないだろうが,逆に考えればエンドユーザーは車を「構成要素の集合体」とは見ておらず,パッケージとしての「車」を重視している,ということも出来る.
◎つまり今回のMSの見解って,「車は動かなくなったけどエンジンは問題ありませんので」つってるようなもんなのだ.
技術者同士の会話ならそれでいいかもしれないが,エンドユーザーに対してその説明では通用はしないだろう.
原因がエンジンだろうが何だろうが車が動いてくれなきゃ困るのと同じで,原因がIEだろうがOEだろうが,パッケージとしての製品がちゃんと動いてくれなきゃ困る…と言うのが消費者の心理だと思うんだけど…
誤解の無いように言っておくと別に詳細な原因報告を【しなくていい】とは思っていない。 主客転倒じゃないか? というわけだ。
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