2006/10/24

【Diary】MSの次なるターゲット

ITmedia:Vistaのセキュリティ機能に憤慨するサードパーティー各社

◎VistaがOne CoreをOS標準搭載するということが判明した時点で、こうなることはもはや確定していたような感じはするが…

Microsoftが独自のセキュリティソフトウェアをほかのベンダーが無効化できないよう(Vistaに)組み込み、不公正に売り込んでいると非難した。これへの対応策として、Microsoftは、ユーザーがオン状態の保護機能を簡単に閲覧できる機能を無効化する技術情報をセキュリティベンダーに提供すると約束した。
 しかしセキュリティベンダーは、ウェルカムスクリーンに表示されるMicrosoftセキュリティ製品にリンクするアイコンにも難色を示した。Microsoftはこのリンクを除去しない代わりに、ほかのセキュリティ企業へのリンクも張ると約束した。
 最大――かつまだ解決されていない――の争点は、セキュリティベンダーが主張するところの、彼らがVistaの高位バージョンである64ビット版のコア部分(カーネル)にアクセスできない点にある。

結局、オフィスソフト市場やブラウザ市場をMSが席巻した際に彼らが何をしたか、これまでの反トラスト法訴訟の訴状で何が問題とされたか…同じことの繰り返しじゃねぇかとw

◎あえてMSの側に立って考えてみると、自社OSに各アプリケーションの機能を融合して、エントリユーザーがアプリケーションを「選択し、導入する」 と言う手間を省く…利便性を向上するという大義名分があるし、実際(独禁法の精神を無視すれば)ユーザにとって便利なことこの上ないのは事実で、これらの手法が、ある程度の知識レベルを持った人(ギークと言ったら言いすぎだが)のツールでしかなかったPCを、一般的なツールのレベルまで押し下げたの要因と言えば要因なのだ。
今回だって、本来いちいちユーザが導入・管理をしなければならないセキュリティソフトの機能を(ユーザにとっては)OSレベルで実現するのがどれだけ便利かは、考えなくてもすぐわかる。

◎ただ、それは「MSが供給するソリューションの各要素が、それらと競合する製品に対して、優れた製品力を持つ」と言う前提において成り立つ話ではないだろうか。
たとえば第1次ブラウザ戦争におけるNetscapeの反トラスト訴訟の時は、明らかに動作速度や安定性、ブラウザとしての機能性(特に表示面)に劣るnetscapeに対して、素直に「アホか、まともな製品作って出直せ」と思った。
しかし今回は事情が違う。 Vistaはまだ世の中に出ておらず、OneCoreの機能性に関する「市場の評価」はなされていないし、I当時のIEやOfficeと決定的に違う「サードパーティが触れることの出来ない聖域」が設けられているというのは、根幹的なところで「サードパーティ排除の意図をもって製品リリースをしようとしている」と取られても仕方が無いのでは?

◎この記事にのっけにある
不公正な商行為をめぐる独禁法訴訟や競合からの抗議への対処に関しては、米Microsoftはかなり経験を積んでいるはずだ。

ってのもどうなんだろう。本当に「経験がある」のなら、それをプロダクトデザインに活かすのが「経験の活用」だと思うのだが…
私が記憶するには、対処と言うより法廷闘争(あるいはそれを経ての金銭的条件での和解)がメインだった気がするんだけどなぁ。

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